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あの日みた形 2025年J1リーグ第9節 湘南ベルマーレ戦マッチレビュー #グランパス #grampus #bellmare #ベルマーレ Y0204

お互いに牽制している状態からミスで出鼻を挫かれたのが尾を引いてしまいました。

横浜FC戦と性質は似ていたので精度を上げるチャンスだっただけに悔やまれます。

試合情報

IHの高さが違う両チームで変化があるのは前線からのアプローチの仕方。ハメる名古屋と後ろから数を足す湘南の構図になりました。

あの日みた形

試合開始直後、名古屋は「後ろから4枚気味で行く」という方針を選択した。

2トップに対して2CBを対応させ、さらにSBとなる選手に誰をマークさせるかを選ばせることで、湘南に判断を迫るプランである。

一方、湘南は名古屋が序盤からプレスをかけてくる場合、後方と第2列目を6枚で構成し、1枚余らせる形を取ることで、切り替え局面で数的優位を確保したいという「3センタープラン」を用意していた。

実際に試合の早い段階から、森島や浅野が守備への切り替え時に戻り切れず、センターの脇を経由してボールを運ばれる場面が見られた。

一方で、名古屋の4枚に対して湘南はどのような守備のアプローチを取ったのか。

鈴木を前線に1枚残し、小野瀬と福田で名古屋のCMFに制限をかける形を選択した。これは横浜FC戦でも見られた、IHとCMFの嚙み合わせを活用する守備アプローチである。

この形により、湘南は両脇のCBを起点にボールをどう運ぶかを選択できる状況を作った。

さらに、湘南のCMF2人も名古屋のIHをどうマークするか迷う様子があり、横浜FC戦と同様に脇のスペースが空く場面が見られた。

懸念材料として挙げられるのは、4バックをスライドして形成するため、右サイドではフリーの選手を作りやすい反面、左サイドではSBとなる内田がWBと対面する形になる点だ。

その結果、大外レーンにフリーの選手がいないため、左サイドのボール前進には右サイド以上に工夫が求められる。この状況を見守っていた矢先、左サイドでの組み立て中にミスが発生した。

悲しいことに、失点シーン直前の立ち位置が最も理想的であった(09分05秒から)。ボール保持者の逆側に位置するIHが湘南CMFの脇に立ち、相方である稲垣がゲートを空けるために外へ相手を引き寄せる動きが見られた。この形では、森島が寄せられたとしても内田が外側で相手から距離を保っているため、攻撃のやり直しが可能であった。

森島が反転できれば、同サイドではマテウスが展開し(森島によって鈴木が引き寄せられた結果、縦方向のズレが生じている)、逆サイドでは野上、浅野、中山が広いスペースを活かして前進する展開が可能な状態にあった。

結局、このスイッチが入らず河面を経由したことで、湘南は名古屋のスイッチにワンテンポ遅れて対応し、プレスをかけた。

☝️ポイント

ミスの場面についてである。森島があえて狭いエリアにいる稲垣へボールを出す選択をした伏線が6分30秒あたりに見られる。この場面では、両脇のCBがフリーの状態であり、CMFとIHの形も整っていた。そのため、湘南のWBとCMFの間に顔を出す森島が確認できた。しかし、河面が中盤を飛ばしてしまった。その後、ミスの直前では河面よりも明確な位置に森島が待機していたものの、加藤からボールは入らなかった。その後、湘南の守備ブロック手前まで下がった森島は、「加藤→内田にボールを出せ」と指示を出していた(森島は、内田がボールを受けるタイミングでブロックを超えるか、内田が受けたプレスの裏に自ら入ろうと考えていたと思われる)。しかし、最終的にボールは河面へ渡り、これがなぜか囲まれていた森島の元へ向かった。すべての選択肢を逆張りされた状況で、蹴り出し以外の前進方法を必死に模索した結果、ミスに繋がった。

そもそも前述したミスの前、攻撃のスイッチを入れる絶好のタイミングで加藤がボールを前進させられなかったこと、さらに直前に河面が蹴り出しを選んだことが、失点の布石となってしまった。

失点後の変化

湘南は序盤、3-4-2-1のような形でプレッシングを行っていた。しかし、先制点を取った後は、福田と小野瀬が縦の動きを整理し、5-3-2のような形を取った。この形は横浜FC戦と同様である。ボールサイドのIHが飛び出して2-3の形を作るため、どうしても飛び出したIHの裏が空く状況が生まれる。そのため、25分8秒の場面のように、WBやCMF(この場面では森島)が湘南の守備陣に飛び出した選手の裏に立ち、外側のWBやCBにアプローチする形は、効果的な前進手段となっていた。

4バックの2枚に対応するため福田と小野瀬が前に出た結果、CMFへの人対人のチェックがなくなり、CMFが囲まれる(中央を狭くされる)形となった。これに対してどのように対応するかが次の課題であった。案の定、前半終盤になると5枚がセンターを囲み、奧埜がCMFに対してアグレッシブにプレスをかける場面が増えた。この結果、中央がますます狭くなり、稲垣も加藤も囲まれ続ける状況が続き、前半を終える形となった。

後半に入ると、中央の囲みを広げるためにWBへのボールを活用せざるを得ない状況を湘南側が理解したことで、藤井と畑によるアプローチが強化された。それに対応する形で浅野が下がる回数が増え、河面が外に張り出し、両脇のCBが大外に広がる形となった。この3枚に戻す構成で、湘南の守備ブロックを引き離す試みが行われた。

さらに、小野瀬が前に出ることで森島が鈴木雄によって引き出される場面が見られたため、マテウスをそのギャップに走らせる動きが明確化された。また、ビルドアップに対応する森島から最前線に適応できる和泉、とにかく前向きの試行回数が多い椎橋を投入し、攻撃のラインを強引に押し上げる変更が加えられた。

しかし、何度かチャンスを迎えたものの、それを掴むことはできなかった。

つぶやき

  • キャスパーの投入によって前線の役割が整理された点は収穫である。彼はポストプレイヤーではないものの、自身が扱いやすい範囲にボールを引き寄せ、動きにくいスプリンターのようにその範囲内でのプレー選択を明確にしていたため、周囲にとってもボールの出どころやプレー選択が分かりやすい展開となった。
  • 変則的な3バックの影響と福田の堅実な守備によって、小野瀬を起点にした森島(左)へのボール供給がなければ攻撃が始まらない状況が続き、前半は苦しい展開となった。
  • 加藤に代わって椎橋が投入された理由は明確である。「出さないと始まらない」という状況の中で、現状の名古屋におけるセンターの役割は「攻撃をスタートするための土台を作る」のではなく、「自分たちで目の前のブロックを攻略する仕事」が重要であった。この試合では特に、稲垣が相方となる場合にその傾向が顕著であることが分かった。
  • 役割に違いがあるとはいえ、浅野と森島以外にボールを供給できる選手がおらず、稲垣が本能的なアドリブプレーに頼っていた点では、加藤にとって非常に難しい状況であった。さらに、トップが前線に顔を出さないため、CMFの幅も変わらず、改善の余地が見られた。

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