忍者「どうも忍者です」
記者「どうも記者です」
忍「引き分けでござった」
記「勝てませんでした」
忍「しかしカップ戦のホーム&アウェー方式の1試合目、この試合に勝てなかったことの意味はそんなに重たくはないわけで」
記「順番に振り返っていきましょう」
忍「まず、この試合のグランパス、この前のJ1横浜FC戦を早速反省したのか、守備ではそこまで引かずになるべく中盤で奪おう! という姿勢が見られたでござるな」
記「例によって鹿島の2CMFを中島とツカサで消していこうという感じでした」
忍「グランパスWBの裏を使いたい鹿島としては、なかなかロングボール一発でそこを突くと言うのも難しい関係で、CMFを消されるとけっこう辛いわけなのだが、それならそれで鈴木UMAに預ければええやん! という感じで」
記「今日の鈴木はなんだか凄かったですよね。ピッチのどこにでも顔を出して、攻撃ではボールの逃げ道に、守備ではいて欲しいとこに下がってクリアしたりと、そこまで利他的に振舞えるんかい! と」
忍「鹿島としては、リスクを負って敢えてビルドアップで崩していくよりも、リスクを負わないボール保持から鈴木に預けてしまえばいい、預けられなくてもカウンターさえくらわなければいい、というゲームプランなのは明らかでござった」
記「アウェーゴール方式が撤廃された関係で、単純に『一試合目はまず失点しない・負けないことが重要』という両チームの認識がピッチ上に表れていましたよね」
忍「グランパスとしても、守備でドン引きしないようにして、良い感じにカウンターで攻められた時以外は攻撃時にあまり人数をかけないという気配で、前半はお互いの思惑がかみ合った内容・結果でござった」
記「好意的に言えば、カップ戦の緊張感というものが濃密に漂っていました」
忍「そうして、お互いにリスクを嫌ったまま前半は終了」
記「後半はどうだったでしょう」
忍「グランパスが永井に替えてユンカーを投入したことで、『チームのために死ぬ係』の選手がピッチからいなくなった」
記「日曜に向けての永井の温存という意味も含めて、けっこう長谷川健太監督の勝負采配だったような気がしました」
忍「それでピッチ上の流れが変わるかと思いきや、大して変わらず、今日はお互い計画的な塩漬けかな? という雰囲気が漂いそうな局面でのグランパスの失点でござった」
記「なんだったんですかね、あの失点」
忍「まず『ハンド疑惑』で選手ほぼ全員が一瞬足を止めたこと、鹿島の鈴木への展開が早かったこと、そしてSHが中に入ってきてフィニッシュに絡むという鹿島の狙い全部がまあ絡み合ってしまって」
記「河面の寄せもちょっと甘かったような」
忍「まずPKを避けるという意味で、甘いとは思わなかったでござる。もちろん理想としては、というのはあれども」
記「そうして試合が動き始めました」
忍「グランパスも直ちに前田を投入して攻勢を強めた」
記「前田のボールの引き出し方が良かったというのもありますし、両WBが高い位置を取り始める等、追い付きたいグランパスがどんどん前がかりに」
忍「当然、後ろは手薄になるのでボールを取られたらけっこう危なくなりそうなカウンターを喰らったりもしていたでござるが、その展開はグランパスに味方した」
記「そうなんですか?」
忍「うむ。逃げ切れば良い鹿島としては、自分達でボールを持って、文字通りの『鹿島る』をやれば良かったのでござるが、グランパスの後ろが手薄でカウンターで攻められるもんだから、ボールを奪ったら縦に早く攻め切っちゃおうという感じになり」
記「確かに終了間際を除いてそこまではゲームをスローダウンさせようとはしていなかったですよね」
忍「結果として、攻めてきた鹿島からボールを奪えさえすれば、グランパスもカウンターで攻め返せてしまった。お互いの攻撃がいったりきたりの所謂『オープンな展開』で」
記「グランパス側がその流れで失点するリスクはありながらも、追い付きたい側としてはオープンな展開になるのは好都合ですよね。鹿島もDF陣が堅いので」
忍「うむ。そうして久保の同点ゴールとなった」
記「良いゴールでしたねえ、あれは」
忍「御託はいらない、公式リプレーを見てくれ!でござる」
記「ですです」
この試合の良かったところ
- 久保ありがとうじろう、待望の「ゲームチェンジャー」となるか
- 横浜FC戦でも見られた、右サイドを敢えて空けて稲垣藤井を上げさせるアタックには可能性を感じましたね
- 前田とユンカーから迸っていた良い意味での「俺が俺が」感
- 皆のために走って死んでくれた永井
この試合の(´ε`;)ウーン…
- 遅攻から最後どう相手DFラインをブレイクすんねん!問題はなかなか解決せず
- 苦しい状況からビルドアップしようとする時に内田が露骨に狙われているのを何とか守ってあげる仕組みが欲しい
- 攻撃が結局FWに当てて収めてもらってからスタートという感じなので、であればそこの受け手と出し手の連携をもっと強化していただきたく
- なかなか中島を勝負させられなかったこと
最後に
忍「引き分けとなったことで、あとはシンプルに『二戦目に勝てば勝ちあがり』となったでござる」
記「シンプルでいいですねえ」
忍「二戦目もきっと緊迫した好ゲームになると予想されるが、そこで何らかの仕込みがさく裂して一方的な展開になったりするのもサッカー」
記「こわあ」
忍「両チームの分析官が、情報の取捨選択と、短い練習日程の中でチームに何を植え付けるのかをきっと睡眠時間削って頑張って考えているに違いない」
記「対策して対策され、対策の対策に対策してそして……終わりはないですもんね」
忍「そして我々ファンはそれを見て、すごーいと楽しむわけで」
記「願わくはグランパスが良い感じに鹿島をハメ殺しますように」
忍「おあとがよろしいようで」
記「それではまた次の記事でお会いいたしましょう」
忍「ニンニン」