どうも。関西シャチです。
今回はタイトルの通りマッシモについての記事なのですが簡単に自己紹介を・・・。
35歳で大阪市に住んでいます。97年からグランパスを追いかけ続けています。
2004年に名古屋の大学に行くまでは地方民だったので、「純喫茶グランパス君」で情報を得ていました(ゴンタローさんこの場を借りて御礼申し上げます)。
マッシモについては、実は最初、全く好きではありませんでした。しかしタイムラインで否定的な意見が多く、それを見ているうちに「それはおかしくないか?」と言う思いが湧いてきてしまったのです。そんなときに討論することもできずに、エアリプを決めるという陰キャしぐさを続けていました。するといつのまにかややマッシモ信者感も醸し出してしまいました。
10月頃にグラぽさんからマッシモについて書いてみない?と言っていただいたのに途中でほったらかしにしてました(グラぽ先生ごめんなさい)。
アンチマッシモにたたかれるのも怖かったのですが、もう解任となったのでそこまで激しいことはいわれないと思い、今書くしかないと思い筆をとってみました。
マッシモが私にくれたもの
これまで何度もいろいろなところで同じことが書かれていますが、「グランパスはチームにピクシーがいないときにはタイトルをとっていなかった」という事実があります。
「あれだけお金をかけたんだからタイトルとってくれないと困る。」という意見も目にしました。僕が見てきたグランパスの歴史は、「お金をかけてもかけてもタイトルを取れなかった歴史」です。お金かけただけですぐ獲れるものなら今まで何回も獲っているのではないでしょうか。たとえお金をかけた結果だとしても(しかも、おそらくリクエストと違うかけ方にもかかわらず)タイトルをもたらしてくれたのは間違いなくマッシモのおかげです。グランパスに対する貢献度は大きいと言えます(マッシモがいう通り主人公は選手ですが。)
あと記しておきたいのが、「選手の笑顔」についてです。
攻撃的で魅力的なサッカーをしたいという言葉は様々な選手のインタビューで聞くことがあります。しかしいくら良いサッカーをしていても、負けて笑顔の選手はいません。それに「塩漬けサッカー」と揶揄されようが、勝ったら笑顔になれる選手がほとんどです。2018-2019は魅力的なサッカーで勝利を勝ち得たときこそ、輝いた笑顔も見られました。しかし選手の悲壮感ただよう姿も多く見ることにもなりました。
マッシモの勝利にこだわる姿勢により、選手たちの笑顔を何度も見せてもらうことができました。心から感謝を贈ります。ありがとうございました。個人的には中谷しんちゃんの笑顔が好きです。
マッシモは若手を育てなかった?
よくマッシモを批判する言葉に若手を育てなかった、というものがあります。
まず中谷・相馬がフル代表に選出されていること。
サッカーの世界では決して若手といわれる選手ではないとも言えますが、マッシモが監督就任時に二人はまだ大卒選手の年齢でした。そこから2年半でフル代表選出まで至っています。(相馬は悲願だった五輪出場もかなえています)ことはまぎれもなくマッシモによる功績とはいえないでしょうか。
(中谷は今の状況に葛藤などもあるようですが・・・詳しくはフットボリスタの記事をどうぞ)
いまの移籍の傾向からすると、高卒年代がJ1タイトル争いで出番を得ている状況なら、今はすぐに海外移籍してしまいます。大卒年代の彼らがちゃんと活躍できているということは十分チームにとっては良い流れだと思います。
マッシモになってからの新加入選手 吉田晃・石田・渡邊・藤井・児玉といった若手の起用について渋いことはサポーターからも苦言が呈されてきました。
しかしマッシモは過去に鳥栖で鎌田・FC東京で武藤を起用しています。
その違いには3つポイントがあると考えます。
① タイトル獲得が最優先のミッションであった
監督はフロントからのミッションを全うすることが求められます。私はマッシモにはタイトル・ACL出場権獲得が求められていたと考えます。その中での若手起用は非常に難しかったでしょう。またフロントとしても若手の起用を促すのなら、石田とポジションがかぶる斎藤学の補強・藤井とポジションのかぶるキムミンテの補強は矛盾しているように感じます。
2人の補強によりタイトルにつながったとは思いますが、それに対して若手を起用しなかったというのはさすがに欲張りすぎではないでしょうか。
② 選手の実力が不足していた
非常に言いづらいのですが、単純に実力不足の側面はあると思います。
渡邊・児玉についてはJ2のプレーで見る限り光るところがすごくあるプレーヤーですが、やはりJリーグでタイトルを争うチームで出場できるレベルには到達していないのかな?というのが個人的な印象です。
③卵が先か、にわとりが先か
また編成の問題としてマッシモが若手を使わないから有望な若手が入ってこないのか・・・。有望な若手を獲得できていないからマッシモが起用する若手がいないのか・・・。卵が先か鶏が先かみたいな話ですが・・・。
上で紹介した記事でも取り上げられていますが、横浜Fマリノスも有望な若手を獲得しているものの、起用はできていないのが現状のようです。
結果を取るか、育成を取るか
久々に出場できたACLで、大きく印象に残ったことがありました。ACLグループリーグは第6戦を前に1位通過を決めていました。試合において個人の責任を追及するのは好きではないのですが、非常に厳しいことをいうと、藤井のミスから終了直前に追いつかれ引き分けました。このまま浦項が負けていれば浦項はグループリーグ敗退していました。最終的に浦項が決勝トーナメントでグランパスに立ちふさがり夢は途絶えました。あそこで浦項が敗退していたところで、ベスト8では同じかそれ以上の強豪クラブとの対戦になっていたかもしれません。
またあの試合で藤井を起用したことは間違いではないと思いますし、それまでにもっと藤井に経験を積ませておくべきであったと思います。しかし、結果をとりながら若手を起用していくことの難しさを思い知った事案でもありました。
成瀬のSB起用についても、トラブルが重なった状況でのスクランブル起用があたった感じであり、マッシモの手柄感はないかもしれません。しかし一度見込んだあとは我慢しながら起用し続け、うまく導いていたように思います。
また成瀬についても終盤起用が少なくなってしまったことも槍玉にあげられます。しかしその代わりに出場していたのは宮原です。宮原は21歳からグランパスで成長してきた25歳の選手です。しかも宮原は素晴らしい働きをしていました。その選手の出番を奪って成瀬を起用することが本当に若手育成なんでしょうか。僕はそうは思いません。
来シーズン以降に成瀬には実力で宮原から今後ポジションを奪えるように頑張ってほしいと願っています。
得点力不足はマッシモのせい?
