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前半ハマった非保持の局面と後半の変化 2024年J1リーグ第25節 京都サンガ戦マッチレビュー #grampus #グランパス #sanga Y0182

ここ最近の名古屋あるある「日程に余裕が出ると試合内容が怪しい」という不安を払拭しかけた前半。

その一方で、前半で決定的なシーンでのオフサイド、後半は被カウンター前に決められなかった。など、パフォーマンスとしてもう一段上であれば…という悔しさが残る試合となりました。

試合情報

1.京都サンガ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
1.京都サンガ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ

相手を見て非保持を考える

まずは前回の対戦から復習。

前回対戦ではハマらなかった非保持の局面がなぜハマってるのか?前半戦のレビューと見比べると一目瞭然。

京都の形は上記のレビュー内で解説している[優位を取りたかった「非保持」]の項で説明している形とほぼ変わらない。

先制点の直前は福岡が外に外れて、原が降りてくる。それに対して金子が原を追い越す。という形で京都の約束事にほぼ変化は無い。

京都の中盤3枚が如何に名古屋の3センターをどけるか?そこに京都の前線が降りて来て数的優位をとるか?という考え方のベースは変わらないように見えた。

名古屋側はどうか?といえば、前線3枚がいびつにセンターバックに当たる形をやめた。特に山の頂点に立つパトリックがアンカーポジションである福岡の見張りを優先しているのが大きな変化だ。同時にプレススタートのラインを前線3枚がそろえる事でCM、DMがサイドに逃げるような京都の選手の対応時に縦方向のギャップの幅を小さくする事も出来た。

(マークの受け渡しなんかが起きた時に、選手間に2方向の大きな矢印のギャップがあるよりも、1方向に制限できれば楽)

2. 3トップのプレスラインと中盤の構図
2. 3トップのプレスラインと中盤の構図

意識的なプレスの高さのスタートの統一は04:10〜がわかりやすい。

スローインからの展開。森島が直前に後ろの守備陣に“出て来いよ”と確認してからの

プレススタート。それもパトリック対福岡の守備の高さに合わせて出てくる。

プレスの強度も普段なら片道の速度で行くような場面が多い中で、山岸、パト、森島、中山の4枚のプレスのラインがそろって圧がかかった場面だった。

守備で連動して出てくる選手たちに対して基準線を引く事で“自分から基準線まで”が明確になり、基準線がガタつかない事で連動者間での位置のズレやイレギュラーも起こりづらい。

結局、直後の得点も山岸とパトリックが福岡のマークを簡単に受け渡せた事からスタートする。

(パトリックがバックパスに反応した判断材料のもう一つは鈴木のジェスチャー。プレスが掛けられており、自分がボールをもっている状況の“最中”に奥に走ってくれ。というジェスチャーが入る。これはすなわち、“今は出せない”の合図。あのジェスチャーをした分、何メートルか後ろに下がれなくなり三竿の判断も迷わせた。相手を見てから走り出したパトリックの勝ち。)

プレスに行きやすい環境を前線が作る事のデメリットを上げるならば22:30〜のように、なんとなく相手が窮屈な気がして連動するはずの選手がノリで守備の基準線に吸収される。前を見てる間にマークの受け渡しを忘れていつの間にか守備がずれてる状況ができる事。

(この場面では椎橋がパトリックのマークに干渉してしまって後ろからサポートに入ってくる平戸に気づかずに和泉が引き出された。基準線を引いて人を見れるようにしてる以上、ノリでズレると最終ラインも人に対応してあげてるだけにスペースを使われる)

京都の形と名古屋の突ける穴

前回対戦時のように一筋縄ではいかない(名古屋のマークがずらせない)京都は、エリアスを落として原を内側に走らせる動きや、原を平戸が追い越す事で名古屋のCB、CMFの守備のマークの受け渡しをずらすような展開を作る。

三竿も原に合わせて外から入ってくる瞬間は脅威になったが、明確に京都が持てる時間帯になった前半40分前後までは外側のオーバーラップも目立たなかった。

逆に原が単体で内側に入ってくる展開が多くかった。(おそらく約束としてエリアスが0.5列ぐらい落ちたら中に動く。を決め打ちしてたと思われる)

