グラぽ

名古屋グランパスについて語り合うページ

メニュー

プランCの効用と課題 2024年J1リーグ第33節 アビスパ福岡戦ピンポイントレビュー #グランパス #grampus #avispa #喋る机 #GR638

デスク:今回はyuttyさん忌引きのため、間に合うかどうか不明だから、デスクからもいくぞ

編集者:yuttyさんのは、間に合えば火曜日に出す感じになると思います!

なぜあのスタメンだったの?

アビスパ福岡・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
アビスパ福岡・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ

ルヴァンカップを控えた名古屋グランパスは大幅にターンオーバーをしかけて来ました。
椎橋慧也 → 菊地泰智
野上結貴 → ハ・チャンレ
永井謙佑 → キャスパー・ユンカー
和泉竜司 → 山岸祐也
内田宅哉 → 中山克広
徳元悠平 → 山中亮輔

そんなに単純な話でもないのではないだろうか。このタイミングではじめてキャンプ以来でやりたかったはずの本来のプランAが、プランCとして試せるようになった、ということだと思う。

確かに!
この試合のスターティングメンバーって、菊地泰智を除けばシーズン前に予想されていた基本フォーメーションそのものですね!

このプランでの狙いは、山岸祐也のポストで前進中外の高速な切り替えで守備のズレを作る
外(山中・中山)→中(CMF)→中(山岸)→外(山中・中山)→中(キャスパー・山岸)で仕留める、地上戦特化フォーメーションだろう

プランC:地上戦特化フォーメーション
プランC:地上戦特化フォーメーション

これがボール保持型になるということですか?

質問箱などでも「長谷川健太監督はできないボール保持に色気をだしたから前半は調子がでなかった」などという意見を送ってくる人が多く、ウンザリしているのだが(それ質問じゃないじゃん)。ロングボールは前線で収める

ボール非保持=ロングボール多用というわけではないんですか?

そもそもボール保持というのは、ボールを中盤で動かして、相手の守備の綻びを作る戦術を指している。
グランパスは最初からそんなことは目指していない。中盤で相手のボールを奪えれば、相手の守備は完璧な状態ではない。そこを速攻で崩す(=ファストブレイク)という軸は変わっていないはずだ。

なるほど、ロングボールで前線に送るのか、中・外を高速で動かして相手を外しながら地上戦で速攻をかけるのか、という違いなんですね?

そう、ロングボールは前線で収める選手の能力にかなり依存する。
シーズンオフにウェリントンを獲得に動いていたのもわかる収めっぷりだったことも、この試合を見ればわかるだろう

前半はどうでしたか?

前半はグランパスが圧倒しました

Attack momentumを見て貰えばわかるが、下がグランパス。前半の序盤以外はほとんど名古屋が押していた

一定以上の技術のある選手と連携があれば、地上戦特化フォーメーションは十分に機能する、というのがよくわかったと思う

そこまで前線から守備をしまくっていた、とは言い難いユンカー・山岸祐也の2トップでしたが、アビスパ福岡DFが十分に上がれませんでした。

それだけその2人が怖いということだろう。
そしてDFが押し上げられない結果なにが生まれるか?
それは中盤のスペースだ。

面白いように菊地泰智がボールを受け、そして散らしていました。

菊地泰智があそこであれだけやれた、というのはかなりの成功体験としてインプットされたはずだ。
一発のキラーパスが狙えるタイプの椎橋とは異なり、これはキラーパス!というのを連発するわけではないが、まさにダイナモと言える動きだった
ただ、あれだけ動いていたら90分はキツそうだな、とも思った。交代できるCMFがいれば・・・。

後半グランパスはどうでしたか?

後半選手交代はなし。70分までは名古屋が変わらず押していました

メンバーが変わらず、相手も特に手を打ってきていない状態だったから、変わらないことは驚きではない。むしろアビスパ福岡は終盤に勝負手を残してきていた。

ザヘディ・金森で疲れさせ、グランパスの脚が止まったところでウェリントン・岩崎でしかけ、こぼれを松岡が拾いまくるというプランですね?

