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神戸の仕掛けた名古屋封じの仕組みと後半の改善 2023年J1リーグ第11節 ヴィッセル神戸戦マッチレビュー #grampus

4万人の観衆の前で劇的な同点弾。

今までの引き分けはリードから追いつかれた引き分けだった。

ここで追いつかれての引き分けは「自分たちの自信が揺らぐ引き分け」になりかねなかった中で「追いついた引き分け」というのは大いに意味のある試合だったのではないだろうか?

しかしながら終始難しい展開となった神戸戦。さっそく振り返っていこう。

試合情報

名古屋グランパス・ヴィッセル神戸のスターティングメンバー・ベンチ
名古屋グランパス・ヴィッセル神戸のスターティングメンバー・ベンチ

前節の勢いのままに…?

マリノス戦とはうって変わって中々ハメに行けない展開が続く。マリノスと神戸の大きな違いは大外へのボール供給の頻度にあった。

キャスパーが斎藤をチェックしながらマテウスと永井で壁を作るも、壁の外に立つ酒井と初瀬を使いながら前線の守備の壁を悠々と抜けてゆく。名古屋側としては「壁の外へ回されるならその場所を取り所にしよう!」としたい所だったが、その目論見を阻んだのは酒井(高)と武藤の存在だった。

武藤が大外に立つことで内田を押し下げる。それにより酒井(高)が自由にボールを受ける場所を作る。米本は酒井(高)と山口の2択を守備で迫られる状況に。

井出が稲垣の周りでボールを受けるような動きをしている事もあり、米本がボールを奪いに行った後のサポ―トもかなり難しく、中盤でのニュートラル状況のボールを回収に入る事が厳しい状況となっていた。

外された名古屋の守備の枠組み
外された名古屋の守備の枠組み

中盤の数的不利を利用される状況下で今まで名古屋はマテウスor永井を引かせて構えるという形を取ってきたがこの試合では徹底してマテウスと永井が早くは下がらないことを選択した。この選択が前半終始苦しくなる原因となった。

この構えない行為は酒井とキャスパーの違いが原因ではないように感じた。

名古屋のアクション封じ

前線が下がらない事に加えて、大迫の存在も名古屋の中盤を苦しめる原因となった。

中谷や藤井に対しての対人戦でかなり優位をとっていたこともあり、個人でのプレーの選択肢の部分での駆け引きが名古屋の中盤がボールに対してチャレンジに行き辛い状況を作っていた。

大迫の“前”を使うのか“後”を使うのか?大迫の“上”なのか“下”なのか?大迫だけで選択肢が異常な数存在しており、名古屋の選手の守備のアクションに併せて大迫がリアクション(その時に優位なアクション)を取るので名古屋の選手達は一層守備で自分たちから動きづらい状況となった。

大迫が迫る複数の選択肢
大迫が迫る複数の選択肢

大迫の動きや選択肢の多さだけなら名古屋の選手もなんとかなったかもしれないが、攻撃でも武藤の存在がかなり効いていた。大迫のプレーの選択肢に対して必ず“どれかのプレー選択のサポートに入る動き”を徹底しており、名古屋の選手達の動きよりも早いプレーの連動をされたシーンが多く見られた。

ボール進行の難しさと改善

前半はまるで11人ピッチに人がいるのか?と疑いたくなるようなボールの回し方となってしまった。後半との対比を見てみるとなぜそのように見えたのか?が分かりやすい。

前半の神戸の守り方は名古屋のセンターを囲んで中央を締める。名古屋はセンターが囲まれた時にいち早く最終ラインからボールを引き出そうと動くのは米本で、米本が囲まれてる場所から離れて受けようとする動きを試みる。しかし、神戸は中央を囲んでサイドからの進行へ誘導して、その進行に使う道(レーン)やパスコースに人を立てる形を取っていた事やウイングバックが高い位置で受ける名古屋の形も相まってか神戸のブロックの外で尚且つ高い位置で受ける事が出来ない状況が続いた。

そうなると米本がブロックから逃げてボールを受けられる場所は“最終ラインと同じ位置”となり、出し手が最終ラインに渋滞する事になった。

この試合、名古屋のプレーメーカー・米本拓司が機能しなかった理由
この試合、名古屋のプレーメーカー・米本拓司が機能しなかった理由

米本が下がった段階で前線とのボールのつなぎ役はウイングバックかセンターに残る稲垣となったが、ウイングバックがブロックの外から中へボールを打ち込む選手が稲垣しかおらず中へボールを動かすことは出来ない。稲垣は米本がブロックの外へ捌けた段階で神戸のブロックにロックオンされており前線のサポートか後ろから人を足さない限り(藤井や中谷、野上がブロック中へ運んでくれる)つなぐ事が難しくどうしようもなかった。

前半は特に前線の選手達がブロックの中で受けるのを嫌がったのか、はたまた米本という出し手が近くにいないのを気にしてなのか中盤まで降りてくる瞬間が少なく、名古屋の進行の鉄板であった「落として、前を向いて出す」が鳴りを潜めていた。

後半、長澤と酒井、和泉を投入してから風向きが急に変わり始める。

まずは酒井が徹底して外側の裏を取る事で神戸の外側と最終ラインの選手を引っ張る。相違すると前半に苦しかった米本が中々立てなかったブロックの外側の位置に稲垣が立てるようになった。ブロックの外に立てるようになると当然守備側の選手は外へ外へと広がって行く。

そして和泉が後ろのサポート役になり内田よりもスタートが低い位置で始める事で神戸の選手はブロックを作るよりもゴール方向にボールを通される選手の方を警戒する。そうすると前半キッチリ固められていた中央のブロックがすこしずつゆるんでいった。後半やたら長澤にボールが入り長澤がボールを配球し続けた印象が強い理由はここにあった。

交代した3人によって起きた変化
交代した3人によって起きた変化

試合雑感

  • 出し所がなくなった時、受け手は「出し手任せ」、出し手は「相手を動かす為にボールを動かそうとしない」が前半はかなり顕著に出ていた。11人でやるスポーツに見えない瞬間があるのが少し心配。みな平等に大変な状況になれるように。
  • 前半ボールの進行が難しかった時の内田と森下の仕掛けは助かった。
  • キャスパーホーム初ゴールおめでとう
  • 大迫の競り負けても負け方まで上手い。みたいなプレーで中谷すらやられてしまうのか。というのに素直に現地でみて驚いた。
  • どうしようも上手くいかない日は必ずある。引き分けに持ち込める根性がついた事はポジティブ。

さいごに

ガンバ戦、なんとかお天気が持ちそうな雰囲気になりました。

また今日のような声援が夜に響く事を願って。

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