「湘南」と聞くだけで身体が痒くなる人がいるぐらいに相性が悪いイメージがある湘南ベルマーレ。今回もそれを感じる90分でした。
今回の試合は大局が良くなかったので印象が悪い人が多いと思いますが、皆さんの目にはどう映ったでしょうか?
瞬間瞬間のいい所にも目を向けながら振り返って行こうと思います。
試合情報
森下が累積で出場停止、体調不良の藤井の代わりにチアゴが入り、宮原、吉田(豊)がベンチに復帰となった。
塞がれる要
名古屋はレオシルバが湘南の選手4枚に囲まれる展開に苦労した。基本的にはレオを2枚で挟む形(名古屋も良くとる形)に加えて一列後ろの選手もかなり内側へ絞ってレオを4人で形成する四角形の中に閉じ込める形を取った。守備はこのボックスから人やボールへ!という形だったので名古屋としてはボールを動かしてもレオシルバが空きにくい状況となってしまった。また、湘南がプレスに行くときは前線の一列裏(池田、茨田)がプレスに行くことでレオシルバを監視したまま名古屋の最終ラインへのプレスが行なわれた。
内側に立っているのは相馬の内側への剥がしの抑制にもなっており、ビルドアップの際に手前で相馬がもらうと縦には石原、横には池田というどっちにも壁がある状態が出来上がっていた。
左右からこじ開ける
レオを封じられて名古屋も黙ってた訳ではなかった。湘南の守り方に対して名古屋は左サイドで仙頭が池田の脇まで降りてきて相馬を押し上げて相馬で石原を張り付けて池田の対応によって仙頭がプレー選択を考える形。(レオを使うのかスペースにボールをいれるのか?など)を見せる。
一方右では、マテウスのいつもの役割(マテウスが稲垣の裏まで降りてきて稲垣をフリーにして前進刺せる形。)で稲垣を前へ送る形を取ったり、内田が内側へ入り、中谷が大外を駆け上がって逆へ展開するような内田、中谷、稲垣、マテウスがポジションを循環しながら攻めていくようなシーンも見られた。(前半27分から29分にかけての攻撃のシーン)
内田、中谷、マテウスが稲垣の本来のポジションに入り稲垣を攻撃参加させる形は前半から何度かみられた。
(その形になってもチャレンジするパスが無かったり、湘南のプレッシャーに気圧されてやり直す事が多かったので印象に残りにくいが、映像としてはキチンと前半から崩しの形を取る選手の姿が確認できる。)
左右の形が上手くいくときに共通して見られたのがHV(中谷、丸山)がレオの横まで持ち上がる瞬間だった。中谷と丸山が持ち上がることで茨田、池田に守備の選択肢を迫る。ウイングバックが高い位置を取れれば、下がった選手や位置を変えた選手に意味が出てくる。
後半は中谷や丸山が高い位置へボールを持ち上がって行くことも増えてこの形が攻めの場面で多く見られたが、前半は湘南のプレスに印象付けされてしまったのかプレスが来ない場面でもボールの持ち上がりが見られずにウイングバックがサポートに降りてきてそこを狙われる場面が目立っていた。
名古屋の左右の攻めの形を止めたのは田中と館といっても過言ではない。仙頭や稲垣、マテウスの配置のズレに対応する2人の走力とプレー予測に苦労した。
名古屋の守り
名古屋はアンカーを2トップのどちらかが見ながら片方がボールの動きを制限していく形を取る。その際、湘南の最終ラインの持ち上がりに苦労した。仙頭や稲垣の前までボールを持ちあがり名古屋の選手に守備二択を迫る。前述した名古屋が前半やれていなかったボールの持ち上がりにより数的優位を作って守備で選択肢を迫るのが印象的だった。
名古屋のセンターがブロックを組んでもその裏で町野、茨田、池田、瀬川らに楔を無理矢理打ち込んで「なんとかしてくれ!」が脅威にもなった
試合後感想
逆への展開から縦で勝負!を見せて湘南がズレてくる瞬間は多々あったので「後は出して合わせるだけ!」
稲垣をフリーにさせるための約束を右は作ってる以上、最終ラインが低いとウイングバックが降りてこざるを得ない展開になった。
内田は4回ほど「これカウンターされたら終わるなあ。」という場面で綺麗にボールを取るのが印象的だった。崩しの場面のパスでもクロスでもいい意味で素直じゃない球がでるのはエロかった。31分の決定機につながるパスミスは気にする人もいるだろうが、そもそも湘南のプレスの誘導にまんまと引っかかって内田にパスを出した時点で彼は絶望的だった。
内田も良かったが吉田がいてよかったと思えた試合。FC岐阜との練習試合でのクラブから出された写真にのっていなかったので、ほぼスクランブルでの出場だったと思うが、良く対応してくれた。
チアゴは組み立てではプレッシングに苦しむ場面も見られたがストッパーとしては最高の高さと守備範囲を見せてくれた。サンキューチアゴ
おかえり和也
疲労が取れてなさそうな選手がちらほら。
最後に
リリースはないが「出られない選手」がいてそれによってチーム状態がかつかつなのは事実。そんな中で頑張る選手たちにエールを。