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名古屋の苦手名鑑 2024年J1リーグ第17節 川崎フロンターレ戦マッチレビュー #グランパス #grampus #frontale Y0174

京都戦同様に4141からのプレスが特徴の川崎戦。個々の経験の差が出た部分もありながらも見事に「名古屋の苦手のオンパレード」となりました。

中々長い時間を取らないと修正が難しい課題であったり、選手の質でごまかしていた部分もあり、それが効かない選手のセットだったのも響いての敗戦となりました。

ゴール期待値4越えの裏にある今ある名古屋の全課題を振り返ります。

試合情報

1.川崎フロンターレ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
1.川崎フロンターレ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ

川崎は4141でセット。名古屋の前線のプレス部隊に対して2CB +アンカー+αで挑む。

大南が高い位置に張り出している時間が長く2CB +瀬古+α(基本は脇坂or橘田)の中央の2+2が名古屋の前線3枚の守備に選択肢を突きつける。

様々な形を作って名古屋の守備をハマらせない。瀬古、脇坂が降りて3-1の形になったり、橘田が絞って2-2の形を作ったりする。とにかく「3枚に対して4枚を作る」が川崎の約束事に見えた。

ビルドアップ部隊の4人を形成する中で大南が勘定に入らずに高い位置を取る。

前線の守備部隊の中でも経験が浅い倍井に対して個別に選択肢を迫るような立ち位置は名古屋に取ってかなり厳しかった。

編注:倍井謙の起用についてはおそらくドリブルでサイドの深くを切り裂いて、高めのポジションを取ると予想された川崎SBを上がらせないという意図があったと思われる。メリットが出たシーンもあったが、デメリットとしては守備面が挙げられる

倍井の出足を後出しジャンケンの様にズラして行く事で和泉の前後動を強制し、稲垣、椎橋のサイドへの動きを誘発してゆく。

2.川崎の作る名古屋3枚(キャスパー・倍井・森島):川崎4枚(高井・ジェジエウ・瀨古+1枚)の構図
2.川崎の作る名古屋3枚(キャスパー・倍井・森島):川崎4枚(高井・ジェジエウ・瀨古+1枚)の構図

前半にゴミス対三國の格付けが完了してしまった事もあり、ゴミスの周りで優位を取りたい川崎は橘田も外から押し上げ、あからさまに脇坂を足した中央4枚でビルドアップをする。

2CB+2CMFのビルドアップに対してはキャスパー、森島、倍井、+椎橋or稲垣で対応するしかない状況となる。

3.名古屋に強いられた守備対応
3.名古屋に強いられた守備対応

1枚確実に名古屋のCMFを手前に引っ張ってくる。そして両SBが高い位置を取ってWBに守備で中に絞らせない。

受けるボールに対するセットアップはこれで完璧だった。

遠野や家長がかなり絞った位置(CMFの背後)に立てたのもビルドアップでの名古屋の守備部隊の釣り出しで空いたスペースで数的優位を取る事が目的だった(受ける人数を足す)

対名古屋の話で考えると2-2の形を作るのはガンバ戦で名古屋が苦労する形だったので

合わせて考えると非常に分かりやすい↓

選択肢があるが故に

京都戦の復習となった4141の攻略。

詳細は京都戦のレビューで↓

川崎が特徴的だったのは「プレスの出方の約束」

基本的にはゴミスが2センター周りに立ちながら後ろでブロックを組む。

ただし、プレスに出る約束は「地上戦の距離が長いパス」という部分が明確だった。

例としては低い位置のCBから出てくるパスに食いつくのがわかりやすかった。特に川崎のSHが絞ってブロックを組む(特に家長)事もあり、CB→WBはWBからの脱出を防ぐような形(左サイドが顕著)となり明らかにパスがでる事をきっかけに詰まらせる設計であった。

その為、名古屋の攻撃のやり直しがブロックに近く、味方同士のパス交換の距離が近い場合は食いついて来ない。

川崎が食いついて来ない事もあり、ゲート間やその後の受け手に対するプレッシャーが厳しいと推測された。しかし、瀬古の脇である2列目の4枚のブロックの裏に対する反応は薄く、ブロックの近くまで運んでしまうとゲート間を通す事が容易であった。(名古屋側は右のCBが外の駆け上がりをする関係上右のIHに対するゲートは広くなる)

用語解説:ゲート:ゲートは、直訳すると門。守備の局面では守備ブロックで構えている2枚のDFを指す。この2枚のセットはピッチ内にたくさんあるが、狭い2枚の間に突っ込むのは守備側に取って楽勝でボールを奪えるチャンスを与えること。基本的にそのゲート間をいかに拡げるかが攻撃側にとって重要な要素になる。ゲート間を通すことができれば一気にチャンスは拡がる

名古屋としては最終ラインvs中山が効果的な事(ラグさんのレビュー参照)と瀬古の脇にボールが通る事もあり選択肢は多かった。

4.プレス回避から組み立てと開いた山内・遠野間のゲート
4.プレス回避から組み立てと開いた山内・遠野間のゲート

しかし、誤算はその選択肢の多さにあった。

最終ラインが低い位置からプレスを引き付ける事が出来れば当然ブロック間に通るパスの効果は大きくなる。(実際、プレス回避から椎橋、稲垣スタートの場面は多かった)

プレスを引き付ける事が効果的と踏んだのか最終ライン(特に三國とチャンレ)がとにかくブロックに向けて運ぶ事をしなかった。

(効果的と考えるなら両WBをちゃんと落として脱出計画をしないと当たり前にどこかで詰まると普通は思うのだが…)

京都戦では豊川の近くまで運ぶ事で相手のプレスの出足を変えた名古屋。しかし、今回は最終ラインが運ばない為に稲垣や椎橋もブロックの手前に待つしかない。(後半に米本を入れたのはブロックの手前でも奥でもボールを扱える選手だから)

5.ブロックに向けて運ぶメリットと、運ばなかったことによるデメリット
5.ブロックに向けて運ぶメリットと、運ばなかったことによるデメリット

こういった状況もあり、CMFを絡めてブロックに選択肢を突きつけられなかった。そして、中山というこの試合で明確な“違い”にもボールをいれる事も減っていき2失点目に繋がってしまった。

試合雑感

  • 試合で起きてる事を理解してその日の試合の習性を読み取る部分が露骨に出来ていなかった選手が目立ってしまった。技術云々、指導云々以前の話。
  • 川崎の最終ラインの緩さは目立ったが、しっかりと名古屋の苦手をスカウティングした事と個人の苦手を突いた事はさすがだった。
  • 三國vsゴミスは仕方ない。経験の差。だからこそそれ以外の部分で中山や前線に頼ってもよかったのでは?と言う部分。(非保持でも壊れたので出したくないのも理解するが)やりたい事とやれる事。やらなきゃいけない事の区別、理解の仕方。
  • 前に張る中山を使う割には詰まってるのに中山が降りなければいけないビルドアップをしたり、山中が入ってから突然右サイドに固執したり。こういう部分が「試合の習性を読む」という事。

最後に

一喜一憂してる余裕が無い日程です。次を見据えて。

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この日のミスを糧にして立ち上がれ!三國ケネディエブス

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