なぜ今繋ぐサッカーなのか
古川キャンプでは繋ぐサッカーを指向していたようです。なぜ今繋ぐサッカーなのか。
名古屋は1stステージ半ばから、パッタリ点が取れなくなりました。怪我人が多数出た時期とそれは一致していますが、グラぽ編集部では以下のように考えています。
これまでのグランパスのパスの出しどころは1)闘莉王のフィード、2)田口泰士の散らし、3)時々ダニルソン。という形だったと考えています。2)田口がシーズン早々にいなくなり、3)ダニルソンも離脱すると、相手としては1)闘莉王をマークすれば良いことになります。
いかな闘莉王であってもマークが集中すれば組み立てられなくなります。明確な崩しが存在しない状況では、苦しくなるとロングボールだよりになります。川又堅碁選手は頑張っていましたが、「ハイボールを点で合わせてゴール」するのは得意でも「ロングボールを収める」ことはあまり得意ではありません。ストライカーではあってもポストプレーヤーではないからです。そしてノヴァコヴィッチ選手もタイプは違いますがパスに合わせたり、パスを出したりということが得意なストライカーです。ストライカーにロングボールを出して、収めろといっても収まりません。収まらなければボールを奪われカウンターを食らいます。もっと敵陣で仕掛けることができなければチャンスを作ることもできない、点も取れない、というのは自然なことです。
収まらないなら、ロングボール頼りをやめる、自然なことです。ならば少しでも繋ぐサッカーで簡単に失わないようにすることは大事だと思われます。
カウンターはやめるということ?
結論から言うと、ロングボールを止めてもカウンターを止めることにはなりません。西野監督は、現在の選手層はポゼッションサッカー向きではない、と認めています。
そこでヒントになるのが、竹内彬の守備的中盤への起用です。
ダニルソンのいない中盤では、ボールの奪取する場所がどうしても最終ラインになってしまい、カウンターする距離も長くなります。カウンターの距離が長くなれば、いかに永井選手が俊足といえど、あまりにも長い距離を走り続ければ疲れますし、他のDFに潰されてしまいます。竹内彬の守備的中盤への起用は、ボールの奪取ポイントを中盤に戻すという狙いがあるのではないでしょうか。そうすれば永井謙佑選手がもっと活きることになります。
ボールの奪取ポイントを敵陣に近い場所に設定し、ロングボールを控えてボールを保持する場所を敵陣にすれば、リスクを減らすことができます。ロングボールはパワープレイをするときに出せば良いと思います。
あとはこの2ポイントが機能するかどうかです。長年染みついたモノはなかなか抜けないものですからね・・・