「選手と監督は来ては去る。だけど俺たち(サポーター)は永遠だ。」
こんな言葉を見たことがある。正確な言い回しはわからないが、たぶん「狂熱のシーズン ヴェローナFCを追いかけて」の1節なんじゃないかな。なにしろこの本は名言だらけなんだ。
話は元に戻して、昨今、風間八宏監督を解任するべきか、という議論がTwitter界隈に巻き起こっている。
上に挙がっている言葉通り、どんな監督であっても、いつかは去る日が来る。それがいつかはサポーターには判らない。いつ去るかを決められるのは、クラブか、監督自身だけだ。
監督解任の理由
クラブの側から監督を解任をする場合、だいたいは以下の3パターンになると思われる。
- 成績不振:例:2016年の小倉さん
- 主力選手との軋轢:1999年の田中孝司さん
- フロントとの軋轢:2003年のベルデニックさん(ヴァスティッチの解雇に関する意見の相違)
成績不振については、致し方ない。
今年も監督の交代はあった。
チーム | 監督 | 日付 | 解任時順位 |
ヴィッセル神戸 | フアン・マヌエル・リージョ | 4月17日 | 10位(辞任) |
サガン鳥栖 | ルイス・カレーラス | 5月5日 | 18位 |
清水エスパルス | ヤン・ヨンソン | 5月12日 | 17位 |
浦和レッズ | オズワルド・オリヴェイラ | 5月28日 | 11位 |
ヴィッセル神戸 | 吉田孝行 | 6月8日 | 13位 |
ジュビロ磐田 | 名波浩 | 6月30日 | 18位 |
リージョを除けば11位から18位。
11位のオリベイラについて言えば、
https://www.nikkansports.com/soccer/news/201905290000812.html
こちらの報道にもある通り、内容の問題に加えて、選手からの信望篤い大槻さん(後任監督)を外したことも大きかったように思える。なので理由的には1と2の折衷とみた方がよい。
中位以上での監督交代は、後任監督次第
オリベイラと吉田さんの共通項は、改善を見込める後任がいたということだ。大槻さんは過去の代行経験からも実績は十分、チームも把握しきっている。
吉田さんはフィンクさんという実績のある監督への交代という明確な理由があった。
降格危機の責任をとって、という下位での交替と異なり、なんらかの問題解決ができる後任監督へのバトンタッチという形が多いように思える。
現在の風間体制の問題点
現体制で怪我人が続出する前は、比較的安定していた。ジョーの離脱以前の順位は2位。ただし、その時点でも問題は見えてきていた。
1)得点力不足
たまに固め取りがあるものの、勝利も1点差が多かった。12節以前でも1得点以下の試合が7
試合。20節以降まで合わせると13試合。サッカーは得点をしないと勝てないゲームなので、これは改善が必要だった。
2)守備崩壊
ジョーにボールが収まる、キープできる、これに支えられていたグランパスの前線は、ジョーが不在、もしくは怪我明けで不調の間、なかなかゴールを割れなくなる。
仙台戦での得点はマテウスの個人技、清水戦の得点は前田の個人技によるもの。ゴールを割れないと、前掛かりになりすぎて、カウンターにやられることになる。大分戦も、清水戦、湘南戦もそうして失点を積み重ねた。
3)選手層の薄さの露呈
湘南戦で丸山が離脱すると守備が安定しなくなった。天皇杯で評価を下げた千葉と櫛引はなかなかチャンスを掴めず、変則3バックなどを経て、5バックに落ち着く。20節も米本が負傷で3か月離脱をして、小林かネットか、というなかでネットを選択した。ネットは先制点でのアシストにもあるように攻撃には効果があったが、守備では穴になる。レギュラーが抜けたときにそれを埋める存在がいないのは、グランパスが直面している最大の壁だろうと思われる。
これらの問題を改善できる監督はいるのか?
現時点で、後任候補として名前が挙がっているのがベンゲルとフィッカデンティ。
フィッカデンティさんは、イタリアの監督らしく守備から入るタイプ。そして吉田豊のインタビューにもあったように、戦術の縛りはかなり厳しい、風間八宏さんとは真逆のタイプだ。守備を整えるタイプということであれば、問題2)守備崩壊について、失点は減らせるかもしれない。ただし、昨年解任されたサガン鳥栖での成績を見る限りでは、問題1)得点力不足が解消できるようには思えない。
また、守備から入ろうにも、現状で守備に重心を置いた選手はかなり少ない。丸山祐市の離脱した守備陣を立て直せるかというと、そう簡単ではないだろう、と思われる。
アーセン・ベンゲルさんは元名古屋の監督でもあり、彼の仕込んだ4−4−2は今でも名古屋のサポーターのなかでは記憶に残る素晴らしいものだった。彼は多くの名将と呼ばれる監督が失敗したのとは異なり、日本では日本のやり方にあわせつつも自分の考えを選手にインプリメント(実装)することができる貴重な監督といえる。欧州の監督と、日本の監督では仕事のスコープが異なると思われる。欧州ではチームに戦術をインプリメントして、チームとしての戦略をGMと一緒に構築していくというのが仕事になると思われる。それに対して日本では現場での育成も大きな要素になっている。それを成し遂げたのがベンゲルさんのすごいところだった。ただ、それは24年も前のことであり、ベンゲルさんも若かった。今でも同じ仕事ができるかどうかというと確信は持てない。そして途中で監督を引き受ける難しい仕事を受けるだろうか。彼の監督のときにいたフランス語の通じるストイコビッチ、デュリックスやパシ、トーレスのような選手を与えられない、チームを造る時間もないという状態でベンゲルさんの良さが引き出せるとはあまり思えない。
後任はどのような監督がいいのか?
