2015年12月14日付けで、Japan Sports Councilより、新国立競技場整備事業に関する技術提案書が公開されました。
- A案 http://research.rakuten.co.jp/download/enquete/201512-068989a/low/a60.pdf (pdf注意)
- B案 http://research.rakuten.co.jp/download/enquete/201512-068989b/low/b028.pdf (pdf注意)
A案は大成建設・隅研吾チームか?
A案が大成建設、隈研吾氏の設計になるものと目されます。本命と思われ、なによりもハディド案の際の施工業者として資材などを確保していることが大きいと思われます。
B案は竹中清水大林JV・伊東豊雄チームか?
B案が竹中工務店と清水建設、大林組が共同企業体(JV)で組み、伊東豊雄氏のチームの設計になるものです。吹田スタジアムを手がけたメンバーが加わっています。
人となり
お二人については以下の記事が詳しいでしょう。
http://archipelago.mayuhama.com/entry/2015/09/19/201115
隈氏のつくる現代建築は「日本らしさ」を感じさせる建築で「和の大家」と呼ばれています。
新国立競技場も現代日本らしくまとめた作品が期待されます。 参加後のコメントは出ていません。隈氏がタッグを組むのは旧国立競技場を手掛けた大成建設。すこし昔までは建替え前の建物を手掛けた元請が新しい建物も受注するというのが日本の古き良き伝統でした。官公庁の建物ではそうした慣習も消えつつあります。
記事ではそんな隅研吾氏と大成建設のタッグを「無敵艦隊」と称しています。
それに対抗するのがJVチーム。伊東豊雄氏はハディド案について、「本来失格」と厳しく弾劾しています。
公募の課題のひとつに木材を使った「日本らしさ」があり、隈氏圧倒的有利と思われましたが、伊藤氏は最新作で木材を使った新しい表現を実現しています。構造レベルからの革命的作品づくりが「日本らしさ」としてどう表現されるのかが見所です。
果たして、プランは木の柱をモチーフにしたプランになっています。
圧倒的にこれまでの経緯からA案が有利と言われていますが、果たしてどうなりますか。正式決定は年内とのことです。
肝心のプランの比較は
A案は、五輪後の改修は最小限です。
B案は、一層目をすべて作り変えるプランです。見やすさはこちらのほうが上ですが、改修費用は格段にあがると思われます。
見やすさは評価されるか、それとも費用を重視するか、です。
名古屋新スタジアムへの影響は?
新スタジアムの完成は2019年11月とされ、2020年完成予定の名古屋の新スタジアム構想とバッティングします。資材の高騰と人件費の高騰が予想されます。
150億円と言われたスタジアム費用(その他付帯費用で300億円)がさらに高騰するかもしれません。影響が気になる所です。