ついにやってきた1ヶ月にFC東京との3戦、その第1試合目になる。10試合負けなしという数字は素晴らしいが、緩みもでてきているころでもある。またそろそろ好調チームを研究してきているころで、グランパス攻略法を上位チームは編みだしてきているだろう。ここからはまさに死闘となる。
この試合をプレビューする。
FC東京の状況
- 上記は森重と渡辺が逆の予想(ごめんなさい)
- 出場停止なし
- 林彰洋、中村帆高、内田宅哉、バングーナガンデ佳史扶は負傷で離脱中
- 長友佑都の加入で意気軒昂
IN | OUT |
DF 長友佑都 | GK 野澤大志ブランドン |
DF 鈴木準弥 | DF 木村誠二 |
MF アルトゥール・シルバ |
FC東京の戦績
13勝6分10敗。予想外に苦しんでいるのは外国籍3トップを活かすための様々な試行錯誤を重ねた結果と言えるだろう。春先は森重アンカーをトライしていたが、いくら本来アンカーがあまり中央から動かないことを想定しているとはいえ、機動力の面で難しかったことは否めない。
現在のフォーメーションが固まってからは好調になっており、順位も上向いて、もしグランパスに勝利するようなことがあれば、ワンチャンACLを狙うことも不可能ではない。
FC東京の戦い方
2018年に就任以来、4年目となる長谷川健太のもとで、怪我人の中村帆高、林彰洋らを除けば大きな戦力流出もなく、外国籍選手もアルトゥール・シルバを除けば4人とも残留。ある意味熟成されきったチームと言って良いだろう。渡邊凌磨・鈴木準弥・青木拓矢といった選手は加入したものの、軸は変わらない。
ディエゴ・オリヴェイラとレアンドロをどう配置するかでずっと迷いがあった感があるがついに解を見つけた感があるのが現在の布陣だ。
- やはりプレッシャーを前からかけられる、「強い」ディエゴ・オリヴェイラが最前線にいることはかなり怖い
- レアンドロをサイドに置くと、どうしても守備の負担がかかってしまうので、トップ下で軽減する
迷いが感じられるのは中盤中央2枚の安部柊斗の相方だ。青木拓矢か三田啓貴が務めることが多いようだが、絶対のレギュラーということにはなっていない。バランスのとれた三田啓貴か、地上戦デュエルに強い青木拓矢か、という棲み分けのようだ。
FC東京のチームスタイル
マリノスのチームスタイル指標を見た後だと普通に見えるが、やはり怖いのはカウンターだ。数値にはっきりと表れており、ロングカウンターで一挙に盤面をひっくり返されることがあるのが東京の怖いところだ。数値の面では高くないが、フィジカルコンタクトはグランパスの苦手な分野。
引用元: FC東京 2021 チームスタイル[攻撃セットプレー] | データによってサッカーはもっと輝く
特に恐ろしいのはディエゴ・オリヴェイラだ。
Diego Oliveira FC Tokyo videos, transfer history and stats
前回の横浜FC戦で見せた、地上戦デュエル10回、空中戦デュエル6回は驚異的な数字だ。勝利をしていなくても、そこで1:1を仕掛けていることで、周りの選手の時間を作ってくれる。ヤクブ・シュヴィルツォクがあまり積極的ではない部分であり、その点は彼が上回るポイントだと言えよう。彼こそがFC東京の象徴と言えるのではないだろうか。
意図的な非保持
リーグサマリー:2021 J1 ボール支配率 | データによってサッカーはもっと輝く
ボール支配率がもっともFC東京を表している。下位のチームになると、ボールを「保持したくてもできない」という状況がでてくることがあるが、FC東京はその実力と順位に反して、「ボールを意図的に保持しない」。
相手にボールを渡すということは、グランパスが攻められているときを想像すればわかると思うが、自陣に攻め込まれることが多いということだ。それに耐えることができる守備陣がいて、自陣に相手を引き込んで、一瞬の隙でカウンター発動、ゴールを陥れる。まさに蟻地獄のようなものだ。
