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運命の分かれ道 2021年J1リーグ第33節 ヴィッセル神戸戦レビュー #grampus #vissel

運命の分かれ道 2021年J1リーグ第33節 ヴィッセル神戸戦レビュー #grampus #vissel

魔の関西勢3連戦。出足は少し良いスタートしたと思いきや徐々にブレーキがかかり引き分けとなりました。「決めておけば」と「凄いシュートを止めてくれてるし」という複雑な感情での引き分けとなりました。

一発勝負を前に訪れた「6ポイントマッチ」振り返って行きましょう。

スタメン

名古屋グランパス・ヴィッセル神戸のスターティングメンバー
名古屋グランパス・ヴィッセル神戸のスターティングメンバー

前半からの展開

神戸は4222の2トップ2シャドーを置くような形で、中盤が縦並びのようなシステム(4132)で郷家と佐々木が常にハーフスペースに立つ形で崩す形を探す。

郷家、佐々木、イニエスタで稲垣と木本を囲む形だったが、相馬の守備時の立ち方の良さも相まって中への楔がサンペールからは出にくい前半が続いた。内側へ立ちながら酒井との1対1をも制する前半は、ここ最近苦しい時期を過ごしていたとは思えないぐらいの相馬の動きだった。

ハマった相馬勇紀のポジショニング
ハマった相馬勇紀のポジショニング

相馬が内側に立って数的不利を消したとはいえ、ボールが動く事に対してスライドが遅れたり。スライドした結果中央の選手(イニエスタ)が一枚フリーになる状態は頻繁に起きていたので「あれだけ神戸側に浮いてる選手(フリーになる選手)がいる状態にもかかわらず、そこを使う勇気が相手になくてよかった」という感想ではあった。

中盤でスペースの空いてしまう仕組み
中盤でスペースの空いてしまう仕組み

新しい守備者

ただ、“構える事”に関しては新しい光が見えた。

普段はセンター2枚が突っ込むことが多い名古屋だが今回はサンペールの位置の並びには手を出すことが少なくハーフスペースを埋める構え方を見せた。前述したが、スペースを消すように立っているとはいえボールが動かされると隙間にパスが通せるぐらいの構え方。なぜ前半は楔が通りにくかったのか?それはシャビエルの守備がポイントになったように見える。

シュヴィルツォクはあまり守備時に無理にハードワークをしてくれるタイプではない。そして後ろにいる木本はスペースを消すのが上手いが故に動きの予測は付きやすい。その2人を基準にシャビエルが「どのタイミング、強さで相手に当たれば味方の守備の選手がボールを回収できるか?」を考えたボールの追い込み方。プレスのかけ方をしていたように見えた。

特に酒井を起点に右で組み立てられなかった時はシャビエルの守備IQが刺さっていた場面が多かった。

シャビエルの守備はボールを追い回してくれるイメージが強かっただけに前半の味方を上手く利用する守備での奮闘は予想外の出来事だった。

シャビエルの工夫した前線の守備
シャビエルの工夫した前線の守備

前半は名古屋が回収ポイントが決まっていた為に稲垣や木本が回収からの攻撃が見られた。また、サイドから攻撃する際は郷家、佐々木が構える形をあまり見せなかった為にサイドでの数的優位は作りやすくスペースもたくさん用意されていた。

また、神戸のボール保持の時の形上2センターバックがむき出しになることが多く(酒井、初瀬を高い位置に置きたい)、ショートカウンターが刺さる前半となった。

グランパスの狙ったショートカウンターのかたち
グランパスの狙ったショートカウンターのかたち

後半から

後半からはボージャンを投入。佐々木よりも最終ラインの裏への走り込みの部分で名古屋に奥行きの意識を植え付けるタレント。そして大外から単純にクロスを上げ始める形も増え始め名古屋に幅を意識させる展開に。幅を取られてドウグラスがそこからシュートした展開からセットプレーの失点につながってしまった。

ボージャンによって作られた縦幅の意識
ボージャンによって作られた縦幅の意識

運命の分かれ道。532への変更

そして失点をしてから532に変更。ここのポイントはなぜ532にしたのか?そしてマテウスだったのか?そういった事に疑問を抱く人がいると思うので、考えてみる

そもそも、ボージャンが投入された時点で前述したとおり彼は縦の意識を植え付ける為の投入。という事は前後に動くスペースがあるから彼は輝く事が出来る。

そして後半から増えた大外からのクロス。これは神戸のサイドバックが上がってその選手と名古屋のサイドに対してハーフスペースにいるボージャン及びシャドーと呼ばれる選手の縦幅の意識の植え付けがあるために守りの選択肢が増えてしまう事で増えたクロス。

この二つの現象を名古屋の修正の基本である「人で埋める」に当てはめてみる。

まずはハーフスペースで前後に動く場所に人をおいて埋めてしまいたい=中盤3枚にしてスライドせずに人がハーフスペースに立つようにする。

そして二つ目の大外のサイドバックが上がってくるから増えるクロス。その大外に選手を足せばいい。

この二つをピッチで表現するとこうなる。

5バックが生まれたロジック
5バックが生まれたロジック

532の出来上がり。監督にとっては自分が信じる「相手の良さを潰す華麗な修正案」だったと思われる。

ただしこれには落とし穴も存在する。442で組んでいた時よりも末広がりのような形になる。そうすると442で組んでた時に人がいた場所に今度は人がいなくなり、スペースが出来る。人を基準に形を変えた以上、スペースに対応していくのは難しい形。63分のイニエスタのクロスからの武藤のヘディングはまさに「新しく人がいなくなった場所」から攻められた。そしてPKを与えてしまった場面も新しくできたスペースが起点に…。

5バックによって生まれたスペース
5バックによって生まれたスペース

そしてマテウスが中央だった問題。ACLで長澤がアクシデントでベンチに入れなかったが、まだ試合に出れるコンディションではないのかもしれない。人が足りない時に森下やマテウスを無理矢理中央の3センターで使った時があったがそういった可能性も充分考えられる。

次への希望

悪かった事ばかりではない。シャビエルが明らかにコンディションが良くなっていたり、レビューの最初にも触れたが相馬がなんとなく一皮むけていたり、選手の配置やボールの動きで勝負するチーム相手にめっぽう強い所を見せた木本だったり。

前半、ピッチにいる選手達はACL帰りのという僕らの心配をよそに自分たちのやりたいことを表現しているように見えた。

最後に

まるで国際試合を見ているかのような両チームのタレントが奮闘した試合でした。明らかに後半運動量やフィジカルファイトの部分で辛さが現れていたので奮闘の裏は疲労で目一杯なんだろうなあと。勝てば勝つだけ選手の身体を痛めつけて、損をするような今の日程やシステムを恨んでもしかたないですが、僕らは見守るしかありません。

関西勢3連戦2戦目もそれぞれの場所からパワーを送りましょう。

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