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2021年J1リーグ29節 横浜FM戦レフェリング解説 #grampus

はじめに

 

さて、上位直接対決となったホーム横浜FM戦!勝ってよかった!!この勝利はかなり大きいですね!

皆様はこの試合どんな感想ですか?

「勝って嬉しい」はもちろんグラサポとして当然あると思います。私もとても嬉しいです。

それ以外にも、死闘だった、タフだった等色々あると思います。

実は相当タフな試合になることはある程度予想しました。上位対決だし、主審は家本さんだし。

蓋を開けてみればまさに、予想的中。

家本主審でしか、なし得ないような強度・展開の試合でかなり面白い試合だったと感じております。

が、、、スタンド(私のいたゴール裏)からは

「家本ふざけるなー!!!!」

「レフェリーちゃんとしろ!!」

等の怒号が聞こえてきたではありませんか。

ああ、家本さんのレフェリングが理解されないのか。と少し切ない感じになりました。私の感動を少し共有したい。と

そこで、名古屋vs横浜FMの家本主審のレフェリングについて解説します。

その前に、そもそも「審判という役割」や「何故主審によって色が出てくるのか」というポイントについて理解すると、わかりやすいかと思いますので、そちらもご説明しますね。

毎度の如く、審判・ルールについて詳しくない人でも読みやすいように気をつけて書いていきますね!

レフェリーによって「色」が出てくるカラクリ。

サッカーを見ていると、「このレフェリーはファールを全然取らないな」とか「なんかこのレフェリーだと試合が荒れないな」等、レフェリーに関する感想を感じたり、聞いたりすることがあると思います。

つまり、レフェリーによって違い「色」があることに気付いている方も多いことでしょう。

これって何でだと思いますか?何故、同じサッカーの競技規則に則って判定をしているにも関わらず、「色」に違いが出てくるのでしょうか。

勿論、コミュニケーション能力や判定を見極める力といった、基礎技術の違いはあります。しかし、一番の大きな要因は、競技規則には限界があるからなんです。実は、これはサッカーの競技規則にバッチリ明記してあって、以下のように記述があります。

「競技規則は発生し得るであろうすべての状況に対して言及することはできないので、 具体的事象についての規定はない。(中略)審判が競技と競技規則の「精神」に基づき判定を下 すよう求めている。」

平たくいうと、「レフェリーはサッカーが期待することは何かを考えて、それを具現化するべく、安全で皆が楽しめるように判定してね」ということです。

このサッカーに対する「考え方」がそれぞれのレフェリーによって異なることが、「色」の違いが出てくる原因になるのですね。

そしてその「色」が違うことで、ファールの基準や、選手とのコミュニケーション方法等、審判の重要な要素に違いが出てくるんですね。

では次章では、ファールの基準を例にとって説明してみましょう。

ファールの基準ってなに?

さて、前章で審判によって色が違ってくる代表例、「ファールの基準」についてご説明します。

皆さんはサッカーを観ていて

  • なんでこれがファールないんだよー
  • ファール逆じゃないかー

等思ったり、叫んだりした経験はありますよね?

自分の応援しているチームの選手が倒れたりしたら、特にそう思うかもしれませんね。

リプレイで見ても、試合で自チームの選手が、完全に引っ張られている、明らかに足がかかっている、押されているetc…

だけど目の前で見ている審判はファールを取られない。「おい、審判何を見てるんだ!ふざけるな!」

そう思ったことがある人も多いでしょう。

レフェリーがそれらの行為を認識していながら、ファールを取らない理由はまさに「ファールの基準」が密接に関係しています。

具体例を出して説明します。

サッカーの競技規則では相手競技者を押した場合、ご存知の通り、直接フリーキックの反則となります。プッシングですね。

では、仮にレフェリーがプッシングの行為「全て」に反則を取っていったらどうなるでしょう。

CKのポジション争い、通常の競り合い、ボールの奪い合いに等で少しでも押したら、笛を吹いてFKなりPKなりを与えていく。

試合は1分ごとに止まり、スコアは10−9とかになる。8割が PKからの得点。

そのサッカー、面白いですか?

競技規則上ではプッシングは反則となるので、間違った判定じゃないですよね。少し引っ張ったからファール、少し押したからファールで試合を止めてFKなりPKで再開。きっと誰もそんな判定は望んでいないですよね。

なので、実際は引っ張ったり、押したり、引っかかったりしているかもしれないけど、サッカーというスポーツが安全でかつ観ている人も含め多くの人が楽しめるようにするために、同じ「引っ張る」「押す」でも、ファールになるもの、ならないものの境界線を審判が決めることになります。

これが、「ファールの基準」です。

では、ファールの基準を設定する時にどんなものが考慮されるのか、以下に一例を挙げてみます。勿論、これが全てではないですし、審判によって異なります。ファールの基準一つを取っても審判の色が出るわけです。

