アジアを賭けたACL準々決勝では敗戦を喫したが、3位を賭けた試合、天皇杯、ルヴァンカップ決勝と重要な試合が3連戦で続く。全てを掴むか、全てを手放すのか、それは自分たちのパフォーマンス次第。厳しいスケジュール、バブルによる隔離生活、続出する怪我人と逆風が相次ぐ。
この試合をプレビューする。
ヴィッセル神戸の状況
- 出場停止なし
- 山口蛍、大迫勇也、小田裕太郎は負傷で離脱中
- フェルマーレンの先発復帰を予想
- ドウグラスの劇的ゴールで意気軒昂、先発を予想
ヴィッセル神戸の戦い方
ヴィッセル神戸のチームスタイル指標
データ引用元:ヴィッセル神戸 2021 チームスタイル[攻撃セットプレー] | データによってサッカーはもっと輝く
いきなりだが、チームスタイル指標を見て貰おう。パッと目を引く数値は、名古屋グランパスが苦手とする「ハイプレス」の値だ。しかし「ハイプレス」の数値が高い割りに、「フィジカルコンタクト」の数値は44、「守備→攻撃」の切り替えは47と、少しちぐはぐな印象がある。「ショートカウンター」の数値は42。奪って速攻というチームではない。
ヴィッセル神戸はカウンターのチームなのか?
ヴィッセル神戸を揶揄する言葉に、「今の神戸はカウンターのチームだから」という言葉がある。
ヴィッセル神戸は「自陣ポゼッション」が高く、名古屋グランパス同様にセンターバック間のパス交換が多い。無理に攻めず、作り直しも多いからだ。名古屋グランパスでよく見る光景。そこからサンペールがパスを貰いに来て前線に展開する。名古屋グランパスと違うのは、サンペールも、イニエスタもボールを持てる選手であるということ。
前線ではボールを奪ったら、まずイニエスタに預ける。そのひと手間が「ショートカウンター」の扱いにならない。
ドウグラスという異物
ヴィッセル神戸の中盤は、本当に選手間の距離が近い。その密集のなかでパスを多く交換しながら相手のズレを誘う。そう、昔懐かしい風間八宏監督の目指した形だ。そのためそこの網にかかると危険だ。
そもそもヴィッセル神戸はDFが1枚ゴールキーパーそばに落ちることが多かった。前川黛也はそれほど上がるキーパーではないからだ。パスを貰いに落ちる。そのためか「コンパクトネス」の数値は49と普通だ。
もう1つ、「コンパクトネス」を悪くする要素がある。それがドウグラスだ。実力から言えばドウグラスはボージャンよりも点を取る可能性は高い。しかし彼が入ると明らかに彼は攻撃に偏ってしまう。選手間の距離の近さを担保できなくなる。今季、出場機会を減らしている理由は、そこにある。
しかし点を取るのだ。特に大事なところで。それが怖いところでもあり、今日の6ポイントゲームに先発を予想した理由でもある。
グランパスの状況
- 丸山祐市が全治8ヶ月の重傷(5ヶ月目)
- 阿部浩之、米本拓司が全治2ヶ月。今季はほぼ絶望。
- 出場停止はなし
- 選手・監督・スタッフは14日間のバブル隔離生活中
- ACLで負傷退場した森下龍矢はベンチスタートと予想(中2日のセレッソ大阪戦に温存する可能性もあり)
- 前線は得点経験もあり、イメージが良さそうなヤクブ・シュヴィルツォクを予想
- マテウスも中2日連戦になるので場合によってはシャビエルと入れ替わる可能性もあり
ヴィッセル神戸対策
柿谷曜一朗がサンペールを消せ
武藤もドウグラスも、イニエスタも怖い。しかしボールが渡らなければどうということはない。
スタイル的に、木本恭生がサンペール番をするわけにはいかない。おそらく全体のバランスを見なければならないからだ。稲垣祥も水を運ぶ役割。そうなると必然的にサンペール番は柿谷曜一朗しかいない。
初瀬亮の裏を取れ
初瀬亮は攻撃的サイドバックである。
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ヒートマップでも、むしろ敵陣のほうの面積が広い。対面するであろう前田直輝、マテウスらによって裏を取れれば大きくチャンスが広がりそうだ。
吉田豊のクロスがカギ
引用元: 名古屋グランパス 2021プレビュー | 10月24日名古屋 vs 神戸 | データによってサッカーはもっと輝く
クロスからの得点の多いヴィッセル神戸だが、クロスからの失点もかなり多い。なんと全体の30%にものぼる。
ヤクブ・シュヴィルツォクが中にいれば、良いクロスを供給することで、ワンチャンスでゴールを得られる可能性もある。
最後の中2日連戦、ここが勝負どころ
苦しかったスケジュール。
怪我人も多く出た。
この中2日3連戦を乗り切れば、あとはスケジュールに余裕も出てくる。ここを乗り切れるように、僕たちの声で支えよう。
良い試合になりますように