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名古屋グランパス2023シーズンプレビュー(グラぽ編集長編) #grampus

いよいよ2023年シーズンの開幕が近づいてきました。

いろんな角度からシーズンプレビューをしてきたグラぽも、ついに第4弾になります。

第4弾はデスクから。

デスク

デスクとは:編集者を統括する人、それが編集長でありデスクです。出版社や編集プロダクションによっては編集長がデスクと呼ばれていたり、副編集長をデスクと呼んでいたりと変則的ですが、ヒラの編集者ではなく、責任ある立場の人間であることにかわりはありません。部下の編集者の企画や制作物の出来栄えを細かくチェックしたり、アドバイスをしたり、制作の進行管理や予算管理なども行います。

自分の考える22年名古屋グランパスの課題

詳細はこちらの記事を読んでいただくとして、グランパスが極める道というのは「堅守速攻」です。長谷川健太監督は「ファストブレイク」と呼んでいます。

何度も使っていますが、ファストブレイクの定義は以下の通り。

  1. 相手の攻撃の選択肢を狭めて奪い、確実にマイボールにする=ボール奪取のカタチを持つ
  2. マイボールにした瞬間にボールホルダー以外の選手を含む複数で速攻をかける
  3. アウトナンバー(3:2や2:1で、オフェンスが数的に有利な状態)を作り出してシュートに持ち込む

記事で書いていた通り、これはうまく成立できていません。

課題1)ボール奪取の場所を高めに

グランパスのボール奪取の形はどうだったかというと、以下の表から考察できます。

グランパス守備陣のFootball LAB係数
グランパス守備陣のFootball LAB係数

守備力はいずれも偏差値に直すと60以上と高いのに対して、ボール奪取の数値は低めになっており、最終ラインはマイボールにするというより止めることを主眼としていることがわかります。

結果ボールの奪取役は稲垣祥とレオ・シルバになるわけですが、そこで注目したいのは二人のカバーエリアの高さです。これはそれだけ動いているということを意味し、ピッチ内を縦横無尽に動き回ることを強いられていたということでもあります。しかし奪う位置がそんなに高くなかった。

なぜそれを断言できるかというと、名古屋グランパスのハイプレス指標は「49」。これだけボール奪取の数値が高いのに、ハイプレスが低め、ということは自陣でのボール奪取を強いられていたということになります。これをもう少し上げないとファストブレイクには至りません。

課題2)カウンター時にどれだけ枚数をかけられるか

森下龍矢がポジションを奪ったことで、少なくともマテウス・カストロ1人でカウンターをかける、という状態を脱することができたのではないでしょうか。

とはいえ、守備陣に対して数的優位なほど枚数が掛けられているか?というとまだまだなのかな、と思われます。押し込まれると、どうしても反発することができなくなる試合をいくつも観てきたので、それを解決したいところです。

課題3)数的優位を作る仕組みを作る

相手を押しこみ過ぎると、どうしても相手の数的優位状態を作ることになります。適度に攻めさせないと数的優位は作れないわけです。

数的優位を作る条件は、以下の3つです。

  1. 相手選手を相手陣内から味方陣内に引き込む
  2. 相手からボールを奪ってから、相手が帰陣するよりも早く攻め込む
  3. 攻め込む際には相手よりも枚数を掛けて攻め込む

1をやりすぎると、先ほどの記事でも書いたようにカウンターの距離が長くなりすぎてカウンターの成功率が悪くなります。ですから、相手に適度にボールを持たせて、いざというときに奪う、という形が欲しいわけです。

23年の補強から見る課題への答え

グランパスの23年の補強は以下の図で見ていただけるとわかりやすいと思います。

2023年のグランパス(グラぽ共通)
2023年のグランパス(グラぽ共通)

野上結貴・和泉竜司・山田陸・ユンカー・ターレス・米本拓司が新戦力と言えるでしょう。

課題1)ボール奪取の場所を高くする に対する答え:山田陸の獲得

山田陸の特徴はボール奪取の高さとパス能力の高さです。

山田陸のプレイングスタイル指標 https://www.football-lab.jp/player/1606084/
山田陸のプレイングスタイル指標 https://www.football-lab.jp/player/1606084/

終盤安定感を欠いたレオ・シルバの後継者として獲得しました。まだ24歳と若く、ヴァンフォーレ甲府の躍進のキーマンの1人とも言われた選手です。ボールを奪取して前にグイグイと持ち上がるプレーが特徴的で、彼が躍動することで高い位置でのボール奪取力を担保しようとしていると考えられます。

