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グランパスの変化の兆しと、ネルシーニョの修正 2022年J1リーグ第5節 柏レイソル戦マッチレビュー #grampus #reysol

こんなにも3バック相手が最初に続かんでも‥‥という本音は置いておいて、ナショナルチームの代表歴のあるキーパー達が大爆発する試合でしたね。

デルピエロは「ミスを恐れてはいけない、リスクを犯すことによって誰も真似出来ないファンタジーなプレーが生まれるんだ」と言いました。

ファンタジーなプレーが出るまで、ファンタスティックなチームになるまでの見守りを僕らが出来るように今日の試合を振り返ります。

「比較は嫉妬心を煽るだけ。雰囲気を悪くする」by:ロベルトカルロス

試合情報

名古屋グランパス・柏レイソルのスターティングメンバー
名古屋グランパス・柏レイソルのスターティングメンバー

長谷川監督としてはドウグラスを考えた中でのチアゴの起用。それの裏をかいてドウグラスの起用を控えた智将ネルシーニョ監督の采配。守備の経験値の高さのある二人で挟むことで有事にも対応出来る形を取れる最終ラインの宮原チアゴ中谷森下の配置。シンプルな受けと勝負の両立が出来る金崎の起用。5バックで縦幅を蓋をされる事の対策も兼ねてのマテウスと相馬の逆起用。

柏のマテウスの軸

試合開始直後からこっちからすると“あっちのマテウス”になるマテウス・サヴィオが柏のやりたいことを体現してたように見えた。

ドッジ、戸嶋、サヴィオの3センターをレオシルバと稲垣で見るのは不可能(2対3の数的不利)なので、相馬、マテウス(カストロ)が絞ってブロックを組む。そうすると川口、三丸が浮いてくることになる。川口、三丸の柏の両ウイングバック、特に川口にボールが入った時の名古屋のプレスの瞬間が柏の攻めのスイッチ。

相馬が川口に寄ればサヴィオは相馬の裏を、森下が川口に寄ればサヴィオは森下の裏に走るという形をとる。

柏の攻撃のスイッチ
柏の攻撃のスイッチ

2分11秒のシーンが分かりやすい。相馬の外側に立っていた川口にボールを配球した際、森下が前に出る。それを見たサヴィオはすかさず森下の裏へ、そのスペースに中谷がカバーに入る。森下は中谷のカバーを見ながら中谷が本来いるスペースへ全力で戻る。森下はボールを見ながらスペースを埋めに走っているが、中谷のスペースはレオシルバが小屋松の走り込みを見て埋めている。サヴィオから小屋松に出たボールにレオシルバと森下が釣られサヴィオの裏抜けの段階でカットインして来ていた川口にシュートチャンスが来る形を作られた。川口のカットインの動きを一番最初に認知しているのは相馬だったが見事にその姿を見送っている。

チームの守備の大枠(これは以前までのレビューで書いているので詳しい説明は割愛するが)である「内側に脱出されないように」という部分を試合開始2分で爆破され暗雲が立ち込める。

仙頭啓矢のイメージ力

前半7分40秒、名古屋がボールを回収し攻めに移る場面。レオシルバがサイドでボールを持つ。レオシルバ、宮原、チアゴ、仙頭のイメージはセンターサークルを超えた場所のスペースにボールを出して中盤3枚を動かして行きたい形。仙頭は3人に囲まれているのにもかかわらずそこに出せと要求。その場面を見返した時、仙頭啓矢の盤面把握能力に脱帽した。

レオシルバが小屋松に対して正対を誘い、宮原を匂わせる。その時点で戸嶋が宮原に寄り始める。チアゴがビルドアップの仕直しの為にポジション取りをし直すと細谷はそれが気になり重心がチアゴへ向く。空いているのは稲垣。チームの攻撃の基準「選手が走り込んで受ける形」を恐らく仙頭は想定していた。

その後のパスのコースや(森下がフリーで浮いている事)フィニッシュの形(マテウスが左にいる事。そして前線に相馬がいる事。)それまでも。俯瞰(空中)で見直してやっと気づくこのイメージに対して仙頭啓矢が主観(ピッチからの目線)で気付くのはおよそ3秒。見直せば見直すほどにこちらに気づきをくれる仙頭啓矢のイメージ力。最早恐怖まで感じる。

仙頭啓矢の攻撃イメージと周囲の動き
仙頭啓矢の攻撃イメージと周囲の動き

結局このシーンはチアゴとレオシルバが仙頭の意図と一致した事もあったが、その二人の仙頭のイメージをサポートするために使用した細かな相手を揺さぶるスキルに稲垣が引っかかってしまい実らなかったのが悔やまれるところだが、それが不可能なら直ぐにレオシルバからのパスを受けるために走り出してるのを見て判断速度に引いている自分がいた。

柏の3センター脇から攻略せよ!