グランパスがFC東京と戦うときは、ロースコアゲームになることが多いのは、どちらも似たようなスタイルだからだ。蟻地獄にハマらず、いかにゴールを陥れるか。それが課題だ。
FC東京のチャンスビルディングポイント
引用元: FC東京 2021プレビュー | 9月22日FC東京 vs 名古屋 | データによってサッカーはもっと輝く
ドリブルと奪取を除けば、すべてグランパスより上の数値となる。
特に、ドリブルの数値が高い相手と戦うのは久しぶりになる。ドリブルといえばアダイウトン。彼のロングドリブルによるカウンターは脅威といって差し支えないだろう。
数値の傾向としては「シュートとゴールを強化したグランパス」と言えるかもしれない。
グランパスの状況
- 丸山祐市が全治8ヶ月の重傷(3ヶ月目)
- 山﨑凌吾が復帰、ACLでベンチ入りも、試合出場は微妙
- シャビエルと金崎夢生が復帰
- 柿谷曜一朗が全体練習に復帰。FC東京戦は出場微妙。
- 出場停止はなし
FC東京対策
ーFC東京との対戦ではインテンシティーの高い激しい試合になる印象を持っています。ピッチ内での優位性を保つために、それ以外の部分でどこに気をつけて試合を進めたいと思っていますか?
お互いの特長というところで、ご質問いただいたようにインテンシティーの部分はどちらも譲らないと思います。それを大前提にお互いが「良いサッカー」だと言えることをグラウンドの中でやれた試合になるのか、それともお互いの潰し合いだけになってしまうのか。どちらも根本的にそういった方向(潰し合う)に向かうことをベースにサッカーをしているチームではないので、クオリティー高く見応えのある試合になることがお互いにとって理想で、FC東京側もそれを望んでいるのかなと。その中でどちらがうまさで上回れるかという勝負になることが大事ですし、そういった試合になってほしいと願っています。
引用元: 明治安田生命J1リーグ第32節 FC東京戦 前日監督会見 | インサイド・グランパス
インテンシティとは:プレーの強さや激しさを表す言葉
間違いなく言えるのは、横浜Fマリノス戦に続く死闘になること。1点を奪わせない、1点を奪うこと。ロースコアになることが決まっているゲームをなんとかもぎ取りたい。
ディエゴ・オリヴェイラの裏抜けに気をつけろ
中盤から中距離の浮かしたパスでディエゴ・オリヴェイラが抜けだす。そしてシュートというのは彼の得意技だ。
まずは中盤でパス出しを自由にさせない。ディエゴ・オリヴェイラをフリーにさせない。この2つを徹底したい。
セルフジャッジで脚を止めるな
ファールかな?と思って脚が止まることがあるグランパスの選手達。FC東京の優れているところはそんなときも絶対にプレーを止めないところだ。貪欲にボールにガツガツくる可能性がある。笛がなるまでプレーを止めてはならない。
しかけた選手の後ろにレアンドロ
渡邊凌磨がブローダーセンにしかけて脚だけでボールを奪い取る。シュートのこぼれをレアンドロが決めたシーンだ。
レアンドロはこのところ、このケースのようにこぼれ球を決めきるゴールがかなり多い。ボールホルダーにばかり目が行っていると、レアンドロをフリーにしてしまう可能性が高い。
長友佑都の裏を突け
FC Tokyo live score, schedule and results – Football
復帰戦となった横浜FC戦。ヒートマップを見て貰うとわかるように、かなり高めのポジションをとることが多い。長友佑都が上がったところに対面になるマテウス、前田直輝がコンビネーションで突くことができれば。良いクロスさえ入れれば、ヤクブ・シュヴィルツォクならやってくれるはず。
良い試合になりますように