マッシモはボール保持・攻撃の整備が得意ではありません。それはわかります。しかし、チャレンジできない状況もあったのではと思います。
一番は僕が問題と考えているのは編成としてのストライカー不足です。
サッカーで得点をとることは才能といわれるように、毎年コンスタントに得点を重ねる選手がいる一方で、足元はうまいけど得点がそこまで多くない選手もいます。
2020年に八面六臂の活躍でグランパスの前線を牽引した金崎夢生(年間10点ペースで得点も重ねていました)が前十字靱帯損傷の大けがをおい2021年シーズンの完全な復帰は難しい状況となりました。
2020年オフはストライカー獲得が急務の状況となりました。
その補強として獲得されたのが柿谷と斎藤学でした。誤解のないようにいうと、柿谷も斎藤学もまがうことなきスーパースターであり、今年のタイトル獲得の立役者の一人です。
しかしこと得点に関して言うと柿谷は過去5年で年間平均4点、斎藤学は過去3年で年間平均1点の選手です。
明らかなストライカー不足の中で純粋なCFは山崎(過去J1年間平均得点3点)のみでした。
山崎も短い出場時間の中で、ACLでのハットトリックなど成果を挙げています(途中まで年間6-7点ペース)。足首の靭帯完全断裂の大けがを負ってしまいました。この編成で得点数を上げろって無理な話では?というのがフェアな見方ではないでしょうか。
皮肉にもトップ4チームの得点数は60点以上で大きな開きがあります。
- フロンターレ:レアンドロダミアン 他 多数
- マリノス:前田大然 他 多数
- ヴィッセル:古橋 →大迫・武藤
- アントラーズ:上田
と核となるシーズン2桁が期待できるメンバーがそろっています。
もちろん上位チームは攻撃の組み立てができるチームですが、マッシモのサッカーを完成させるフィニッシャーが不足していた1年間だったとは思います。
改めてその中でタイトル獲得をしたことは称賛されるべきだと思うのです。
ちなみに長谷川監督はディエコオリベイラ・永井・アダイウトン・レアンドロ・田川といったFW陣を擁しながらグランパスより年間5点多いだけの49点でした。
ゴールはFWだけでとるものではないことも重々承知していますが、長谷川監督は現メンバー(クバがシーズン当初からいるためにマッシモより有利な状況)でどこまで得点数を増やすことができるでしょうか。注目して見ていきたいと思います。
個人的なマッシモ好きポイント
マッシモのことはコロナの影響などもあり、近くで見ることはかないませんでした。
自分がいいなと思うことは、選手を公の場で悪く言うことはないということです(観測範囲内のみですが・・・) わたしの見る限りでは常に選手をリスペクトしている発言をしてくれていたと思います。過密日程などについて言及し、「試合前から言い訳している」と嫌みをいわれていることもありましたが、僕には選手を守る発言が多い印象をうけとっていました、
あと露骨な審判批判もしないこともです。(嫌味は言っていたかもしれません)
僕はマッシモ時代になって豊田スタジアムのバックスタンドで見ていたのですが、ルヴァンの決勝は幸運にもメインスタンドからマッシモを目の前で見ることができました。
相手スローインで前に歩きすぎているときにちょこまかと動いてアピールしている姿は、相手ベンチから聞こえてくる関西弁の厳しい言葉と良い対比になっていて、めちゃくちゃ可愛すぎました。
みんなでクラブ全体の後押しを
「マッシモはグランパスに感謝したほうがいいよ。」
「マッシモで我慢しているんだからタイトル取れないと元がとれないよ。」
「マッシモでは有望な若手が入団してくれないよ。」
いろんなマッシモに対する厳しい言葉をTLで目にしました。
サッカーにおいて監督の与える影響は絶大です。それゆえに批判の的になりやすいことは常です。しかし、クラブの弱点・欠点の全ての責任を押し付けるのは違うのではとも思うのです。
ファミリーという言葉も一部では賛否もあるようです。しかし僕は強化部含めたフロント・監督・選手みんなをファミリーと考えて、プロに対するリスペクトを忘れずにいたいなと思います。
僕はマッシモに対してだけではなく、今後も続くグランパスの歴史の中でそうありたいと思います。
マッシモ本当にありがとう
なんだか、マッシモに感謝を伝えるつもりが、やはりマッシモ信者といわれるような偏った駄文になってしまったことは否めません。
賛否あることはしょうがないと思いますが、改めてプロフェッショナルに職務を全うしてくれたマッシモには感謝しかありません。
僕はメルカリでゲットしたマッシモT保持者ですが、宝物である中村直志のサイン入りユニフォームと同じ場所にしまっておこうと思います。マッシモいつまでもお元気で。