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背番号10から「つむぐ」もの 天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会ラウンド16 浦和レッズ戦マッチレビュー #grampus #urawareds

アーティストやエンジン、マエストロ、マジシャンといった“二つ名”が特徴のある選手に付く事があるが、10番を背負ったブラジル人“魔法使い”の名古屋での物語が幕を閉じた。

話の終わりは新しい話の始まり。送り出す彼の背中を押すかのような内容の試合。

僕らはもう「ドラえもんが居なくてもジャイアンに勝てる」

試合情報

名古屋グランパス・浦和レッズのスターティングメンバー・ベンチ
名古屋グランパス・浦和レッズのスターティングメンバー・ベンチ

準備の質

試合開始直後から浦和が作る選手同士の関係性で目を引いたのは関根、興梠、安居の立ち位置。

関根は藤井の前に立つような立ち位置を取り、安居も興梠より前にいる事が多かった。関根が内側に立つ意味は明らかで、興梠が受けた後のボールの逃げ道として荻原を浮かせる為だった。試合が始まり関根の立ち位置の対応に悩んだ野上の外を使われるシーンがあった。

興梠が受けて逃げられるゾーンを消すために野上とマテウスが縦関係を造り、浦和のボールを逃がされるルートを遮断する。そして配球係となる岩尾には酒井が張りつく選択肢をとった。

浦和が先に仕掛けた手札に名古屋が対応する展開となる中で、岩尾と後ろ向きにボールを受けてからの逃げ道が消されたことによる浦和の次の一手は右SBの酒井の立ち位置だった。

岩尾と同じ高さに立ち、内側に立つことで自分からの配球を匂わせる。この場面、永井が前にプレッシャーに行きたいところだが、森下は大久保の対応をさせられており、永井の裏には安居と伊藤が待つ。永井がプレスに行くと内田から順番に森下、河面と数的不利が連動する形となってしまう。

しかし、浦和の形に先に名古屋の右サイドが対応したのが功を奏した。

野上とマテウスがポストプレーのボールの逃げ先を消すために高い位置を取っている事で永井が自然とプレスに行き辛い状況となった。(永井が行くと両サイド高い位置を取ってしまう為)

しかし、永井がプレスに行かないことで中盤が密集化され、内田や森下のアプローチに対して永井がフォローに戻れる形となり、浦和は「誰かに預ける」選択肢を取りづらくなった。

名古屋の右サイドの対応と、左サイドのスペースの埋め方
名古屋の右サイドの対応と、左サイドのスペースの埋め方

この歪な右肩あがりのような構え方はマテウスのラストダンスに対してもポジティブな効果を産む。

右サイドに縦に大きく空いているスペース。そこには対面する荻原1人。前半はその場所を舞うマテウスという構造が出来上がっていた。

プレーが右サイドで止まると、マテウスを止める為に浦和の選手が密集する。

この構造は整理された密集では無いので、密集を脱出さえすればどこかに穴が空いている状況だった。

編注:風間八宏が言いたいのはこういうことだったんだろう、と想像させられる

名古屋の守り方に対して長いボールを選択する浦和は、球が前線に入らなかった時の中央の薄さに苦労していた。名古屋は構えているので長いボールを跳ね返された時の中央の枚数が明らかに厚い。長いボールを回収された後の2列目のプレッシャーの掛け方も遅かった為に長いボール回収から早攻めが名古屋はし易かった。

会場で見てると前半で交代となった永井に対して横から「永井、消えてたもんな」という声が飛んでいたが消えていた訳でなく大仕事をこなしていたのだ。守備時の立ち位置から内田のカバーリング、森下のアクションに対する動きやフォローといった点で120点だった。

このタスクだったからこそ後半から永井→和泉の交代が可能となった。

後半:シチュエーションの数を増やす

後半に入って浦和は(いつも通りの形に近い)サイドバックを無理矢理高い位置に上げて2列目より前の選手が中央へ顔を出しに来る形へ変える。中央の顔出しと入れ替わるように外に流れるのは伊藤。

「誰もいない所から人が入ってくる形」を作って名古屋をずらそうとした。

浦和側立ち位置の変化
浦和側立ち位置の変化

興梠だけだったボールを触りに来る選手の数が増える事でシチュエーションの数を増やした。構えられたらサイドバックからホセカンテめがけて蹴り込む最終手段も持ちながら時間を使う。キャスパーが入る73分頃までは浦和に傾く時間帯が続いた。

キャスパー・ユンカーとマテウス・カストロのハグ
キャスパー・ユンカーとマテウス・カストロのハグ

キャスパーの一撃の直前にはもう浦和も足が止まっている状況だったので後の部分は割愛するが、1つ気になった事があった。

キャスパーの一撃の直前にある和泉に楔が入るシーンや、前半内田が中央で受けるシーン。以前までならそこにボールが出なかった場面でもボールが出るようになった。そこにある変化は何なのか?

内田と米本の“2人”が中盤の戦線に入った事で、ボールが中央から出る「シチュエーション」が増えたのではないかと考える。選手達の引き出しに「シチュエーション」の数が増える事で選手達の「眼」が変わったように感じた。

この選手達の「眼」の変化は脱スペシャルワン(=マテウス・カストロ)に向けた大きな一歩に感じた。マテウスと歩んだ物語の終わりの始まりが後半は続いていた。

試合雑感

  • マテウスや和泉、キャスパーに目が行きがちだが、個人的MOMは野上、酒井、河面の3人。酒井の受け方、河面の安定感、野上の上下動と内側のレーンに侵入する動き。素晴らしかった。
  • プレスのスイッチを入れていたのは内田と酒井の岩尾へのマークの受け渡し。この受け渡しは簡単にやっているようでも、シームレスにやった上で意味を持たせるのはかなり難しい。夏休みの子ども達に見てほしいポイント。
  • 「ありがとうマテウス、さよならマテウス」からスタートして「仕上げは和泉」。岡田健太郎アナウンサー、僕らの心に残る言葉をありがとうございました。
サポーターの集うゴール裏に向かうマテウス・カストロ
サポーターの集うゴール裏に向かうマテウス・カストロ

さいごに

名古屋の10番が置いていくものを“紡ぐ”

次はいよいよ5万人の国立。

名古屋の勝利のため 皆声を一つに 今こそ闘おう

今はさようなら、マテウス
今はさようなら、マテウス

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