胸を張って、堂々と進め
J2優勝チームで、怪我の期間を除けばレギュラーと断言して良い42試合中30試合先発、34試合出場。ゴールこそは3ゴールと少ないが、クロスやドリブル、シュートはJ2でも上位に位置づけられている。名古屋グランパスでもFWとOHを兼務するシャビエルとの比較を見ても、特徴は違うものの、大きく劣るということもないことがわかるはずだ。
決して結果を出せなかったから名古屋グランパスを去るのではない、レンタル先で結果を残しているからこそ、請われて徳島ヴォルティスに行くのだ。胸を張って、堂々と進め!
ただ、本当に小さい頃から見てきた人間にとっては寂しいことも事実。
そのあたりの気持ちを2人からメッセージを頂いている。(ここまでグラぽ編集長)
@sakamoto1003さんのメッセージ
心躍る名古屋の宝へ
名古屋グランパスから旅立つ杉森考起様。
初めて、杉森考起の名を知らしめた出来事は今でも忘れないよ。
あれは、AFC U-16選手権2012。準々決勝のシリア戦。
交代してすぐだったはず。ヘディングでゴールを決めた。
【AFC U-16選手権 準々決勝 日本vsシリア】79分 FKから途中出場の杉森 考起がヘディングを決め先制 1-0 http://t.co/pmUyj24y …
— 日本サッカー協会 (@JFA) September 30, 2012
まだこの時考起は中学生だったのか。
翌年。UAEで開かれたU-17 FIFAワールドカップ。
考起はメンバーに選ばれ、3試合出場。そして、プロ契約。
【名古屋】クラブ最年少、杉森とプロ契約 – サッカーニュース
極めつけは、ブラジルW杯のサポートメンバー選出。
日本代表は惨敗したけどいろいろなものを感じたはずだ。
(全録)トレーニングパートナーの杉森考起選手インタビュー – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QGnWOAD3fY4
これだけの実績を見せつけられたら期待するなっていうのが無理だと思う。
ただ、余計なプレッシャーを与えてしまったのかな。
思うように活躍できない時期があったはず。
試合に出ても活躍できない時があったはず。
いろいろ葛藤はあったはずだ。悩んだと思う。
なんでゴールを決められないんだって言われた時もあった。
前半で交代させられた時もあったよね。
それでも、杉森考起ならば。
いつかきっと。
レンタルで一回町田に出された時があったけど、戻ってきた。
だから、今回もきっと戻って来られる。誰もがそう思った。
でも、現実は非情だ。
杉森 考起選手、徳島ヴォルティスへ完全移籍のお知らせ|ニュース|名古屋グランパス公式サイト
完全移籍
名古屋グランパスの杉森考起から徳島ヴォルティスの杉森考起になる。
この現実が受け止められないサポーターはたくさんいると思う。
夢ならば冷めてほしいと思っている人は居るはずだ。
それでも、自分のサッカー人生のため、徳島に行くと決めたんだ。
ならば、その選択を信じろ!
来年24歳。サッカー人生は始まったばかりだ。
徳島はロドリゲス監督から別の人が監督になるみたい。
https://www.vortis.jp/information/news/detail.php?id=2479
正直どんなサッカーをやるのか分からない。
考起に求められるタスクが変わり、苦しむときがあると思う。
うまくいかない時だってきっとある。
そうなったとしても杉森考起ならばやっていける。
だって、考起は名古屋アカデミーが生み出した最高傑作だからだ!
名古屋アカデミーの誇りを胸に!
全力で駆け抜けろ!杉森考起!
いつまでも名古屋の宝だから。
@daibou54 さんのメッセージ
2021年1月7日木曜日12時00分。
そのお知らせを見た時のモヤモヤした気持ちをどう表現しようか考えていたのですが、今でも上手く言葉に出来ません。
#杉森考起 選手の期限付き移籍期間満了にともなう、#徳島ヴォルティス への完全移籍が決定しました。
“9歳から在籍した大好きなクラブを離れるのはとても寂しいですが、サッカー選手として成長するために決断しました。名古屋で僕に関わってくれた全ての方々に感謝します”#ありがとう考起 #grampus— 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) January 7, 2021
昨日の青木亮太のコンサドーレ札幌への完全移籍に続き、名古屋ファミリーへのインパクト十分なお知らせでしたね。
何でモヤモヤするのか?
その原因を今日の午後からずっと考えていました。
2020年シーズンの杉森はキャリアハイの34試合出場、30試合先発、出場時間2322分、3ゴール。
昨シーズンの徳島で主力中の主力、冷静に考えれば徳島に残る選択は自然です。
Football Lab 選手比較 2020年の杉森考起(徳島) vs 2019年の杉森考起(名古屋)
https://www.football-lab.jp/comparison/player/2020/30116/1400059/2019/127/1400059/
名古屋の至宝と呼ばれることを重荷に感じていたのかな、とか本人でないと分からないことを考えたり、下部組織出身者をあっさり放出する名古屋フロントに対する怒りが原因なのかな、とか。
或いは数少ない我が地元・春日井市出身の選手が更に減ってしまうから、とか。
でも、そんな表面的な屁理屈ではなく、もっと単純な原因ですね。
名古屋の選手としてプレーする杉森考起に酔えなくなる、心踊れなくなる。
その事実に対する失望が原因です。
自分は杉森考起に夢を見ていました。
その才能に。
名古屋で風間監督、町田で相馬監督、徳島でリカルド・ロドリゲス監督の指導を受け、ようやく花開いたその才能に。
いつか名古屋グランパスの看板選手、大エースになってくれると期待していました。
この時も。
【公式】ゴール動画:杉森 考起(名古屋)15分 東京ヴェルディvs名古屋グランパス 明治安田生命J2リーグ 第18節 2017/6/10
この時も。
【公式】ゴール動画:和泉 竜司(名古屋)89分 サガン鳥栖vs名古屋グランパス 明治安田生命J1リーグ 第1節 2019/2/23
昨シーズンはこんな泥臭いゴールも決めて、逞しくなったと感心していました。
【公式】ハイライト:大宮アルディージャvs徳島ヴォルティス 明治安田生命J2リーグ 第21節 2020/9/23
しかし、その夢は途中で覚めてしまいました。
2021年、杉森は名古屋の選手ではなく徳島の選手としてJ1リーグで相見えます。
悲しいは悲しいですが、ようやく自分が輝ける場所を見つけたという意味で、最良の選択だったのでしょう。
私は個サポではないので徳島サポに乗り換えるつもりはありません。
しかし、怪我には気をつけて、徳島サポを酔わせるプレーを続けてほしい。
また名古屋でプレーしてほしいという気持ちもありますが、まずは杉森自身が満足するプロサッカー選手人生を歩んで頂きたいですね。
願わくばコロナ禍が終息し、豊田スタジアムでブーイングを浴びせたい。
杉森考起の人生に幸あれ。