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失点の深掘りと、内田宅哉 2023年J1リーグ第20節 横浜F・マリノス戦ピンポイントレビュー #grampus #fmarinos #喋る机

デスク:今回はyuttyさん観戦はしごで月曜日朝にレビューは間に合わないと思われるので、デスクからピンポイントにテーマをしぼっていくぞー。全体に関しては後日でてくるyuttyさんのレビューと、@Lagty_in_2Dさんのやわらかめコラムを見て欲しい。

編集者:分担しながらやっていきます

テーマ1:なんであんなに簡単に2失点を許してしまったのか?

名古屋グランパス・横浜F・マリノスのスターティングメンバー・ベンチ
名古屋グランパス・横浜F・マリノスのスターティングメンバー・ベンチ

熱戦でしたが、興奮もそろそろ落ち着いた頃。この試合の内容について気になったところを振り返りましょう。失点はどのようにすれば防げたでしょうか?

今年の名古屋の強みはなんだと思う?

1失点目

やはり攻撃から守備への切り替え時の帰陣の速さじゃないでしょうか。

そう、専門用語では「(撤退型の)ネガティブ・トランジション」と呼ぶ。相手が組立てをしようとする前に、自陣に戻って守備ブロックを構築する、というものだ。フィッカデンティ監督の時代から、見慣れた光景だよな

たしかに、一度ブロックを組んでしまえば、グランパスの守備陣は簡単に失点はしないイメージです

そうなると、グランパスが守備ブロックを構築する前に攻めてしまえば良い、とならないだろうか

たしかにそうですね。間の悪いことに、この失点のシーンは、普段ならどちらかが残ってるであろう、中谷進之介か藤井陽也の両方が上がってしまっていました。

エウベルが攻め残っていたが、ヨネが付いていれば大丈夫だろう、という慢心だな。

ですが、その前のプレーで足首を痛めていた米本拓司は、一歩目で出遅れてしまいました。

おそらくグランパスの全員が上がった瞬間に攻め残ったエウベルを狙おう、というのはスカウティングによるマリノスの作戦だったんだろうな

2失点目、なんで藤田譲瑠チマがあんなにフリーに?

立て続けにもう1失点してしまいましたが、あれ?って思いました。なんでこんな簡単に・・・?

2失点目

横に振られて振られてスキマがあいた、というほどは振られてないからな

34:30 この時点で7:7の同数。前線3枚は繰り返しのカウンターの流れで守備に戻れない
34:30 この時点で7:7の同数。前線3枚は繰り返しのカウンターの流れで守備に戻れない

2失点目、34:30の時点ではこうです。左サイド(グランパスの右サイド)から中にボールが入り、藤田譲瑠チマが持ちます。この時点で前の選手が戻れていません。

中谷進之介がアンデルソン・ロペス番をすることが決まっていたからだと思うが、河面旺成が藤田譲瑠チマを迎撃しにいったことが印象的だったな。前を塞がれた藤田譲瑠チマは、外の松原健にパスを出す。この時点の守備はOK。

34:31 河面が藤田が松原にパスを出したのを見て、ヤンマテウスを警戒しにアウトサイドに戻る
34:31 河面が藤田が松原にパスを出したのを見て、ヤンマテウスを警戒しにアウトサイドに戻る(図に誤植ありますがご容赦ください)

その1秒後、河面旺成が藤田譲瑠チマを放したのを見て、松原健は藤田譲瑠チマにボールを戻します。

河面旺成が戻るのは良い。だが、稲垣祥が遅れ、藤田譲瑠チマが完全にフリーな状態を作ってしまったのはいただけないな。そして森下龍矢が松原健を見ているのか、ヤンマテウスを見ているのかが曖昧だった。

