はじめに
今回は7本の予定の内、5本目のシーズンレビューになります。 J1リーグ38試合の次は、8年ぶりに出場したAFCアジアチャンピオンズリーグ(以下ACL)8試合を短評で振り返ります。
よろしければお付き合いください。
2021年ACLの振り返り
グループリーグ第1節 ジョホール・ダルル・タクジム 〇0-1
マレーシア王者のジョホール・ダルル・タクジムが相手ということで、未知の相手、未知のスタジアムということで試合展開が読めませんでしたが、ウノゼロで勝利しました。
面食らったのはモハメド アブドゥラ ハッサン主審の吹く笛の嵐、そしてズルズル滑るラジャマンガラスタジアムの芝。
相手よりも試合開催の環境と戦うという難しい試合でしたが、山﨑の機転と阿部のしたたかさで1得点できたのが大きかったですね。
内容よりも結果を求められる試合でミッションを完遂した選手たちは素晴らしかったですし、一方で初戦の難しさを実感した1戦でした。
グループリーグ第2節 浦項スティーラース 〇3-0
グループリーグ最大のライバル、浦項スティーラースと今大会の初対戦でした。
序盤から名古屋の守備ブロックからのカウンター攻撃がハマり、何度もチャンスを作れていました。
特に山﨑、齋藤学、柿谷の調子がよく観ていて安心感がありましたが、前半30分過ぎに柿谷のミドルシュートで先制後、順調に得点を重ねて危なげなく勝利しました。
名古屋の理想的な試合運びが出来た、会心のゲームでした。
グループリーグ第3節 ラーチャブリーFC 〇0-4
スコールが降る中の試合でした。
5-4-1で自陣深く守備ブロックを作りスペースを名古屋に与えないラーチャブリーに対し、山﨑が空中戦を制しヘディングで先制点、前半だけでハットトリックという珠玉の出来でした。
1点目、2点目が似た崩し方であることから、ラーチャブリーは守備ブロックを作るもののCBが空中戦に強くない点、GKとの連携がよくない点をスカウティングしていたものと思われます。
意外にも山﨑はプロ選手としては初めてのハットトリックとのことでした。
本日時点で移籍オファーが取り沙汰されてますが、来シーズンも名古屋で戦って欲しいですね。
グループリーグ第4節 ラーチャブリーFC 〇3-0
ラーチャブリーがDFライン5人の前に1人のアンカーを置く配置に変更し、前回対戦とは違い前半は大苦戦でした。
失点しそうなシーンがいくつかありましたが、ランゲラックがスーパーセーブで事なきを得ました。
後半はマテウスの個人技で先制点、先制点後はラーチャブリーが4-4-2に変更してゴール前にスペースが出来始めたところを上手く突き、追加点を取れました。
グループリーグを勝ち上がりに王手を掛けたという意味で、大きな勝利でした。
グループリーグ第5節 ジョホール・ダルル・タクジム 〇2-1
前回対戦と違い、ジョホール・ダルル・タクジムは4バックをペナルティエリアの幅に絞ってゴール前中央のスペースを消してきました。
しかし、前半開始直後にマテウスのPKで先制、阿部が4バック外のスペースでボールを受け左足のミドルシュートで追加点。
ジョホール・ダルル・タクジムの目論見通りにはいかなかったと思います。
一方、名古屋も今大会初失点、また同点弾を決められそうなシーンもいくつかあり、マレーシアのリーグ王者の底力が見えた試合でもありました。
この試合で名古屋はグループリーグ1位勝ち抜けをほぼ手中にしました。
グループリーグ第6節 浦項スティーラース △1-1
明らかに疲労が溜まっていた選手を休ませ、選手を入れ替えて臨んだ試合でした。
浦項も基本的な戦い方は前回と変化は無かったですが、セットプレーは研究されていたと思われ、CKで浦項の選手をフリーにする危ないシーンもありました。
前田の先制点でウノゼロで逃げ切りたいところでしたが、終始空中戦でも競り勝ち続けていた藤井のトラップミスから失点し、同点で終わりました。
安定したプレーを見せていただけに悔やまれるミスでした。
名古屋は1位でグループリーグを突破、浦項はこの引き分けで逆転で勝ち上がり、結果的には準々決勝で三度名古屋の前に立ちはだかることになりました。
ベスト16 大邱FC 〇4-2
シュヴィルツォクのハットトリックを含む4得点で逆転勝利。
まさに”シュヴィルツォク劇場”でした。
この試合は豊田スタジアムのメインスタンドから観ていましたが、両チームともに良いチームで見ごたえがありました。
私が細々書くよりも、ハイライトを観て試合中の興奮を思い出していただければと思います。
準々決勝 浦項スティーラース ×0-3
連戦の疲労が溜まる中、前半から得点のチャンスを作り続けましたが、セットプレーで失点し、先制点後は守備ブロックを固める浦項に完敗しました。
8年ぶりのACLはベスト8で敗退という形で終わりました。
浦項側もセットプレーの守り方の弱点を名古屋の試合を分析して分かっていたでしょうし、名古屋も連戦の疲労で大邱戦のような反発力を出せませんでした。
先発メンバーをほぼ固定する戦い方の限界でしょうし、負けてしまいましたが、今シーズンのチームの実力は出し切ったと考えます。
おわりに
今回のACLはベスト8まで進出しました。
2022年はACLの出場はありませんが、2023年にはまた挑戦できるように国内で良い結果を残して欲しいですね。
次回は天皇杯を短評レビューします。