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「ミシャの練習=キツいから怪我」は本当か?新体制の負傷3件を個別に検証してみた #グランパス #grampus

怪我人が頻発しています。

SNSで見られた意見をピックアップしてみると、

  • 練習の負荷が高すぎなんじゃないか?
  • 監督代わったからっていってみんな頑張りすぎ
  • トヨタスポーツセンターになんか呪いあるんじゃ

はたしてそういう理由なんでしょうか?

原因として考えられること(仮説)

A) 「負荷スパイク(急に上げた)」が関係しやすいのは森島(ハムストリング)

ハムストリング肉離れは、オフ明けに 高速度走(スプリント)/加速減速/反復が増えた時に出やすい典型の一つです。

新体制1週目は、戦術導入で頭も身体も負荷が増えがちで、そこで「少し無理が出た」可能性はあります。 名古屋グランパス公式サイト

B) ヴィニシウスは「怪我」より「適応・体調・違和感ストップ」の可能性が高い

報道は「コンディション不良か」レベルなので、肉離れ等の確定情報ではなく、1月12日に練習復帰していることから以下の可能性が高いです。

  • 体調不良(風邪/胃腸)
  • 張り・違和感(予防的に止めた)
  • 移籍直後の環境変化(時差/生活/食事/移動)など「開幕逆算の安全運用」の線も十分あります。

C) 菊地は「アクシデント型」=足首の捻り(局面・環境要因)

ボール回しは一見軽いですが、細かいステップ・切り返し・接地のズレが出やすいです。

加えてキャンプ地は

  • 芝の状態(濡れ/凹凸)
  • スパイクの噛み方(スタッド選択)
  • 疲労・眠気(移動直後)で「ひねり(捻挫)」が起きやすいです。

対策(キャンプ〜開幕までで効く順)

1) まず「3件を同じ扱いにしない」運用(医療×フィジカルの切り分け)

  • 森島:負荷設計・スプリント耐性の課題
  • ヴィニシウス:体調/適応の課題
  • 菊地:足首の局所(捻挫)+環境の課題

→ ここを混ぜると対策がブレてしまいます。

2) 森島(ハムストリング)への再発予防:負荷スパイクを潰す

  • GPS等で 高速度走行距離・スプリント本数・加減速回数を毎日確認し、前週比で急増させないようにします
  • 「いきなり全力」を避けて、短い全力走を少量で週2〜3回(マイクロドーズ)入れて耐性を作ります。

ポイントはこの2つです。

  1. ハムストリングを「伸ばされながら耐える力」を鍛える(=エキセントリック)
  2. 本来お尻(臀部)と骨盤で受けたい負荷を、ハムストリングが「肩代わり」しないようにする(=臀部・骨盤帯の安定)

① エキセントリック(伸張性)強化とはどんなトレーニング?

筋肉の力の出し方には3種類あります。

  • コンセントリック:縮みながら力を出す(例:ダンベルを持ち上げる)
  • アイソメトリック:長さを変えずに耐える(例:体幹プランク)
  • エキセントリック伸ばされながら力を出して耐える(例:ゆっくり下ろす)

ハムストリングの肉離れは多くが、走っている時の「振り出した脚が前に出きる瞬間」に起きやすいです。

この瞬間、ハムストリングは 脚が前に放り出されるのをブレーキするために、伸ばされながら耐える =まさにエキセントリックで働きます。

だから、ここを鍛えると

  • 走る時のブレーキが効く
  • 疲れてもフォームが崩れにくい
  • 肉離れのリスクが下がりやすい

という理屈です。

② Nordic(ノルディックハムストリング)は何が良いの?

Nordicは、ハムストリングの「伸ばされながら耐える」をド直球で鍛える種目です。

ざっくり言うと

  • 膝立ちで、足首を押さえてもらう(or 器具で固定)
  • 上半身を前に倒していく
  • ハムストリングの力で「ゆっくり倒れるのを耐える」
  • 限界で手をついて戻る

この「ゆっくり倒れるのを耐える」部分が、ハムストリングのエキセントリックそのものです。

※注意:やると筋肉痛が強く出やすいので、立ち上げ期は特に少量から行うのが鉄則です。

③ 「臀部・骨盤帯の安定」とは? なぜハムストリングが関係するの?

ここが超大事で、噛み砕くとこうなります。

本来、走る時の主役は「お尻(大臀筋)」です。

スプリントの「推進力」は、ざっくり言うと以下の通りです。

  • お尻(大臀筋)=エンジン
  • ハムストリング=エンジンの補助+ブレーキ
  • 体幹・骨盤=エンジンがブレない土台

ところが

  • お尻がうまく使えていない
  • 骨盤が前傾しすぎる/左右にグラつく
  • 体幹が弱くてフォームが崩れる

みたいな状態だと、推進力や安定をハムストリングが代わりに頑張ることになります。

これが「ハムストリングの代償動作」です。

するとハムストリングは

  • 推進(本来お尻の仕事)もやる
  • ブレーキ(本来の仕事)もやる

両面の仕事量が増えすぎて、疲労→肉離れにつながりやすくなります。

④ 具体的に何をすればよいの?

