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うまくいかなかった組立ての理由 2024年J1リーグ第37節 サガン鳥栖戦マッチレビュー #グランパス #grampus #sagantosu Y0195

前半終了の笛が鳴った時の異質な空気。ここ数年では感じた事の無かった会場の空気感が長良川のお土産だった

試合情報

名古屋グランパス・サガン鳥栖のスターティングメンバー・ベンチ
名古屋グランパス・サガン鳥栖のスターティングメンバー・ベンチ

ポジション名名古屋グランパスサガン鳥栖
GK(ゴールキーパー)ランゲラック朴(ぱく)
CB(センターバック)内田・三國(みくに)ケネディ・河面今津(いまづ)・木村
SB(サイドバック)丸橋・上夷(うええびす)
WB(ウイングバック)和泉・徳元
CMF(セントラルMF・ボランチ・センター)稲垣・椎橋渡邊・福田
IH(インサイドハーフ)・シャドー森島・山岸
SH(サイドハーフ)・WG(ウイング)スリヴカ・中原
FW(フォワード)永井寺山・冨樫
各チームのポジション名と選手名

“形”の活かし方と想定外の出来事

鳥栖は至ってシンプルな442、名古屋はボールを持つ時間もあった。その相手の1列目と2列目が超えられなかった。

1失点目、2失点目を振り返ると名古屋がやりたかった事が見えてくる。

ポイントはWBを「浮かせる」こと。

両失点とも形として目立つのは内田が絞っている状況。絞る事でスリヴカが内田に引っ張られ、WBが空く構造を取る。

(スリヴカの絞りが頻発していたのは名古屋側の意図によるものではない可能性もある鳥栖側をスカウティングして選択した可能性もある)

実際に2失点目の直前、スリヴカvs内田の構図になったタイミングで内田は三國に和泉に出すように要求している

1失点目のようにスリヴカが和泉のエリアで止まっているならば、内田は冨樫の脇に立って三國の身体が冨樫と正対すれば彼に2択を迫るような立ち位置に立っている(スリヴカの侵入距離をみるに内田は受けて運ぶ絵まで描いていたはず)

右利きのセントラルCBの右のスペースを空ける動き。鳥栖のSHを動かした上でスペースを作られている状況を加味すると時間を作る選択肢として右利きの三國に右に剥がす事や逃げ易い選択肢を作っている。

しかし、1失点目はボールを止めずに左に流して選択肢を狭めた結果、鳥栖の守備のスイッチが三國→河面に届く前に始まった事。

2失点目は内田のCBからWBに出せ。と言う指示が使わなかったのを見た稲垣が脇に流れた。内田と入れ替わる形になり、内田の動き直しのイレギュラーと椎橋の稲垣に合わせて顔を出す動きが被って内田のミスのカバーが出来なかった。(そもそもイレギュラーを作った場所にしか球を出せなかったのが苦しかった。)

1.1失点目で河面旺成のミスを責めるものもいるがその前のプレー選択のミスも見逃せない
1.1失点目で河面旺成のミスを責めるものもいるがその前のプレー選択のミスも見逃せない

失点に関する起因のスイッチ。細かいディテールを追求しない部分と技術が足りない部分を理解した選手のフォローの歯車のズレが開始直後の連続失点となった

失点が生んだ空想のリスク

前述したが、2トップの脇にセンターバックを立たせる事でSHの位置を変える。WBの対応を変える事で442の形をずらしていく。

内田vsスリヴカの横ずらしの形を取る右に対して左は徳元がSHを縦に押し込む回数が多かった。

右では横向き、左は縦方向。とスタンダードに442で組む鳥栖のブロックを歪ませる選択としては非常に効果的な考え方だと感じる。

しかし、連続失点が左右のCBの周りから起きてしまった事で右では和泉にボールを入れる体験が失敗に。左では河面に届くボールの質の不安から運ぶ作業の選択がしづらくなった。

WBを使って中盤ブロックの1段目を攻略することができなくなった事で、CB-CMFのルートに如何に刺し込むか?という展開に。

2.2失点で外のルートが使えなくなってしまった最終ラインとその影響
2.2失点で外のルートが使えなくなってしまった最終ラインとその影響

鳥栖のボランチはIHとCMFの処理に迷っていた。(2トップを越えた先にボールが入った時CMF2枚にはチェックが甘かった。)

そんな中でCMFの“見る基準”の違いで稲垣と椎橋の受ける動きが被る状況がポイントとなっていた。

人を見て動く椎橋に対してボールを見て動て動く稲垣。CBが探る動かし方をする時に動かした先にボールが着くタイミングで顔を出す(遅れた一手目)になる稲垣と次に動く先を見て動く椎橋。

この基準、一見するとしっかりと手数を見据えたセンターの動きになるが、0からスタートする場合だけである。

探りが続いている状況ではボールの動き基準で全てにサポートに入る稲垣のちょっとした顔出しのラグが一周回って椎橋の動きと被り始める。

一応補足しておくがどちらかが“よくない”という事では無い。この試合では一連の失点から来る最終ラインのプレー選択変更による弊害も併せて考えるべきである。

そうなると2人はどうするかというと、2人共プレー選択の手癖して稲垣は2トップの間(いつでもボールは受けれるが守備のプレッシャーが多い場所)に立ち、椎橋は両端のCBの脇に立つ(WB-CB間に立ってWBから進めようとする)

3.2人のCMFの歯車が合わなくなった構図
3.2人のCMFの歯車が合わなくなった構図

鳥栖としては2ボランチ周りにCMF-IHの4枚いる事で2FWと2DM間にボールが入るタイミングが苦しい。そこが自分達の選択した442対名古屋の3421の噛み合わせが名古屋が工夫無しでも歪むポイント。

結局森島、山岸が降りてくれる事で歪みの部分にアプローチは出来たものの、デフォルトの配置によって勝手に起きている相手の歪みを突く為に選手達が最低限選択しないといけない事が失点した事もあって取れなかったのが前半は厳しかった。

補足:前半終了直前。森島が我慢できずにボールを引き取りに来た直後。三國に対してブロックの前後のギャップの話をしてる様に見える姿も。

手は打ったものの…

流石に後半は至極真っ当な交代で盤面を整理。山岸は脳震盪でパトリック、内田を菊地に。

パトリックも基本的にはライン間で受けて問題ない選手。内田の前で待てる、運べる良さ以上にFW間に長い間立って欲しくない事もあり稲垣を一列下げる判断。(内田よりもサイドに広がる判断、球を離す判断が早い事もある)

森島をセンターにいれる事で椎橋を見ながら動いてもらいCMFラインの意思を整理。

CBがワイドに開く形が増え、鳥栖SHが釣られる展開もあり中央のルートが整理された事でボールの回り方は整理された。

4.ボールの動かし方・回し方を後半から再整理したが…
4.ボールの動かし方・回し方を後半から再整理したが…

試合雑感

  • 丁寧にやらなかった。の2失点で外からまとめるスタッフは打つ手無し。選手交代や戦術ディテールに関しては物凄くやりたい事がよく分かる試合だった。まずはやりたい事がやれたorやれなかった。から見たかった。
  • 三國の空中戦勝利回数が何失点かは防いだ試合。全盛期チアゴシウバをインストールして来シーズンディフェンダー完全体として頑張ってくれたら。
  • プレッシャーが無いと球捌きもそこまで難が無い上に受ける選手のレベルが高いので対人守備感覚も相まってこの試合に関してはセンター起用よりも端のCBとしての方が輝いた稲垣。

さいごに

選手もスタッフも悔いが残らない様に。

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