いつもなら永井謙佑が戻ってきて、ここのマークを引き受けてくれるのですが、スプリントの連続でここは戻れませんでした。

同点に追いつかれ、ハイテンションで勝ち越しに行ったことが逆に試合を難しくしてしまったな。

34:32 藤田譲瑠チマから西村拓真にクサビのパスが入る
34:32 藤田譲瑠チマから西村拓真にクサビのパスが入る

藤田譲瑠チマは西村拓真にクサビのパスをいれます。森下龍矢は藤田譲瑠チマに食いつきに行っていたので外された形になります。この日何度もやられたヤンマテウスの突破を警戒してか、河面旺成は外側から動けません。結果として、河面旺成と中谷進之介の間に大きなスペースができてしまいます。

34:33 藤田譲瑠チマがスペースに入り込み、フリーでシュート
34:33 藤田譲瑠チマがスペースに入り込み、フリーでシュート

そのできたスペースに、藤田譲瑠チマが入り込んで西村拓真からのリターンパスをシュート。これが決まってしまいます。

結果論になるが、森下龍矢が中途半端に藤田譲瑠チマに食いつかず、ヤンマテウスを見てくれるか、永井謙佑が戻ってきてくれればあそこにスペースはできなかっただろう。そういった「いつも通りじゃないこと」が失点の原因になってしまう。

いつもの名古屋だったら、外を捨てて中を絞りそうですが。

たぶんそうだろうな。そこは連携不足だ。できれば周囲が手厚くフォローしたいし、本来だったら声がけしてやるべきだろうが、この日はみんななかなか余裕がなさそうだった。

ここからの連携向上に期待したいですね

テーマ2:内田宅哉でなぜ試合が落ち着いた?

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37分に米本拓司から内田宅哉に交代します。

2つの失点シーンで、米本拓司の出足が遅いことを気にしたのではないだろうか。痛みを抱えながらでは100%のプレーはできない。

実際、このあと失点は止まるわけですが、これは内田宅哉のおかげでしょうか?

まず、以前から言っている通り、編集長的には内田宅哉は360度のプレーができるところが強みだ。弱点といえば強度だったが、最近はそこも解消しつつある。だから中でのプレーのほうが、彼のポテンシャルを100%発揮できる。

川崎戦に続いて、大一番にプレッシャーの激しい相手にも堂々たるプレーぶりでした。

彼は本当に気が利くプレーヤーだ。ただ、その特徴を見ていると俺は旗手怜央と被って見える。もともとは攻撃的ポジションだったのが、セントラルMFやサイドバックを主戦場としているという点で似ている。決定力は旗手怜央のほうが残念ながら数段上だが。

ああー、なるほど。たしかに目立たないですけど良いカバーや、機を見てゴール前に入り込んでいくところなんかはとても旗手怜央に近いものがあるように感じます。

内田宅哉のスタッツ
内田宅哉のスタッツ 引用元:Sofascore

あの厳しいマリノスの中盤相手に、1:1を7回中4回勝利というのは素晴らしいよな

スプリントの数も13回と、50分程度の出場としてはかなり多いのですが、合わせて見ておきたいのは、「カバーエリア」ですね。

内田宅哉のカバーエリア 引用元:Sofascore

しっかりと中盤中央のスペースを埋めていて、相手に自由を与えなかったことは素晴らしい

稲垣祥がこれなら、自由に動けそうですからね。彼の強みが出せるようになる。

黒子というのはなにか適切ではないように思うが、本当にありがたい選手だ。このまま進歩を続けて、グランパスの旗手怜央になって欲しい。そうなれたら日本代表も夢じゃない。

まとめ

デスクがこの試合で感じたことはなんですか?

失点シーンでもそうだし、内田宅哉が入って落ち着いたことからも感じたことだが、やはりサッカーは11人全員が連動しないと90分戦えないというところだな。
ワザと手を抜く選手はいないが、結果的に11人全員が100%を発揮できない瞬間は絶対に出てきてしまう。が、それをできるだけ少なくすることがチーム力だな。
カウンターを何本も見せたことで前線3枚が戻れなくなったところで失点、というのは典型的じゃないか。

次は天皇杯と、中断前最後の試合京都戦です

この試合で感じたものがいっぱいあるはずで、それを忘れず、しっかりとプレーして勝利を掴んで欲しいな

次は良い試合になりますように

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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