課題3)数的優位を作る に対する答え:ユンカーの獲得

課題の順番が違う、とかは気にしないで・・・。

ファストブレイクというと速さを求めると思いますが、「相手の帰陣より早ければ良い」のです。

相手DFよりも速い選手が複数枚居れば、数的優位を作れる可能性が高くなります。スピードがあって、さらに決定力が高いキャスパー・ユンカーは求めていたFW像ピッタリでしょう。(昨年獲得できなかったトクマック・グエンも思えば同じタイプでした)

課題2)カウンター時に枚数を掛ける に対する答え:和泉竜司の獲得

昨年の1つの課題として、仙頭啓矢を下げて守備的中盤として使ってしまうと、彼自体は自分でボールを持ち上がれるタイプではありませんし、それは稲垣祥も同じです。結果、ロングパス頼りになってしまうというところがありました。

ボールを前進させるための手段がサイドの相馬勇紀と森下龍矢、あとはマテウス・カストロのドリブルしかないので相手は守りやすかったわけです。

正直言うと、ボールを保持して運べる選手が足りなかった、と思っています。

その答えになるのが和泉竜司です。彼はドリブルで1枚相手を剥がして、前線までボールを持ち上がれる選手です。

ロングボールでユンカーの頭の上をボールが超えて行くのでは、速い3枚の前線を活かすことはできません。

前線には速い3枚が居て、そこにボールを届ける和泉竜司が居て、4枚、あるいは逆サイドで森下龍矢まで含めて5枚で攻め込む形を取れれば、迫力のあるカウンターを実現できるはずです。さらにはそのこぼれをミドルで狙う稲垣祥・・・完璧じゃないですか!

どのような戦い方をしようとしているのか (予想)

上記を踏まえて、名古屋の戦い方を予想してみましょう。

3-4-3の狙い

カウンター時の数的優位を担うのが3トップです。

3-4-3の布陣
3-4-3の予想布陣

ユンカー、マテウス・カストロ、永井謙佑の3人が相手のDFの帰陣より速く攻め込む。

ここで重要なのがビルドアップ能力です。和泉竜司が運び役になるとしても、そこにボールを届ける選手が必要になります。よって中盤やDFラインにパス出し能力が高い選手が必要になります。丸山祐市、野上結貴、藤井陽也の3人は大忙しになるはずです。米本拓司のグレードアップか、怪我で出遅れている山田陸のコンディション向上が期待されます。

3-5-2の場合

3-4-3の布陣では中盤の構成力が不安になることが予想されます。またキャスパー・ユンカーは怪我持ちなので、全試合フル出場というわけにはいきません。そうなるとセカンドベストとして3-5-2の布陣が予想されます。

3-5-2の布陣
3-5-2の予想布陣

3センターの場合、1枚はボールを運べる選手が必要です。そうなると和泉竜司を中に入れ、サイドには甲田英將や内田宅哉を配するという布陣を予想します。

自分の考える2023年名古屋グランパスの課題

キャスパー・ユンカーと永井謙佑、どちらも全試合フル出場が見込めない選手です。そこで必要になるのが交代選手の底上げです。候補になるのは酒井宣福、ナウド、ターレスらが想定されるでしょう。またWBで勝負をするはずの甲田英將をここで使わなければならないような事態があってもいいかもしれません。豊田晃大も自分の場所を見つけなければならない時期です。

彼らが先発の3人を脅かす戦いができるかどうか、これが名古屋グランパスの課題になると思います。

自分の考える2023年名古屋グランパスの期待

期待といえば、全てといってしまいたいのがサポーターとしてのデスクの気持ちです。

が、敢えて言うならば、昨年の新人3人の躍進を期待したい。

甲田英將は、和泉竜司をインサイドハーフに追いやる活躍をして欲しい。

豊田晃大はまずは結果を出すこと。チャンスを得られたら、そこで違いを見せつけること。

吉田温紀はフィジカルモンスターになって欲しい。センスは間違いないわけで、課題になる運動量を向上させるだけでも変わってくるはず。稲垣祥など見習うべきセンパイはたくさんいるはずで、まずはチャンスを得られるはずのルヴァンカップで結果を出して欲しい。

みなぎってきた。あとは現地でその結果を見届けるのみ。今シーズンも一緒に応援していきましょう。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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