はじめに
今シーズンのJ1リーグは開幕から過密日程で進んでいます。
週2、3試合を戦うことも多い選手達は大変かと思いますが、日本代表の試合が開催される週など、J1の試合が無い週も当然ながらあります。
そこで、試合のない日にもサッカー熱が下がらない方、サッカー関連の活字に飢えている方向けに、私のおすすめ書籍を何冊かご紹介します。
既に読んだことのある書籍もあるかと思いますが、暇つぶしの本を買うときの参考にして頂ければ幸いです。
らいかーると著「アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます」
先日グラぽにも川崎戦のレビューを寄稿して頂いた、らいかーると氏の著書です。
らいかーると氏は「サッカーの面白い戦術分析を心がけます」のブログ主です。
ブログ内では名古屋グランパスの試合についてもいくつか書かれています。
本著は主にサッカーの試合を観る時の視点について記述されています。
氏の試合を分析する時の注意点なども勉強になるのですが、私がこの本を推す理由は専門用語の平易な説明、文中に挟まれる図の簡潔さ、理解しやすさにあります。
グラぽも例外ではありませんが、サッカー関連のプレビュー/レビューには「レーン」「ビルドアップ」「サリー」「ピン止め」などの専門用語で試合中の出来事について記述されていることが多いですが、本著を読めば試合分析の視点とともに専門用語の理解も深めることができます。
サッカーをより楽しく深く観たいという方に是非読んで頂ければと思います。
レナート・バルディ/片野道郎著「モダンサッカーの教科書III ポジション進化論」
個人的には、2020年に読んだサッカー関連の書籍で最も面白かった本です。
イタリア1部リーグ・セリエAのボローニャで分析担当しているレナート・バルディ氏と片野道郎氏の対談形式で、現代サッカーにおける各ポジションに要求される役割、プレー内容の変化について論じています。
各ポジションで求められるタスクの多さに20年前のサッカーとは随分違うな、と実感しますし、その過剰としか表現できないタスクを試合で遂行している選手たちに改めて尊敬の念を持つのではないかと思います。
皆さんの好きな選手がどのようなタスクを持ってプレーしているか想像しながら読んでも面白いかと。
結城康平著「欧州サッカーの新解釈。ポジショナルプレーのすべて」
らいかーると氏と同じく先日の川崎戦でレビューを掲載していただいた、結城康平氏の著書です。
サッカー関連の記事、特に欧州サッカーの記事では時々「ポジショナルプレー」という用語が出てきます。
「選手の立ち位置で試合を支配しよう!」という概念なのですが、明確な定義が無く、各人曖昧な解釈をしがち、雲を掴むような考え方です。
このポジショナルプレーという考え方について、有名サッカー人の言葉の引用、理論などから解き明かすことを試みている、意欲作です。
内容が少々難解であるため、最初に読むサッカー関連書籍としては適しませんが、ある程度サッカーに関しては詳しい、欧州サッカーをたくさん見て一家言ある、という方には是非読んでいただきたいです。
杉崎健著「サッカーアナリストのすゝめ 「テクノロジー」と「分析」で支える新時代の専門職」
「プロサッカークラブのアナリストって、実際どんな業務をしているの?」という素朴な疑問を持っている方も多いかと思います。
先月発売されたばかりの本ですが、仙台、神戸、横浜FMで実際にアナリストとして働いていた杉崎氏が自身の経験を元に使用しているツール、1週間の活動スケジュール、分析時の注意点など具体的に述べられています。
個人的にも勉強になることも多かったので、興味のある方は是非読んで頂きたいです。
津村記久子著「ディス・イズ・ザ・デイ」
これまで紹介した書籍とは違い、芥川賞作家の津村記久子氏が書いた小説です。
サッカー本大賞を獲った書籍であるため、知っている方も多いかと思います。
短編集となっており、舞台はJ2リーグをモデルとした日本のプロサッカー2部リーグ。
1部リーグ昇格、3部リーグ降格に絡むチームのサポ、個サポ、マスコットに心奪われたサポなど色々な登場人物が出てきますが、2017年のJ2で戦った日々も思い出され、少し胸が熱くなります。
まだ読んだことが無い方には是非読んで頂ければと思います。
読後は爽やかな気分になる、はず。
サッカーとは関係ないですが:吉原幸伸著「AI・データサイエンスの基礎」
サッカーとは関係ありませんが、我らがグラぽ先生が書かれた本もご紹介します。
データと何か、AIで出来ることは何か?などを解りやすく(とはいえ、全く知識が無いとちょっと厳しいかも…)書かれています。
日々の仕事でAIやデータ活用について少し知識があった方が良い、どうせ読むなら仕事に役立つ知識が得られる本が良い、という方は是非手に取って読んでみてください。
私の使い方は会社の机に入れておいて、AIに夢を見すぎている同僚に貸して現実を知ってもらう用途で活用しています。
おわりに
6冊紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
ビジネス本は日常的に読まれている方も多いと思いますが、たまの息抜きとしてサッカー関連の書籍も読むと面白いですよ、という紹介でした。
世の中にサッカー関連の書籍はあふれていると思いますので、皆様もおすすめの本があればSNSやリアル友人、グラぽへの寄稿などで是非ご紹介いただきたく思います。