![肉でもない魚でもない状態をどう変えるか? 2025年J1リーグ第4節 町田ゼルビア戦 [マクロ] レビュー #グランパス #grampus](https://i0.wp.com/grapo.net/wp-content/uploads/2025/03/%E8%82%89%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84%E9%AD%9A%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84%E7%8A%B6%E6%85%8B%E3%82%92%E3%81%A9%E3%81%86%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%8B%EF%BC%9F.png?fit=994%2C571&ssl=1)
ショートの振り返り
また負けてしまいました。
負けが込んだ状態で臨んだこの試合、これまでの4試合で一番バランスの悪いゲームになってしまったような気がします。
試合開始当初から、ハイプレスに行く町田に対して名古屋はハイプレスのメンバーなのにハイプレスに行かず。後半も負けているのに自陣でのポゼッションが多い、ロングスロー頼み。
町田ゼルビアは一貫して高い位置でプレスをかけていたのに対して名古屋グランパスはボールを保持して持ち上がろうとするがなかなか効果的な攻撃ができない。
今後どうしていこう、という方向性を考えたいと思います。
「肉でも魚でもない」とは
イビチャ・オシムさんがよく使っていた「肉でも魚でもない」という比喩は、ドイツ語の表現で、一般的には「どっちつかず」「中途半端」という意味を持っています。具体的には、ある物事が明確なカテゴリーや特徴に属さず、どちらともつかない状態を表すときに使われます。
例えば、何かが明確に定義できない、特徴や性質が曖昧な状態や、人が立場を明確にせずに曖昧な態度を取る場合に、この表現が使われることがあります。
この試合、名古屋グランパスは実に
この試合、名古屋はどういう狙いを持って臨んでいたのでしょうか?
昨季確立した攻撃のフローチャート
この試合、この分類で言えば、町田ゼルビアは非保持(=ボールを保持しない)です。
そうなるとサイド攻撃。大外をえぐってクロスか、ポケットを突いて短めのクロス、というところでしょうか。
昨年は後半戦ある程度できていたことがこの試合はできませんでした。昨年は和泉竜司だったり、森島司がポケットを取ってクロスというのが多く見られていたはずでした。
この試合、コンウェンさんの記事でもわかるようにクロスはわずか8本、そして成功率は0です。クロスの位置はデータがありませんが、効果的なクロスは原輝綺の山岸祐也のヘッドに繋がったものくらいでしょうか。
大外からのクロスはもともと成功率はそこまで高いわけではないので、ある程度名古屋グランパスの失点シーンのようにえぐって上げないとです。
クロスを上げられない原因はなにか?
クロスを上げられない原因は、想像がついています。
名古屋グランパスのプレー位置と町田ゼルビアのプレー位置を比較してみてください。名古屋は敵陣で色が濃いところが1箇所だけ。自陣ばかりです。町田ゼルビアもそこまで違わないとはいえ、やはり敵陣のほうが色が濃い目です。
要点としていえば、「クロスを上げられる良い位置にボールを運べていない」のが原因です。
どうすれば運べるようになるのか?
2023年前半は、マテウス・カストロがボールを運んでいました。
2023年後半から2024年前半は、ボールを前線に運べず。
2024年後半は、ハイプレス・ショートカウンターでボールを運ばずに仕留めていました。一部、ピッチの中央というよりも外側に人数をかけることで、それで前線に運ぶこともできていました。
2025年、ボールをDFラインからしっかりと組み立ててボールを前線に運ぼうとするトライをしているように見えます。ですが、いまのところうまく行っていないようです。
じゃあ結局どうする?
長谷川健太監督がやりたいことは、DFラインからしっかりと組み立てて、相手を引き寄せることによって裏にスペースを作り、それでカウンターを完遂しよう、という考えなのだろうというのが今の見立てです。
これは、大分トリニータがかつて採っていた「疑似カウンター」にも近い戦術です。(厳密には違います)
ただ、現時点では戦術理解度と、プレーの精度が足りていないという印象。
ただ前線に放り込んでもこの戦術は成功しないので、縦に刺せるパスを出せる選手が欲しい。それで最初起用されたのが加藤玄だったと考えています。しかしそれでは圧力に耐えられず、それで稲垣祥・椎橋慧也になったのではないでしょうか。
現状では攻め込まれた後に放り込みでなく前線に届けることはできていないので、そこをなんとか変える必要があります。
2つの選択肢
選択肢の1つは、いまのメンバーで持ち上がれるように練度を上げることです。
残念ながら持ち上がりについては佐藤瑶大は原輝綺ほど持ち上がれないので、この試合うまく行っていませんでした。宮大樹も持ち上がれるのが強みなのですが、裏をチラつかされてうまくプレーできず。(交代の理由はそこだと思います)。原輝綺が怪我で欠場が予想されるセレッソ戦ではこのパターンは難しいのでは、と思います。
もう1つの選択肢は、昨年のハイプレス・ショートカウンターの「対保持チーム決戦仕様」に振り切ることです。しかし昨年に比べて、プレッシャーをかけられていない現実もあります。
ここで奇策が1つ思いついています。それが稲垣祥のFW起用です。前線からあの運動量で追いまくられたら、相手のビルドアップはかなり阻害できるのではないでしょうか。
果たして、セレッソ戦、どのような対策を採るでしょうか。楽しみにしたいと思います。