今解任して、1)得点力不足、2)守備崩壊、3)層の薄さ、までの問題を解決しうる監督がいるのだろうか。
今のグランパスの内部スタッフに、浦和の大槻さん、あるいはのような信望の篤い監督がいるか?残念ながら森さんの信望が篤いようには見えない。
ならばフィンク監督のように経験豊富で実績のある監督がアサインできるのか?
そこで出てくる実績ある監督の名前がフィッカデンティさんやベンゲルさんなのだろうけど、ここで重要になってくるのが、継続性だ。
あるチームでは主力選手と同じ国籍の監督を起用して、主力選手を活かせるようにしようとしたがうまくいかず、結局チーム全体が馴染んでいる元の路線に回帰することでチームが上向いた。またあるチームでは監督の辞任後、日本人監督で上向かなかったサッカーを経験豊富で実績ある監督に代えて、主力選手が活きるサッカーに変えていくことで上向いた。(他チームのことはあんまり書きたくないので、匿名ご容赦)
どちらのケースでも上向いたのは、今いる選手の馴染んだサッカーを再構築したケースだ。
風間八宏さんのやっているチーム作りをそのまま受け継ぐことは難しいし、それでは意味がない。しかし、真逆のサッカーを構築しようとするのは無謀なのではないだろうか。
そういう意味では、今いる選手の特性を活かせるような戦術をとれる監督というのも重要な条件になると思う。
ただ気をつけなければならないのは、たとえばベンゲルさんやピクシーのようなクラブレジェンドを担ぎ出してしまうと、これでこのまま修正も効かずに降格なんていうことになったときに「切る」ことができるのか?という問題もある。
結論
結論から書く。
風間八宏さんを上回る指導力と戦術眼を持ち、かつ今のグランパスの選手の特性を活かすことができるようなタイプの監督がいるのか?
そのような監督がもしもいるならば、監督交代も選択肢としてはあり得る。
ただ一番避けなければいけないのは以下のようなパターンだ。
- 今の監督は駄目だ、変えよう。
- とりあえず戦術とかは置いておいて、今フリーのビッグネームを持ってこよう。
- いまの選手とサッカーが噛み合わない。
- 選手が監督に納得しない。
- 選手が流出する。
これは一番避けたい。
結論で挙げたような監督はそうはいない。
敢えて挙げるならば、キケ・セティエン。ベティスの前監督。
詳しくはフットボリスタの記事 https://www.footballista.jp/column/51724 を見て欲しい。
彼のような戦術眼を持つ監督を起用できるだろうか。ボールを握り、攻めたおすという風間八宏さんの強化版のような監督で、今フリーだ。
良くも悪くも、いまの選手たちは攻撃的なサッカーをやりたくて集まってきているものがほとんどだ。そうなると、攻撃的なサッカーを行える監督でなければ選手の納得は得られないだろう。
逆を言えば、確実に風間八宏さんを上回る監督でなければ、交代する意味はないのではないだろうか。問題1)得点力不足と問題2)守備崩壊を止められる監督。
ただし、丸山祐市と米本拓司を欠いて、いまのメンバーでどこまでやれるのか。鹿屋体育大学に負けた天皇杯初戦を思い出すと、問題3)層の薄さを解消するのは一朝一夕ではいかない。
「貫く」こと
朋友みぎさんのエントリーは、皆さん読まれただろうか。
これに、何も付け加えることはない、と言いながらもこのエントリーを書いた。
プロのサッカーは成績という指標が水準を満たすことができなければ、交代はやむなしとも言える。
この試合の観客数は遂に4万2千の大台に乗りました。もちろん風間八宏だけの成果ではない。ただ同時に、フロントだけの成果でもありません。両輪がしっかり噛み合ったからこそ、今この瞬間がある。この文化が名古屋にずっと息づくよう、今アカデミーも一体となり改革している最中です。その投資の結果が現れるのは、もしかしたら5年後、いや10年後かもしれない。
風間八宏さんの監督起用は、彼のもとでしっかりと技術を磨き、チームの土台を作り上げるという名古屋グランパス再生に向けたプロジェクトだったはず。
2016年、本当にグランパスは更地になってしまった。そこからもう一度組み立て直すためのプロジェクト。
大切なことは、風間八宏さんが監督を続けることではなくて、「このプロジェクトをやり続けること」だ。
風間八宏さんを解任することで、またもう一度更地になってしまうのでは意味がない。また全部やり直しになってしまうのは、結構しんどいはず。繰り返しになるけど、もしも解任するならば、彼を超える、同路線の監督をアサインできなければならない。そうでなければ、名古屋再生のプロジェクトは一からやり直しになってしまうから。
みぎさんも言うように、アカデミーも一体となって、基本技術の向上から、名古屋のサッカーの再構築に取り組んできている。これを止めてはいけない。
改革を「貫く」ことができる名古屋グランパスであって欲しい。
選手層は薄くはない、逆に厚い
厚いけどベンチ以降の力がレギュラー陣より劣っている。総合のチーム力の問題。
層ってのは第一第二第三第四と人数を指すこと。センターバックでいえば第一丸山 第二中谷 第三櫛引 第四千葉 第五藤井
層でいえばほとんどのポジションで分厚い。右サイドバックくらいかな薄いのわ。
成績不振で小倉を書いてるけど、あれは成績以前の問題。資質がそもそもない。ヴェンゲル・ピクシーのマネをしようとしたが選手に教えれるほどIQもなく混乱させていた。だから成績以前の問題だった。
問題の1)得点力不足の書いてあることが中身がない・・。なぜ・どうしてを考えて書いてない
いつも文だけ並べて中身がない記事になってるんですよ。よくある中身スカスカのヤフー記事とかネット記事レベル