トゥーリオも逆サイドで圧縮された展開では中に立つ事が多く、攻撃から守備の切りかえ時に名古屋はWBがフリーになっている状況が多かった。

3. 京都が内側に寄り、名古屋WBが浮く構図
3. 京都が内側に寄り、名古屋WBが浮く構図

京都のSBが押し込んでこない名古屋のWBに困惑して立ち位置を迷っていたようにも見えた。迷っていた原因は京都側と名古屋側の両サイドの変化にあると考える。

名古屋側の変化は左サイドの変化。

前回対戦時には左のIHは永井で最終ラインとサイドへの駆け引きを行うために左のWB(小野&和泉)はIHの位置に立つ展開が多く、外側にビルドアップの逃げ道がない名古屋は京都の右のWGのプレスに苦労した。しかし、今節は左WBの和泉が外で引いて受ける展開となり、ビルドの逃げ道と同時に山岸は福岡の脇で貰うような立ち位置を取る。よって前回対戦時のように片側でプレスをかけられてボールを手放す展開が少なかった。

一方で、京都側の要因としては守備の時の原のタスクの曖昧さ。

前回は原→松田となっており、名古屋の左が手詰まりになったこともありWGーIHでラインをそろええて壁を作る事を優先(京都の右サイドに誘導)した。しかし、左が手詰まりにならない事で、プレーに制限がかからない。

その上、京都の最終ラインがボールを持てば原は機械的に内側に入る事が多い為、切り替え時に誰をどう見るのか?どういう展開の時はどうするのか?が決まっていないように見えた。

実際、内田→森島→中山と縦に並ばれると綺麗に原と三竿の間に名古屋の選手が立つ事が出来た。原は孤立しているのでコースを切ろうにも一人では限界!という場面が目立った。

4.空いた原と三竿の間
4.空いた原と三竿の間

後半~京都の形の変更の意図とリソース管理

京都はWBの対処もかねてSHを置く形とし、トゥーレル、松田の2度追い出来るような選手をワイドに置く。名古屋のCBとWBの間に選手が立てるようにし、曖昧だったSBの攻撃参加の部分やプレーのレーンを作っていく。

形を変えたことで、原の内側への動きを付けた時にSHとSBが外のレーンに残るようになった。ここで11人そろって居なかった事が押し込まれる展開へ傾くことになる。

名古屋側の退場と京都の形の変更で名古屋としては10人での戦いへのシフトと相手の形が変化したことへのシフトの2段階の対応作業が必要になった。

5. 変わった京都のサイドの使い方
5. 変わった京都のサイドの使い方

後半失点の場面。前半と明らかに右サイドのピッチの管理方法が変わった。

名古屋は前半、中山と森島、内田はほぼローテーションのように一定の距離(京都の選手間)を作り、3人のうち2人が前に行くと一人は残る。を徹底。中山ですら森島と内田が前のローテーションに入るとセンターラインで待つような形を取る。

中山が内側に入れば内田が下がる。ハーフスペースに入る選手を意識する事でセンターの選手達が無理にサポートに入るスペース状況を消した。

決められたスペースに対して決められたリソースを使ってリスクの管理をする。中山と内田は明らかにピッチ整理を覚えた。

後半のカウンター直前。野上が入って攻める場面では前半とは違う形。明らかに稲垣も寄った近い4v4で崩した。結果、チャンスになったが、この形で行く約束をもちろん伝達してない為、河面と三國以外全員がリスク管理度外視で前に突っ込んでカウンターを喰らった。

周りの選手たちが気づかないうちにピッチ整理をしてくれていたユニットの欠損を思い知ることになった。

試合雑感

  • 内田のプレー判断のミスは痛いが、そこを責めるのであれば、GKからのキックの精度、ヘディングでサイドのスペースに出さない。出せないプレー選択と技術。抜かれたら確実に1対1に持ち込まれる中で他の最終ラインの選手の戻るランニングの抜き感
    フィジカル的な特徴の差、ボールにかかっていたスピンの状況の中で、プレー選択のミスの前にあった変数が絡まないプレーの精度の低さを棚に上げてここだけ切り取るのは個人的には気の毒。
  • カウンター失点時の三國の最後の頑張りジャンプで明らかに三國の空間認知の上を抜きに行ってるように見える二失点目の弾道と球の選択
  • 変更点が一瞬で2か所も来るのはさすがにどれだけ最新機器を使おうがピッチもベンチも適応は難しい。前半のチャンスで追加点を取れなかったのを悔やむしかない。
  • カウンター失点の場面も前半は外の流れは全部内田が対応するぐらいの展開。中山は基準線づくりに連動して前から行く役割だった。手癖。
  • 2-3になった直後、DAZNに映る重廣の鼓舞に胸が痛む

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