ウェリントンの収まりっぷりは驚いた。ザヘディにほとんど勝利していたハ・チャンレが、ウェリントンに対しては勝率が低かった

ウェリントンはマジで名古屋キラーですね。

まったくもって狙い通りで、ロングスローのこぼれを蹴り込まれて失点。そこまでに点を決めていなかったのが悪い、というのは皆の共通見解に近いだろう。

悔しい敗戦になりました。

プランCのメリデメ

やっと実現したプランC(本来のプランA)ですが、どう評価しますか?

プランCは十分に成立したと思う。
このプランは、相手のDFラインが高くて固い場合に有効だと思われる。
高くて固いと相手DFラインは気軽にラインを下げてくれる。そうすると中盤のスペースが生まれ、菊地泰智のような小兵タイプのCMFでも問題なくボールを受けられる

(・・・高くて固いとラインを低くしちゃうって、かつてのグランパスそのもの・・・)
外→中→外の繰り返しを実現するには、テクニカルな菊地泰智やポジションチェンジした森島司、山岸祐也らの働きが重要なわけですね。

ゴール前まで運んだときに、大きなクロスではなく、グラウンダーでマイナスのパスを選択していたのも狙いだったと思う。

キャスパーは高さで圧倒できるタイプではないですからね。

誤算があるとすれば、そこでキャスパーが決めきれなかったところだな

まあ、そういう日もありますからね。

ただ、固いと評判のアビスパ福岡DFをあそこまで押し込めたのは評価に値するだろう。

今後のグランパスの課題は?

さて、よくサッカーはジャンケンに例えられ、グー/チョキ/パーが使い分けられないとなかなか勝てないと言われています。これで3つのプランが出そろったと考えていいでしょうか?

プランA:対ボール保持チーム決戦仕様
プランA:対ボール保持チーム決戦仕様
プランB:対ボール非保持チーム決戦仕様
プランB:対ボール非保持チーム決戦仕様

プランAはハイプレス命のフォーメーション相手を崩して勝負するパターンだな。ただ、プランAの場合、ジュビロ磐田戦で判るとおり、中盤を省略されて蹴り込まれるだけだと前線が浮いてしまう。

プランBはそのジュビロ磐田相手に見せた中盤にポストプレーヤーを置いて、その落としを使って前進するパターンでした。相手DFに対して守備をしてもあまり意味がないため、FW(パトリック)を中盤に下げ、起点を作るパターンでした

プランBは前線の守備を最低限にした堅守速攻プランだ。速攻のカタチを作るには中盤で起点を作らなければならない。ただこのプランの場合、マイボールにする奪取方法を作れないと厳しい。多くの場合、押し込まれてシュートミスを待つしかなくなる

結局万能のプランはないわけですよね。

だから、プランを使い分けられるようになることが必要になる。

この日は、プランCから選手交代をしたことで、プランBともAともつかない、なんとも中途半端なカタチになってしまったことで、75分以降はほとんどボールを持つことができなくなってしまいました。

今日はまだFootball-LABのデータが上がっていないが、Attack momentumの時点で明らかだな。屈強なアビスパ福岡CBの前でパトリックを競らせてもそこまで収めきれないで相手ボールになってしまう。それなら競るポイントは前や松岡のポイントのほうが勝ち目があったはずだ

なぜプランの使い分けができないのでしょう

選手達が不器用だから、と言い切ってしまうのは簡単だ。
だが山岸祐也が移籍後、アビスパ福岡に比べて戦術の決まり事がとても多いとこぼしていた

その決まり事がプランごとにあったとしたら・・・?
それを消化し切れていないというのがあるのではないだろうか?

もしそうだとしたら、それを消化しきれるようになるんでしょうか?

1つには慣れることもあるだろう
しかしもう一つはそのプランのスイッチを切り替えられるリーダーが現れることじゃないだろうか

いまの選手で言えば森島司・菊地泰智あたりがその候補でしょうか。その他の候補を含めて選手の成長に期待ですね!

次は良い試合になりますように

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

Leave A Reply

*

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE