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新リーグで始まった“リアリティある闘い” 第1節 #清水エスパルス 戦マッチレビュー #grampus Y0232

勝ったらお金!がサポーターに可視化された百年構想リーグのスタート!いつものリーグよりも数倍もリアリティのある闘いが始まりました。

ミシャグランパスの初陣、この試合をベースに今後の進歩と課題を考えていくことになる重要な一戦。いくつかの今後の注目ポイントと後半からはざっくり駆け足振り返り

試合情報

  • 2026年2月8日 
  • 名古屋-清水:1-0
  • 天候 / 気温 / 湿度:曇りのち晴れ / 4.7℃ / 38%
  • 主審 高崎 航地

名古屋の新しいテンプレート

ミシャ式らしさとして、保持時のWBの高さは分かりやすいポイントだった。それに加えて、CMF(主に稲垣)がCBに吸収され、「さあ、どう始めましょうか?」という形を作るのが名古屋の新たなテンプレートになる。

ミシャ式らしい初期配置
ミシャ式らしい初期配置

この形から相手のブロックの「列」を自力で越えていけるかどうか、という点はまた別の話である。スタートの形から地上戦で崩していこうにも限界があり、意外にも稲垣と高嶺が「ロングボールでいこう」という要求を出す展開が多く見られた。

補足:ミシャ監督の試合後会見では、「ロングボールが多くて……」といった、どちらかと言えば「もっと下からつなぎたかった」というニュアンスの言葉が並んだ。一方で高嶺は、「まあ、あの程度のロングボールなら織り込み済みです」という雰囲気の発言が目立った。

名古屋の大切なスペース

では、なぜ名古屋はこの形にこだわったのか。 この試合では、ブエノの脇に「人がいない状況」を作りたかったからである。前半から、ブエノの脇にヴィニシウスと木村が降りて受け、反転する形が見られた。これが続くと清水としては、守備の列を越えてくるルートとして、高嶺の脇の空間を制限したくなる。

27分0秒あたりが分かりやすい。名古屋は本来、CMFが1枚降りて最終ラインで4枚を作るぶん、中盤に残るCMFの相方はプレーエリアの制限がきつくなる。 この展開では、たとえば藤井のところへ清水のIHが出ていき、名古屋の5枚に高い位置で圧力をかける形も取り得た。

しかし、松崎も宇野も、ブエノの脇に人がいない点が気になってしまう。結果として清水はマンツーマンで行かない判断になりやすいが、このシーンではカピシャーバが原を捨てて出ていく。 そこで守備のズレが生じ、原に長いボールが出る。

WBが高い位置にいること、そして「ブエノの脇の人がいない空間」のケアに人数を割かざるを得ないことが重なり、「浮いた1枚」が確実な脱出点になる。ブエノがスライドしようとしてやめたのも、出ていけば中山とヴィニシウスの2枚が吉田と向き合う形になり、対応が難しくなるためである。

ここで原が逆サイドに振ったが、その局面で木村も山岸もアンカーの脇(要は相手SBの内側)に立っているため、IHもSBも大外をケアできなくなる。そこから今度は、清水が「人を捨てた所=2CMF」として、原が内側に入ってくる。結果的にオセフンがしっかり戻ってきたのは、素晴らしい守備だった。

ポイントになったスペース
ポイントになったスペース

いるはずのない+1

CBとWBが大外で縦に連なっている状況で、ビルドアップ時にWBが絞ってアンカーの脇に立ち、CBを外から回す――といった展開が、基本的にはチームの約束として制限されている。では、その制約下で地上戦の理想形はどうなるのか。

一つは、藤井の運びに見られたように、CBが相手を剥がして前進する部分である。もう一つは、SBを内側に絞らせる形だ(要するに、大外のCBが次の列に入って受ける)。「32分8秒から」のような形である。

右サイドでは、カピシャーバが原を切りながら守るという約束自体は変わらない。しかし松崎が前に出てきたことで、ヴィニシウスもブエノ脇で準備のために降りる。ここでの対応速度は清水が速く、ブエノはスライドしてIHを潰しにいった。ブエノがIHに引っ張られたため、宇野が逆サイドのスペースを埋めに入る。松崎が出ていった状況で、ブエノと宇野が両サイドの「名古屋が空けたいポジション」を埋めに入ったわけである。

この状況で、大外では徳元と稲垣とローテーションしていた高嶺が内側に入る。この動きによって、宇野は完全に中央の一つ隣、すなわちハーフスペースへずらされる。結果として中央の山岸へのルートが空くと同時に、高嶺も松崎が剥がれた裏を使える状況になる。

地上戦では、どうしても一つ「質」を使う局面が必要だった。ただし、プレーを制限したというより、やりたいことをあえて限定し、ピッチ内で軸となる空間を定めたことで、「質」をどこに投資するのかが分かりやすかったと思う。

相手がIHのポジションに人がいない状況を放置できなくなると、「40分14秒から」の展開のように、ハイプレスを受けても稲垣と高嶺が2センターの位置に立ち、両者がボールを受けられる(初期配置に戻っても脱出口がある)時間が生まれる。結果として清水は、稲垣と高嶺にプレスをかけにくくなる。

人がいないにもかかわらず、先回りしてリスク管理をしなければならない。いわば「12人目のフィールドプレーヤーがいる」かのような対応を相手に強いること。この部分が、この試合のキーとなった。

後半駆け足振り返りと今後の伸びしろ

吉田監督が「後半に入る前、全体の位置をもう少し高くして、圧力を掛けていこうと話をしていました。」と述べたとおり、後半はプレッシャーが増した。その一方で、守備の形は歪になっていく。疑似4バックに対して松崎が前に出るため、ブエノは左寄りに、宇野はアンカー位置に近い形で守備する配置になる。北川がうまく下がって埋めていたが、木村が下がる場面では、周囲のポジション関係が変わり、北川がプレスに出ていくと簡単に空きが生まれるようになった(例:45分20秒から)。

もともと名古屋は、守備に入る際にWBが下がり切ったところから始まる(相手の両WGが高い)形であった。しかし後半は、清水側もカピシャーバを低い位置で受けさせて前を向かせ、外のプレスを引っ張ってくる展開が見られた。稲垣や高嶺がスライドさせられたとき、IHが戻ってきているかどうかがすべて。この点は昨シーズンまでと変わらない部分である。

清水が攻める回数が増えるにつれ、名古屋も攻め急いでミスが出るようになった。開幕戦という事情もあってか、攻撃のテンポや速さを「ポジティブなキャンセル」でコントロールすることが難しくなった。IHのスペースを軸に「ズレ」を攻撃のベースにする以上、相手のプレスや攻撃の後にはチャンスが生まれる反面、ハイリスク・ハイリターンをどう扱うかは今後の課題となりそうだ。

得点シーンは約束事が産んだ必然

得点シーンでは、前述した地上戦における「宇野とブエノの両者を逆のIHのポジションに張り付ける」動きが、守備の段階から起きていた。

北川が抜け出したシーンでは、彼が抜け出したことで甲田が守備対応のためにフルスプリントで戻り、結果として攻撃の形ではあまり原則化されていない「WBが降りる」というイレギュラーな形が出来上がった。ここで後半、清水が高い位置で守備をするという約束事があるため、宇野が甲田に出ていった。

その後、宇野が外れたことで、ヴィニシウスがブエノを引っ張るような動き(IHで受ける動き)を見せ、宇野とブエノの間が空く形となる。結果として山岸へのコースが開くことになった。

得点シーンで作ったギャップ
得点シーンで作ったギャップ

要するに地上戦の理想系、「いるはずのない+1」の位置で振り返る形が完璧に再現されていた。

試合雑感

  • 木村、ヴィニシウス、高嶺の質とタスク量に頼る時間は多い。WBが「質の数字差」に大きく依存しなくなったぶん、そこで質を取りにいこう、という設計である。全員に同じ「質勝負」を要求しないぶん、戦術としての納得感は増すが、不公平感もわずかに増える。
  • IH(ヴィニシウス・木村)は今年も守備の要である。攻撃面でも、背負ってから勝つ局面から、大外から斜めに入るパスを受ける動き、CFのポストプレーを起点にしたセットアップ時の抜け出しまで、タスクが盛られている。90分もたないのは前提であり、終盤に「3センターで」という判断はかなり必然に近い。
  • 「大外を囲うような4バックで」という発想は、数年前にセレッソなどがやっていた記憶がある。当時は外に回してブロックを横に揺さぶる、外と内の連動が主眼だったが、それとは別物である。ただし、渋滞を作った後の動きが重要なのは同じだ。
  • プレー選択の約束事の中に制限が多いぶん、再現できる形の数は増える。一方で、相手にクリティカルに刺さった場面ほど、「今、制限を破ったからめちゃくちゃうまくいった」的なパターンも多い。制限ありで再現できている部分が、ミシャが指揮したチームのどれともあまりに近似している以上、各チームが対策する余裕を持ち始めた“その先”からが本番である。
  • まだ「プレスに来てもらってなんぼ」という側面は残る。ミシャ的には、保持で圧縮していくこと自体は好みではなさそうだが、パスをつなぐこと、ポストプレーのセットアップを成立させることを考えると、どうしても圧縮して距離感を詰めたい(これは選手も詰めたいが、監督が……という話も出ている)。このあたりのミシャの考え方と解決策は、これから見ていく側も探ることになりそうだ。

さいごに

新生チーム同士の対戦であったことが功を奏した感もある。守備の話は、来ないかもしれない負け試合のときにでも書く。

今シーズン獲得賞金(理念強化配分金+特別助成金を除く)

600万円

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