前節、鹿島に負け、直近4試合を1勝3敗としたグランパス。この清水戦からフィッカデンティ監督が復帰し、ピッチ上で指揮を執ることとなりました。
さて、自分たちの状態を振り返ってみましょう。
- 川崎戦では「引いて守る」ことの現時点での限界を見せつけられた
- しかし攻撃に転じたら川崎を慌てさせることはできた
- セレッソ戦ではボールを持とうとして相手をコントロールして勝った
- 鹿島戦では、「そんな都合の良い話があるか」と言わんばかりにボコられた
基本的にリモートで状況を把握していたはずのマッシモが、実際に選手達を見て、どんな指示をして、これからどう戦っていくのか? 清水戦はその答え合わせとなりました。
シャビエル、スタメン
3日前の鹿島戦で柿谷を長いこと使ったし、斎藤も使ったし、消去法的にシャビエルスタメン&最前線は山﨑🍞スタメンだと予想していたんですが、なんとまさかのシャビエル+柿谷スタメン。それ以上にビックリだったのが🍞ベンチ外。そして中盤から後ろはいつメン(右SBは成瀬)。
これはどういうことなのか? マッシモの意図を推測すると、こんな感じじゃないでしょうか。
- 基本的にこれまでの戦い方を大きく変えるつもりは無い
- しかし、受け一辺倒では厳しいし、やっぱりボールをある程度持ちたい
- なので良い意味で曖昧な場所でボールを受けられるシャビエルを起用
- シャビエル起用の守備面でのデメリットは、シャビエルを最前線に置くことで妥協
そんな予想を抱きつつ試合を見てみたところ、だいたい予想どおりでしたね。
ロティーナ・清水の守備は流石ではあったが………
グランパス的にやられると嫌な、
- DFラインにマンツーマン気味でプレス
- CMF2枚はなるべく試合から消す
- サイドハーフの前を塞ぐ
をがっつりやってきた清水。丸山、中谷が相手のプレッシャーに負けたのか、前線に蹴っ飛ばしちゃう姿もけっこう目につきました。しかし、なんとかセカンドボールを拾えたり、あんま再現性は無かったものの相手のプレスを剥がしてシャビエルの足元へボールを届けられた時には、シャビエルが大いにボールを前に進めつつ時間を作って味方に配っていましたね。これで清水DFラインがもっと強固だったら話も変わったんでしょうが、シャビエル、マテウスに柿谷を封殺できるほどの屈強さは無かった。
要約すると、清水としては「グランパスのビルドアップをある程度以上阻害することには成功」したものの、全てを防ぎきるのは無理で、主にシャビエルの足元にボールが届いちゃったら後手後手の守備になってしまって、直接的にはマテウスの左足が猛威を振るった結果、決壊してしまったという感じでした。
ちなみに、相手が前から来る状況で、ボールを持とうとするならそれこそサリーすればええやんってところなのに、この試合ではセレッソ・鹿島戦が何だったんだってくらい米本がほとんど落ちず、2CB-2CMFのビルドアップの形を崩しませんでしたね。マッシモの指示なんでしょうね。3-1ビルドアップよりも、2-2でやれるなら重心を上げられるから当然その方がいいわけで、その辺、なんとなくマッシモの拘りを感じさせられました。
一方、清水の攻撃は
グラぽてんてーのプレビュー等、事前の予想どおり、基本的にはクロスを放り込んできた清水。なんかその、「良い感じにボールを前に運べたと思ったら結局クロスを放り込む攻撃」に、そこはかとないJ2っぽさを感じさせられました(偏見)。ちょっとそのサッカーでは得点力の向上は難しいっぽい。1~2回だけ、あわやというシーンも作られましたが、そこには最後の壁ランゲラックもいるし、概ねフツーにグランパス守備陣が完封。グランパスDFラインが比較的高さに弱いと言っても、特に左右に振ったりすることもなくクロスでは………。他所様のことならがちょっと心配になる攻撃でしたね。
この試合の良かったところ
- とりあえずの、マッシモの今後の方向性が見えたこと
- 柿谷シャビエルが揃ってると、ボールさえ届けてれやれば魔法の気配が漂うこと
- 丸山の負傷交代をものともせず完封した守備陣
- 随所にキラリと光るプレーを見せた成瀬(シュートは決めておくれ)
- 阿部が無事だと確認できたこと
- 柿谷の、18歳未満の方にはお見せできないくらいエロかった「スルー」
この試合のウーン
- 「結局マテウスじゃん」と言われるとなんとも………柿シャビの更なる連携向上に期待
- 相手がまあまあ守備を頑張っていたとは言え、けっこうマズかったビルドアップ
- 明らかにおかしかった吉田豊と相馬(疲労なんでしょうね)
今後の心配
- 柿シャビをファーストチョイスとするなら、山﨑がベンチに入ってくるか怪しい………
- 丸山の怪我は大丈夫か(自力で歩いてたから重症ではないはず………)
最後に
後半、清水がバランスを崩しまくったもんだから、やけにカウンターで良い感じに攻められるし、逆に攻められても特に怖くもなく。終わってみれば
「先制さえすればグランパスは強いんだ」
ということを再確認した試合だったかもしれません。後半の戦いぶりと最終スコアは参考程度に理解するべきかなーと。とてもじゃないが浮かれている場合ではなく、ボールを持つにしても守るにしても、もっともっと向上しないと川崎には追い付けない。
とは言え、過酷な連戦もひと段落。選手も可能な限りリフレッシュしてもらって、22日は鳴門で大暴れしてもらいましょう(緊急事態宣言とマンボウさえなければ徳島に遠征するつもりだったのに………)。それでは~