2015年5月1日付け中スポ/グランパスウォッチャーで、小川選手の談話が掲載されています。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/grampus/news/201505/CK2015050102000102.html
小川選手といえば明治大学卒業後、セフ・フェルフォーセン監督のもとでデビュー、珍しい瑞穂球技場でのゲームで大活躍したのをきっかけに一年目から試合出場の機会を得ました。その後ストイコビッチ監督のもとでブレイク、2008年には13ゴールに10アシスト以上を決めており、新人王にも輝きました。その活躍から藤田俊哉選手の背番号10を受け継ぎ、今ではグランパス史上もっとも長く背番号10をつけた選手になっています。
赤鯱新報では2015年4月30日、中スポでは2015年5月1日の記事として、西野監督の談話が載せられていますが、要点をまとめて言うと「使われてなんぼ。背番号10へのこだわりがあるようだが、本来は背番号8タイプの水を運ぶ人」と小川佳純選手を評価しています。
たしかに背番号10を背負ってから、思い切りの良いしかけと鋭いミドルシュートがどんどん少なくなり、昨年などはほとんど見ることができなくなってしまったように感じています。ピクシー政権下中期以降ではすっかり便利屋扱いとなってしまい。守備的中盤やサイドバックを任されることが多く、徐々に輝きを失ってきてしまったことは否めません。
なんで便利屋になってしまったのか?
小川選手が便利屋になってしまったのは、実は戦術理解度の高さが仇になってしまったのでは、と考えています。サイドバックであればサイドバックで、どのようなプレーが求められるのかをしっかりと想像することができ、最高とまでは言えないまでも無難なプレーはできてしまうというところです。思えば1トップとセンターバック、キーパー以外のすべてのポジションを経験しているのではないかと思います。
今のグランパスのなかでは異色の選手
今のグランパスの前線は、川又堅碁選手にしてもノヴァコビッチ選手にしても、また松田力選手にしても、みんな器用な選手ではありません。ゲームの流れを読むこともあまり得意ではないですし、悪い時などには空回りしてしまう傾向が強いと思われます。若手の二人などはミスも多いけど攻撃意欲も高く、彼らの動きを見きってフォローできる存在が重要なのかもしれません。
小川佳純選手が入ることで、彼らの潤滑油になっているように思えるのです。小屋松知哉選手はこと攻撃のことだけで言えば小川選手に負けない逸材だと思いますが、まだまだ周囲の動きを理解して動けるタイプの選手ではありません。スタメンが入れ替わったのはそういうところではないかと思います。
これまで10番を意識して、ゲームを作ることに腐心していたことを、ゲームのなかに溶け込む、潤滑油になるということができるようになって、またもう一段階成長できたのではないでしょうか。