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[コラム][公式] 契約満了選手正式発表、それに際してチームの保有人数について考えてみた。

名古屋グランパス公式ページで、2015年シーズン限りでの契約満了選手が発表されました。

http://nagoya-grampus.jp/information/pressrelease/2015/1123post-505.php

既報の、ダニルソン選手、ノヴァコビッチ選手、レアンドロ・ドミンゲス選手、ハーフナー・ニッキ選手、佐藤和樹選手、田中輝希選手に加えて、GK、選手会長でもある西村弘司選手も契約満了になりました。

西村弘司選手は京都パープルサンガ(現京都サンガ)出身で、実績あるセカンドキーパーでした。ファーストキーパーの平井選手が怪我をしたときなどに出場するなど44試合の出場、名古屋に移籍してきた2008年こそ14試合の出場がありましたが、その後高木義成選手の加入などもあって出場機会を減らしていました。しかしGKは経験がものを言うポジション、まだまだ頑張れると思います。次のチームが見つかることを祈っています。

キーパー4人は多すぎるのか?

野村選手が加入したことでゴールキーパー4人体制になったわけですが、そうなるとキーパーの数は適切なのか?という疑問もありました。特に今回は27から28人体制を目指すとのことでバランスが悪くなるという考え方ではないでしょうか?

他のチームの状況は以下のようになっています。
仙台:4名(30名)
山形:4名(32名)
鹿島:4名(30名)
浦和:4名(27名)
柏:5名(33名)
東京:4名(33名)
川崎:4名(28名:ただしシーズン途中に3名移籍)
横浜:4名(33名)
湘南:4名(34名)
甲府:4名(28名)
松本:4名(33名)
新潟:3名(25名)
清水:4名(33名)
名古屋:4名(31名)
G大阪:4名(29名)
神戸:4名(30名)
広島:3名(27名)
鳥栖:5名(32名)
と、なっています。

見てみると、3名体制を取っているのは25名の新潟、27名の広島だけです。
キーパーは専門性の高いポジションです。現在でもキーパーの場合は人数が足りなくなった場合、移籍期間以外でも特例で移籍が認められることになっています。それだけ難しいポジションなので、怪我人が増えた場合に備えて、4人から5人の体制を維持しているチームが多いのです。

チームの構成人数、来年度は27から28名と言われている体制は適切なのか?

こうしてみていると、28名体制というのはかなり少ないですね。
今回27から28名を目指すというのは、広島の体制をモデルにしているのかもしれません。
25名や28名で運営できているチームが実際にいるので、不可能ではないのでしょう。ただ浦和レッズなどでは怪我人が出ると相当苦労をしたという話も実際に聞いています。

今回の狙いは、余剰の人間がいると雰囲気が温くなる、という新聞報道で伝えられた考えに基づくものと思われます。確かにほんとうに「余剰」で、チャンスも与えられなければストレスを貯めるか腐ってしまうか、どちらかでしょう。実際今年のニッキはセンターバックが足りない状況でもチャンスが与えられず、ストレスを貯めていました。(参考記事:赤鯱新報の記事 9月2日のニッキインタビュー

そういう意味ではチームの人数を減らすことも一つの方法かもしれません。
しかし、それしか方法はないのでしょうか?他の多くのチームは30名オーバーの体制を抱えているのです。どうやって体制を維持しているのでしょうか?

グランパスは何が問題だったのか。

今年のグランパスは怪我人が多くでたこともあり、控えの選手が試合に出たときにあまり結果を残せなかったということがあります。
レギュラー以外の人間を使ったことが良くなかったのでしょうか。
何故今年は控えとの間で差が開いてしまったのでしょうか。
今のグランパスの控え選手は本当にダメな選手なのでしょうか?
結果だけ見ると、そう見えます。
しかし、ほとんどの選手は大きな期待を持って入団してきた選手です。そういった選手が経験を積むことができず、成長をできなかったから、差がでてきたのではないでしょうか。

ただ、今年は幸か不幸か、怪我人が多かったことで多くの選手が経験を積むことができました。矢田旭、本多勇喜、磯村亮太、小屋松知哉らがそれです。
彼らはしっかり経験を積み、特に矢田旭は主軸といっていいほどの存在になりました。

多くの人数を抱えていても、チームの中を健全な厳しい体制を保つには?

結論から言えば、チーム内に適切なレベルの競争をしかけることが可能であれば、それが一番の対策になるでしょう。

前のストイコビッチ監督も、そして西野監督も、チームを機能させるためにできるだけ同じメンバーで連携を深めることにこだわっていました。これはチームを強化するための一つの方法であることは間違いありません。しかし連携強化のためのメンバー固定は、デメリットとして主力以外の選手の経験を積ませることができないという問題を生んでしまいます。若手が育っていなかったのはそういう原因があったのではないでしょうか。レギュラー優先が徹底されると、どうしても競争がないわけです。ただ、どちらが良いか、というのは判断が難しいです。メンバー固定はメリットもあるからです。

メンバー固定で連携を深めることは大事なことなのですが、ノーチャンスと思わせない工夫をする方法が一つあります。それは適切なターンオーバーです。
来年は3週間日程が短くなり、より過密日程が予想されます。連戦が続けば当然疲労が溜まり、クオリティは低くなりますし、怪我の原因にもなります。だからこそのターンオーバーです。突然メンバーを入れ替えてしまったら難しいのですが、普段からきちんと数名を入れ替えながら起用を続けることです。ヤマザキナビスコカップで8名のターンオーバーがありましたが、それは入れ替えすぎなのです。もっと小規模に、そして普段から1、2名ずつ行っていくのが良いと思われます。
出場機会があり、競争が正当に評価されていると思えば競争が適切に機能をすると思います。

少ない人数で運用するための課題

ただ現状、27から28名の体制にするってことを決めたのであれば、もう一つ課題があります。怪我人の予防です。
28名体制では、怪我人が6人を超えれば紅白戦すらできなくなります。今年のような10名を超える怪我人が発生すると、チームとして試合に臨むことも難しくなる可能性もあります。常にコンディションをよく確認し、医療体制を充実させることは必須と言えるのではないでしょうか。
今年の西野監督の采配に、一つだけ納得がいかないところがあるとすると、怪我人であっても無理に使い続けることがあります。怪我明けの小屋松知哉やダニルソンを無理に使って再発させたり、11月に入って脚を痛めている本多勇喜を無理して使い続けたり(赤鯱新報の本多勇喜インタビュー)ということです。
もちろん主軸の選手に対する信頼は素晴らしいのですが、これでは怪我人が減らないことに対して文句は言えないのではないでしょうか。
来期の新監督は、是非ともそういった組織運営と選手のコンディション管理をしっかりと行って欲しいと思います。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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