侍「どうも侍です」
記者「どうも記者です」
侍「完敗であった」
記「思わず乾杯したくもなります」
侍「切るぞこの野郎!」
記「ヒエッ」
侍「……などと他人に八つ当たりをしたくもなる試合だったが、そんなことをしても仕方ない」
記「ふ、振り返っていきましょう」
侍「まず言っておかねばならぬ。リカルド・ロドリゲス浦和はグランパスをかなり研究してきていた。クラブワーストの10戦勝ちなしは許されないなかで、3週間という準備時間があった。研究する余地があった」
記「具体的にはどのあたりだったでしょうか」
侍「最近のグランパスの攻め筋、ボールサイドのセンターバック(丸山・藤井・中谷:以下CB)→ウィングバック(森下・相馬:以下WB)→セントラルMF(仙頭・レオ・稲垣:以下CMF)→CBのボール回しを阻害していた」
記「WBに出されるボールはかなり見張られていた印象です」
侍「そして浦和の攻撃では、レオ・シルバの脇&藤井とレオ・シルバの間のスペースを使っていこう! というのは明確であった」
記「江坂が嫌らしい位置取りをしていました」
侍「とは言え、失点自体はグランパス目線ではかなりどうしようもないものばかりだった」
記「それ決まっちゃうの……て失点ばかりでしたね」
侍「それぞれ本当にどうしようもなかったのだが、ただ、前半ではあれだけボールを持たれて攻め込まれていたので、時間の問題だったのだろう」
記「プレスがはまらなかったですし」
侍「特にグランパス左サイド側だな。石田とカストロが前プレにいって、連動して仙頭がプレスに出ていくんだけど、どうしても仙頭のプレスがちょっと遅れる」
記「これは最近ずっとの目に見える問題点なので改善してほしいですね」
侍「攻守に様々なタスクを担っている仙頭だけに、『これ以上』はなかなか難しいかもしれないが」
記「浦和の岩尾がやたらフリーになっていたのは気になりました」
侍「立ち位置的には石田がそこをチェックする役割だったと思われるのだが、できてなかったな」
記「酒井やムーとの差を、少々残念ながら感じさせられてしまいましたね」
侍「あと、若手選手たちのメンタルコントロールは目についたな」
記「2失点目以降、藤井や森下といった若手選手達がテレビカメラ越しでもわかるくらい動揺していました」
侍「前半で2点以上のリードを許すって、なかなか無い経験だ。動揺するのはわかるが、動揺が集中力の欠如に繋がってはいけない」
記「石田は前半途中で交代させられてしまいました」
侍「長谷川健太監督としては我慢の限界だったんだろうな。守備での貢献できなさ、ビルドアップ時の貢献できなさ、どちらを気にしたのかはわからないが、どちらでも貢献できていなかったし。一回のミスで二度と使って貰えないということはないはずだから、次のチャンスまでに今日出た課題を解消して欲しい。」
記「そんなこんなで前半が終わりました」
侍「後半からはけっこう盛り返したんだが、残念ながらゴールには結びつかなかった。3点リードの先方がちょっとペースを落としたこともあったと思われる」
記「けっこう惜しいシーンもあったのですが」
侍「そこは勝敗のアヤだ。例えば試合初めての決定機はグランパス(カストロのクロス→稲垣のシュート)だったわけで」
記「不確定要素の海を泳ぎつつ、ゴールという結果を手繰り寄せた方が有利になるのがサッカーですもんね」
侍「今日のグランパスは負けたが、間違いなく運もなかった。3-0で負けるほどの内容差があったとは思えぬ」
記「幸運の天秤を味方につけたのは浦和でした」
侍「ただ、運・不運以外にも色々とやれることはあったはずだ。長谷川健太監督は一部を除いて主力選手を交代させなかった」
記「どういうことでしょう」
侍「試合を通じて、意識のすり合わせや改善点を主力選手達に共有してほしかったのではないか。推測だが」
記「この試合ではハーフタイムでの修正を経て後半に盛り返しましたが、願わくは前半途中から選手主導で修正できるような、そんな強いチームになってほしいですね」
この試合の良かったところ
- あんまない。強いて言えば内田がそれなりにソツなくやってたくらい
- そんな試合のアウェー現地で選手を鼓舞したグランパスファミリーの皆さんには本当に頭が下がります
この試合の(´ε`;)ウーン…
- 難しい。そこまで致命的な欠点があったはずではないけど、失点してしまった原因をチームでよく分析してほしい
- 2-0以降のカストロが「自分がなんとかするんだ!」モードに突入し、むしろボールをロストしていたこと(周りが助けてあげようよ……)
- 相手の大久保にやられて縮こまったプレーを強いられた相馬(グランパス「大久保」という名字の選手にやられ過ぎ問題)
- 森下も藤井もいくらなんでも動揺し過ぎ(気持ちはわかるけどさ……)
最後に
侍「負ける時はこんなもんだ」
記「ただ前半で3-0はメンタルにキますよ」
侍「前半のうちから『負けるかもしれない確率』を意識させられるのはしんどいが、負けたらどういう負けでもだいたい一緒だ」
記「まあ、それは、確かに」
侍「チームは前を向いて進んでいる。拙者たちもクヨクヨし過ぎず応援しようではないか」
記「おあとがよろしいようで」
侍「それではまた次の記事でお会いいたそう……御免!」
忍「負け試合はコストカット侍さんが語るので楽だなあ」
侍「ああん?誰かいたか?」
忍「……」
侍「気のせいか……」