  • プレーの意図、フェアさ(意図的にファールをして利益を得ようとしたか、ファールをもらおうとしたプレーか)
  • ボールへチャレンジできる可能性
  • 不注意なプレーか
  • 接触と転倒の因果関係(倒れるほどの接触か)
  • 危険性(怪我をする可能性、コンタクトがある体の箇所)
  • お互いやり合っている(50:50)か、一方的なものか
  • 選手の心理、空気感、会場の空気感
  • 選手のレベル・カテゴリー
  • サッカー協会の定める基準(タフな試合を目指すなど)

などなど

色々ありますよね。この基準は試合によって変える主審もいれば、大体同じような基準の主審もいます。

例えば、PR陣で言うと、家本主審、荒木主審、佐藤主審は試合ごとにあまり変わらない感じ。(あくまでも私の主観です)西村主審、松尾主審、福島主審は試合に応じて変えている印象です。

どっちが良い・悪いではなくそういう個性だと理解しておいて下さい。

そして、何を考慮して基準を決めるかも人それぞれ。

何故か、そう。レフェリーの仕事は、「サッカーが安全で多くの人を楽しませれるような試合を具現化するために、競技規則に基づいて判定すること」だからです。それぞれの考えるサッカーの魅力に基づいて基準が決まるのです。

奥が深いですね。

それでは、ようやく次から本題です。私が考える家本主審の特徴をお伝えします。

家本主審の特徴

かつては厳格にとることで恐れられた家本主審。

ゼロックス杯での大事件や、カード乱発をするレフェリーとして10年ぐらい前までは恐れられていました。

微妙な接触もすぐに笛が吹かれ、カードが出される。選手にもよく囲まれる。昔からのサポーターでは、豊スタの鹿島戦で、家本主審の判定に激怒したバヤリッツァがフェイスガードを外して地面に叩きつけイエローを出されたりしたシーン、覚えている方もいるのではないでしょうか。

では今はどうでしょう・・・当時の面影もないですね。

家本主審の現在のスタイルを一言で簡潔に表した文言があります。

それは、彼のTwitterの自己紹介に記載されています。

『最小の笛で 最高の試合を』を目指してます。

そう、彼はどうすれば、必要最小限の介入で安全でワクワクできる楽しい試合を演出できるのかを常に考えながらやっているのです。

それゆえ、普段は多少のコンタクトは流す、アドンバンテージは積極的にとる、選手同士の揉め事・レフェリーへの文句等は極力カードを出さずに収めるんですね。

これが家本主審のスタイルです。その前提のもとvs横浜FMのレフェリングを解説していきましょう。

家本主審がどのような変遷を辿ったのか、それはこちらに詳しく記事が出ているので、気になる方は要Check!

【手記】“日本一嫌われた審判”家本政明が綴る半生 ゼロックス杯の悲劇「僕は評価と規則の奴隷」だった(家本政明)

横浜FM戦での基準

前章をお読みの方はもう家本主審のスタイルを理解していただけましたね。

この試合の基準を見ていきましょう。

この試合、名古屋ゴール裏からは、かなりレフェリングに不満の声が上がってましたね。

それは、名古屋の選手がファールされたと思ってるのに、ファールを取られないから(もしくは、判定が逆だから)かと思います。

私が飲水タイムとハーフタイムでツイートした内容が↓↓

一つ一つの判定についてあーだこーだ言っても、読んでいても大変なので、何個かプレーをピックアップします。(DAZNを片手にどうぞ)

ファールかどうかを見るときに前述の「基準」の観点、特に以下4つの観点から見ると、少しわかりやすいですよ。

  • プレーの意図、フェアさ(意図的にファールをして利益を得ようとしたか、ファールをもらおうとしたプレーか)
  • ボールへチャレンジできる可能性
  • 不注意なプレーか
  • 接触と転倒の因果関係(倒れるほどの接触か)

特に、プレーの意図に着目してください。

では、みてみましょう。

ファールの判定

  • 09:30 前田へのファール:直輝はゴールへ向かおうとしている、相手はボールに明らかにプレーしていない(引っ張り止めようとしている)
  • ​15​:30 クバのファール:クバはボールのみ見ていて、相手競技者へ注意をしていない。また、ボールへの優先権(つまり、どっちがボールをプレーする可能性が高いか)において横浜FMの選手に分がある。
  • 17:33 マテウスのファール:明らかなアフターチャージ。危険なラフプレーなので弁明の余地ないイエロー。ただし、アドバンテージ。
  • ​18:56 クバのファール:相手のハンドに見えるが、クバが押したためにバランスを崩してハンドになる。(クバのプッシングは明らかに不要なプレー、ボールへのプレーの意図がない)
  • 25:07 長澤のファール(アドバンテージ適応):ボールへのアプローチが遅く、若干アフターチャージ気味になっている。横浜からは、アフターだろ!とのコメントあるけど、マテウスのカードが出た時との違いは、勢い(危険度)が若干下がるから。

ノーファール

  • 24:44 クバPA内で転倒: PA内でのポジション争いのコンタクトはあるものの、「ボールにプレーする意図なく不用意に押したか?」という点ではグレー。
    • これが、明らかに突き飛ばした、引っ張り倒しただとファールの可能性があるけど、グレーなのでノーファール。
  • 25:37 クバPA内で転倒。これが1、2を争う際どいシーン。正直、10回以上コマ送りにしてみたものの、よくわからない。コマ送りにすると、クバが相手を交わすときに接触したクバの手で相手がバランスを崩したようにも見えるし、うーん。。。

