はじめに
天皇杯4回戦のセレッソ大阪戦で貴田遼河選手がデビューを果たしました。
高校2年生、16歳の選手のデビュー戦で感じたことを書かせて頂きます。
現地や配信を見られなかった方にも、彼の勇姿をお届けできれば幸いです。
多くの名古屋サポが期待し、より期待が膨らんだプレーについて紹介します。
試合前
ウォーミングアップのパートナーは清水戦に続き阿部選手でした。
一度クラブを離れてしまいますが、キャリアの中で多くのタイトルを獲得した阿部選手から学ぶことは多かったでしょう。
当然緊張もあったでしょうし、シュート練習では先輩たちに譲る場面が多かったのですが
パワーシュート、コントロールシュートと綺麗に打ち分けて試合準備に臨んでいました。
試合内容
大前提として、阿部選手をはじめとした周りの選手たちが貴田選手がやりやすいように
多くの配慮をしてプレーをしてくれていました。
本人もそれを感じていたようですし、まずはチームメイトに感謝です。
デビュー戦ではありますが、やるべきことをしっかりとやったと思います。
今の自分にできることを全力でやる。
当たり前のことですが、そのようなプレーは観る人の心を燃え上がらせるものです。
キックオフ直後はプロのスピード感に戸惑っている様子でしたが、徐々に適応していったのはさすがです。
守備もサボらず、自陣深くにカバーに入る場面もありした。
当初から90分は出場しない予定だったからこそ、あの強度でのプレーだったのでしょうが。
最近の名古屋の課題として、フリーの選手がボールを受ける準備が出来ていないように感じます。
その中でも、貴田選手は常にボールを受けるために何度も動き直していました。
合わないシーンの方が圧倒的に多かったですが、その姿勢を59分間続けたことは評価したいと思います。
後半になると相手を背負って時間を作ること、ファールをもらってセットプレーの機会を得ることもできるようになってきました。
公式記録ではシュート0本に終わりましたが、怪我人や移籍、コロナなどの事情で突貫工事でのメンバー構成で、特に決定的なパスが来ることもなく、仕方なかったのかと思います。
レオシルバのゴールかと思いきや、オフサイドの判定になったシーンは貴田がニアに1枚DFを引き連れ、藤井陽也をフリーにさせて素晴らしいヘディングシュートのお膳立てをしていました。
万能型ストライカーであり、活かすも活かされるも、どちらの役割を担うこともできるので、もう一枚のストライカーと組ませると面白そうですね。
今後の展望
そもそも、高校2年生の2種登録選手にゴールを期待するチーム事情がいかがなものかと思いますし、安くない年俸を貰っているプロの選手たちにはもっと奮起して頂きたいです。
そんな中で、貴田選手は今回のプロデビューによってJ1レベルとの差や自分の課題が見えたと思います。
ユースでも怪我から復帰してそんなに時間が経っていないうえに、まだまだ若いのでまずは体作りからでしょう。
ユースはこれから連覇を目指して夏の全国大会に臨みます。
トップで得た課題を全国の舞台で自身の成長に、チームの栄光に繋げてもらいたいです。
最後に
貴田遼河選手の才能の片鱗はサポーターに見せることができたと思います。
16歳でのデビューは順風満帆に見えますが、幼い頃に白血病を患うなど、決してすべてがうまくいってきたわけではありません。
貴田選手のサッカーに対する愛情と情熱、家族のサポートがあったからこそ、この日のデビューに繋がったのでしょう。
中学年代では多摩FCという街クラブでプレーしていました。全日本ユース得点王を獲得したのは、衝撃的な印象を受けました。
多くのJユースからオファーを受ける中で最終的に名古屋への加入を決めてくれました。
スカウトしてきたのは、名古屋のバンディエラ中村直志。
彼が連れてきてくれた選手が名古屋を救う、まるでドラマみたいですね。
名古屋だけでなく、日本サッカー界の宝です。
クラブにはしっかりと育てる義務があります。