1月5日にチームが始動し、連日受け止めきれないくらいの記事がでてきています。
【理由1】練習がフルオープンなのでチームのメディア露出量が増加する
ミシャ監督になって一番の恩恵を受けているのはメディア関連だと思います。グラぽもメディア関係の仕事をしていた関係上、記者さんにもそれなりに知り合いがいますが、昨年まで知り合い全員が言っていたことは「練習非公開が多すぎでなにも記事が書けない」でした。
ここ数日、新監督のチーム始動だから、というのもあると思いますが、報道量は増えています。
上記の記事でも書いたように、そもそも「認知」されなければお客様は増えないので、報道量が増えることは喜ばしいことです。
プロスポーツの興行であるからには、もっと盛り上がる要素が欲しかった、という意向があったのかもしれません。
【理由2】フォーメーションが大きく変わらないことが予想されるので、選手の大幅な入れ替えが必要ない
長谷川健太前監督は、3-4-3、ないしは3-4-1-2のフォーメーションを取り、2024年後半からはWBをより敵陣近い位置に配置するサッカーをしていました。ただ、その実装には選手の負荷、特に守備サイドの7名の負荷が激しいものでした。そのあたりの評価は以下の記事を読んで欲しいです。
長谷川健太前監督がこのフォーメーションにたどり着いたのは名古屋グランパスに来てからです。正直熟成したとは言い難いものでした。
妄想ですが中村直志強化部長が今いる選手の棚卸しをしてみて、「現有リソースを、よりうまく使える監督を起用したい」と考えたのではないでしょうか。
だとしたら戦術的な共通点があるスキッベ監督とミシャ監督が候補に挙がったのは間違いないと思います。(前者は中日スポーツの報道によると条件面で折り合わなかったとのことですが)
選手の入れ替えはかなり難しい要素です。今年も小屋松知哉、高嶺朋樹、ヴィニシウス選手が加入しました。監督が代わったときには大幅な選手の入れ替えがつきものですが、今年は「一点豪華主義」ならぬ「三点豪華主義」でした。それ以外の加入は期限付き移籍からの復帰です。
大幅な血の入れ替えがなくて済む、というのは大きな理由になったのではないでしょうか?
【理由3】コーチを全面的に入れ替えなくてもよかった
ミシャさんといえば、チームミシャを引き連れて新しいチームに赴任する、というのが一般的な流れでした。
2021年の北海道コンサドーレ札幌のスタッフリストが以下の通りです。
役職 | 氏名 | 備考 |
監督 | ミハイロ・ペトロヴィッチ | |
ヘッドコーチ | 四方田 修平 | シーズン終了後、2022年より砂川誠コーチに交代 |
コーチ | ブルーノ・クアドロス | 2025年までセレッソ大阪コーチ |
コーチ | 沖田 優 | 2026年ザスパ群馬監督 |
コーチ | 杉浦 大輔 | 2026年藤枝MYFCコーチ |
コーチ | 長嶺 寛明 | 2026年ロジャーシュミットのアシスタント |
コーチ | 綿引 大夢 | 2026年名古屋コーチ兼通訳 |
今回特徴的なのはチームミシャのメンバーの多くが別の仕事に就いており、名古屋グランパスに着任できたのは砂川誠コーチと綿引大夢コーチ兼通訳だけでした。
これは自前の生え抜きコーチを育成したいという名古屋グランパスにとって、吉村圭司・玉田圭司・楢崎正剛コーチを残す「余白」になったのではないでしょうか?
2人になった外国籍選手(マテウス・カストロとヴィニシウス)の影響で通訳は減ってしまいましたが、それ以外の多くのスタッフを留任させることができました。これは継続性の面から大きな要素だと思います。
【理由4】やはり点を取れなきゃ上にはいけない
これはラグさんの記事にもありました。
やはり得点が入らないとサッカーは面白く感じない。順位が低ければ話題にもならない。
プロスポーツの興行である以上、エンタメとしての強化も必要。
そういう意味でも必要な監督交代だったのではないでしょうか?
最後に
ミシャ監督起用を4つの理由に分解してみると、結局のところ「勝つための合理」と「興行としての熱」を、同時に取り戻しにいった決断に見えます。露出が増え、語れる材料が増える。大改造を避けて、いまいる選手の価値を最大化する。スタッフを総とっかえせず、積み上げも守る。そして最後に、点を取る——サッカーを“面白く”する。
もちろん、答え合わせはシーズンが始まってからです。ただ、始動数日でこれだけ情報が流れ、空気が動き、期待が立ち上がっている時点で、すでに起用の効果は一部出ているとも言えます。あとはピッチ上で「名古屋の勝ち筋」が、より明快な形で見えるか。グラぽはこの一年を、熱と冷静さの両方で追いかけます。