前半は柏の守りは潔く撤退の形532でブロックを組んでいた。そのため3センター脇はがら空き。名古屋がボールを持つとそこまでは前進できた。

そこから名古屋が取った策は2つ。

1つは最前線から大きく弧を描いて動く事で柏のセンターバックを釣り出し、柏ウイングバックをセンターバックのカバーに行かせる。そのウイングバックの裏を縦で攻略する形。

もう一つはボールのスライドを早くすることで柏の中央の3センターのスライドを遅らせて楔をいれてサイドハーフ(マテウス、相馬)カットインさせてフィニッシュに持ち込む形。同点弾は後者から生まれた。

3センターの攻略
3センターの攻略

但し3センター脇から攻略の課題としては「外から内にパスを出す」いわゆるレーンをまたぐパスをどこかで使わなければいけない状況が多く、そのアングル(角度)をつけたパスが「リスク」としてプレーしてきていた選手の方が多い状況ではその思考をリセットするまで厳しい時間が続きそうだ。

何回もトライ&エラーをするしかない。これは昨シーズンまでいた選手達共通の課題だろう。

柏の修正に苦労するターン

柏も黙ってはいない。大きな変化は3つ。3センターのスライドを破壊するために良い所で顔を出す仙頭にまずは照準を定める。明らかに仙頭が降りて来たときのプレッシャーがきつくなる。そして後半は露骨に小屋松が一列下がり、541にして前述した相馬、森下を悩ませたサヴィオ軸の攻め方を再三行なってくる。

そしてボールを保持しているときはサヴィオと小屋松を2シャドーのような形にして稲垣とレオシルバの裏でボールを受けさせる。

後半ネルシーニョが施した修正
後半ネルシーニョが施した修正

前半から爆速で飛ばした森下は後半明らかにガソリンが切れていたこともありきつい状況に。(配分大事)

交代枠も使いなんとかこじ開けようとしたが前半より硬くなっている541のブロックに数をかければかけるほどこちらも殴られるピンチに。

選手の使い方

余談にはなるが、選手の交代の仕方は理にかなっていた。広島戦のレビューで「相手の壁に突っ込む癖のある甲田とボールの受け待ちをする柿谷で崩しきれなかった」という旨の分析をしたが今回は阿部との併用。「相手の意図を汲み取りそれを逆手に利用するのが上手い選手」と組み合わせたのは長谷川監督、大島コーチが試合を経験値として活かしてるのが見て取れる。

今後の試合でのデータを反映した選手の組合せには注目だ。

試合後感想

練習見学などで観る「本来やりたいこと」にそもそも進み始めた段階なんだな!という印象。(体感、今日で全体の10%程の完成度)

新しい事を始めるために選手個人のプレーミクロ(技術、思考)など、既存の選手の凝り固まった思考や癖を解きつつ、新しく入った選手のエッセンスを取り入れようとしているのは感じられる。(ピッチでの選手の声掛けやチームの枠組みにおいて)

失点も普段はそこまでレーンを跨いでパスを出すことの少ない相馬が、仙頭に頑張ってサーチしていれたパス(リスクを冒した)が柏のプレッシャーに引っかかってしまった。あの場面のパス強度やタイミングの擦り合わせをするために試合をしている状態だなと。

あの後のチアゴのチームをカバーするために小屋松を止めに行くプレーは最善だったし、細谷のシュートがあっぱれ。そもそも森下や中谷が全力背走しても追いつかないレベルで裏を取られていたのでSNSで散見された「特定の選手の足が遅いから問題に直結した」という事はないと思う。

それよりも試合全体を通して浮いた柏の2列目に楔が入る時の「前の対応」が出来る「チアゴの勇気と技術」に注目すべきだと感じた。

最後に

「発展途上のチーム」のフットボールはフットボールのサンプルが多い人でもネガティブな印象が多くつく。それは、「着地点」や「本来の目的となる成功体験」がピッチで分かりづらいから。そんな中でも今シーズンの名古屋グランパスは本当にたくさん練習見学を開催し、やりたいことを見せてくれる。練習を観に行くと「どういう事がしたいのか」「何を仕込んでいるのか?」そのほとんどを観ているサポーターにも分かるぐらいかみ砕いて言語化しているコーチ、監督の姿がある。

ファンクラブレギュラーでも何名かは最近の練習見学は参加が出来ているそうなのでインサイドグランパスだけでなくコーチングや選手の声を聴きに三好が丘へ行くチャレンジをして見てはどうだろうか?

着実に次に進んでいるチームに感謝。

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