以下観点から見てみる。

  1. 両者のボールへのプレーの可能性:クバが交わした後、DFはすぐさま反応し明らかにクバのプレーのボールとは言えない
  2. 相手DFプレーの意図:○クバをファールで止めようとした、意図が感じられない)
  3. 接触の部位と、転倒との因果関係:?(手と手の接触のように見えるが、転倒するほどの強度だったか)

明らかなファールかという点において、その根拠がない。フットボールコンタクトの範疇とも言えるので、ノーファールとしたと推測。

  • 28:40 名古屋PA内の宮原vs小池のシーン
    • ジャッジリプレイでも取り上げられてしまいましたね。17:00頃からです。解説不要ですね。え、サボるな?補足します。
  1. ボールへのプレーの可能性・意図:接触ある瞬間までは両者ともボールへプレーしようとしていた
  2. プレーの意図: 和也は相手を倒そうとしていない、小池はブロックするための接触を誘発している
  3. 接触と転倒の因果関係:接触のために倒れている。

つまり、和也はコンタクトがあったけど、ファールを意図したプレーでなく、ボールにチャレンジする意図があったし、プレーが不注意でもない。なのでノーファールなんですね。

ちなみにこのシーン、とある有名なシーンを思い出しませんか?

そう、このシーンと瓜二つですね。

話を戻すと、この試合の基準はプレー意図(ファールの意図やプレーをする意図の有無)がとても大事でした。

勿論、それが全てではないのですが、「この接触ってどういう接触なの?」という観点で見てみるとあっ、「それはNG!」「ズルい!」というプレーでない限り、ファールではなかったんですね。

何となくわかりましたか?

なぜ試合は少し荒れたのか、試合はコントロールされていなかったのか?

まず、私はコントロールされていないとは思いません。

というものの、危険なアフターチャージに対して家本さんが注意をする、警告をすると上手くマネジメントしていたからです。特に、イライラしたマテウスについてはよく話しかけていました。(イエローもらっていたこともあるし)

また、タクティカルファールへの警告も適切でした。

では、なぜ前半少し荒れたのか?

それは、ピッチ上でのレフェリングの基準を咀嚼するのに時間がかかったからです。それは紛れもない、ファールの基準が「プレーの意図」が重要になっているから。

選手やサポーターからしたら、「チャンスだったのに潰された」「接触があって痛い」という事実や感情が重視されるがちです。「引っかかった」「押された」「引っ張られた」というファクトは(選手やサポーターの主観からすると)同じはずなのに、なんで?とフラストレーションが溜まっていくわけですね。

ところが、後半になったら落ち着いたのは、選手たちも基準に慣れて気づいたのでしょう。よく「後半は基準が変わりましたか?」という質問があったのですが、基準は変わっていないが答えだと思います。そう、選手たちが基準に慣れて、噛み砕い他ので、落ち着いてプレーできる選手が増えてきたのだと思います。(後半ラストに選手同士でやり合ってましたが、負けている横浜のうまくいっていない歯痒さからでしょう)

さいごに

この試合、皆さんにはどう映りましたか?

私個人としては、J2時代の7−4の試合みたいに派手さはないものの、「過去の試合で5本の指に入るほど面白い試合」と言っても過言ではないタフで良い試合だったなという感想でした。

そしてこんなツイートをしました。

試合のタフさとレフェリングは直結します。

前半に多少荒れながらも、終始試合を通じて基準を一貫させたのは、お見事と感じています。実は、この基準が変わらないというのはとても大切なことです。

変に試合の途中に基準が変わって、変にファールを取り始めたり、ファールを流し始めたりすると、余計荒れるし、試合がブツぎれになって面白くなくなっていきます。毅然として、自分が面白いと思うサッカーを目指してレフェリングを続けれるのは家本主審だったからかなと。

さて、今回のコラムはここまでです。今回はとても難しいですね。わかりやすく書こうとしたのに、長くなるし、説明多いしで個人的には反省です。

選手にも個性があるように、レフェリーにも個性があります。

個性が融合して良い試合をたくさん見れること、そして個性を理解して、フラストレーションを捨てる人が増えればいいなと思っています。

面白い試合をどうみたら、面白いと感じられるか。

横浜FM戦は「ホームで勝てたからOK」も正解ですが、レフェリングについて理解したら、実際より多くの人が感銘を受けたりとても面白いと思える、そんな試合だったんじゃないかなと思います。

長文失礼しました。ではまた!

About The Author

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東京在住のグラサポ。平日はコンサルタント、休日はグランパスのゴール裏サポ。審判マニアも兼務。⚽️🏆🇧🇷主にグランパス関連のブラジルでの報道・レフェリー関連のツイートをします。グラサポさん、他サポの方、仲良くして下さい!😄#1 #関東グラサポ U can talk to me in 🇬🇧🇵🇹🇯🇵.
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