各種トレーニングの内容を具体的に紹介します。

ハムストリング(エキセントリック)

臀部・骨盤帯(安定)

⑤ 一言でまとめると

  • Nordic=「伸ばされながら耐えるハム」を鍛えて、肉離れの「起きる瞬間」に強くします。
  • 臀部・骨盤帯=「お尻が主役で走れるフォーム」にして、ハムの過労(肩代わり)を減らします。

ただ、これらのトレーニングは正しくアスレティックトレーナーが管理しないと一時的にパフォーマンスを落とす/別の張りを作る可能性はあります。

副作用1. 筋肉痛(DOMS)でスプリントやキレが落ちる

  • 特に Nordic は典型で、慣れてないと ハムが強烈に筋肉痛になります。
  • 筋肉痛が強いと、加速・トップスピード・切り返しが一時的に落ちやすいです。

対策:最初は「少量」にし、試合の48〜72時間以内は避け、段階的に増やします。

副作用2. 疲労が残って「重い脚」になる(スピード練習と干渉)

  • RDL(ゆっくり下ろす)」や ヒップスラストを重くやると、後ろ側(臀部〜ハム〜腰)が疲れて、その後の スプリント練習や戦術練習の質が落ちることがあります。

対策

  • 「重い筋トレ日」は週の中盤に寄せます
  • スピードが必要な日の直前にやりません
  • 量は「できたけど余裕が残る」くらいに抑えます

副作用3. やり方が悪いと、別の部位に張りが出る

  • Nordic:腰が反る/骨盤が前に抜ける → 腰やハム起始部に負担がかかります
  • RDL:背中が丸まる/膝が伸び切る → 腰・ハムに無理がかかります
  • 片脚RDL:骨盤が回る → 股関節前や内転筋が張ります
  • モンスタウォーク:やりすぎると中臀筋が疲れて、当日の動きが鈍くなることもあります

対策:フォームを重視し、痛みが出たら中止し、回数より質を求めます。

3) ヴィニシウス:コンディション不良前提の「適応レーン」

  • 練習を主力メニュー一律にしない(「合流したけど負荷は別」を許容します)
  • 睡眠・体調・筋の張りの自己申告を「出しやすい空気」にします(我慢→肉離れ化が最悪パターンです)

4) 菊地泰智(足首)&再発予防:局所+環境の即効策

  • 芝チェック(凹凸/滑り)、スタッド選択の最適化を行います(噛みすぎ=捻りリスク増)
  • 足首に既往がある選手は、立ち上げ期だけでも予防テーピング/ブレースを使います
  • 固有感覚(バランス/片脚)と足関節周りの補強をルーティン化します(短時間で良いです)
  • 捻挫疑いは初動が大事です:腫れ・痛みが強いなら無理に走らせず、状態を評価し、段階的に復帰させます

5) 「止める基準」をチームで統一

  • 「張り/違和感」段階で止められるほど、肉離れの本離脱は減ります
  • 監督・コーチ・トレーナー間で「今日は落とす」判断が揉めないよう、簡易の基準を共有します。以下に例を示します。

A. 主観チェック

  • ハムの張り/違和感
  • 全身疲労
  • 睡眠:6時間未満 または睡眠の質が悪い
  • 前日(または48時間以内)に全力スプリント/反復走を多くやった感覚がある

B. 動きチェック

  • その場のレッグスイングや軽い前屈で、左右差が明確/ツッパリが出る
  • 片脚ヒンジ(軽い片脚RDL動作)で、片側だけ張る
  • 軽い流し(60〜70%)で、張りが増える or 一歩目が怖い

C. 簡易テスト

道具なしでOKなやつだけ。

まとめ(現時点の見立て)

  • 森島=負荷(高強度走)由来の典型です
  • ヴィニシウス=「怪我未確定」で適応・体調・予防停止の可能性があります
  • 菊地=足首のひねりっぽいアクシデント型です

なので、「ミシャがキツい=全部それ」と、監督にヘイトを向けるより、負荷管理(筋)/適応管理(体調)/環境・局所対策(足首)の三段で潰すのが合理的です。

先日の記事で紹介したアスレティックトレーナーの大幅入れ替えでベテランを増やしたことがここで効いてくるはずです。

2026年の名古屋 #グランパス #grampus 2026年1月11日版 スタッフの変化に注目する | グラぽ

あわてず騒がず、もう少し見てみましょう。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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