2024/11/16土曜日。何の変哲もない、いつも通りの週末の朝。しかし私はとある文章を読んでしまい、2週間前の輝かしいあの空間へと舞い戻されてしまったのでした。
【2024.ルヴァンカップ決勝 観戦記】共に闘った一日の記録|ソウソウ
昨年まで勤めていたサッカークラブで、私が入社して直ぐに貰った言葉。
“私たちの仕事で報われるのは、勝利のその瞬間だけ。喜んでいいのも、その時間だけ。”
3年前の2021JリーグYBCルヴァンカップ決勝。あの時は正しくその「瞬間」であったはずなのに、私がその時に感じたのは、当時世の中を席巻していた感染症への恨みだけでした。待ち望んでいたタイトル獲得の高揚感とは裏腹に、目に映るスタジアムの空席に、やるせなさを感じざるを得なかったのでした。
だからこそ、2週間前の決勝後に稲垣祥選手が口にした言葉によって、ようやくその「瞬間」を感じることができたような気がしました。
“前回と違って6万人を超えるお客さんが足を運んでくれて、やっぱり雰囲気が全然違いました。「これこそ決勝だな」という雰囲気でやらせてもらって、本当に幸せでした” 稲垣祥選手
「2024JリーグYBCルヴァンカップ 決勝 新潟戦後 選手コメント
もちろん、3年前の決勝の光景は、誰かに侵されるものでは決してありません。しかし、満員の国立があの「瞬間」を引き出したことは疑いようがなく、私の頭の片隅に居座り続けたあの時の記憶をようやく上書きすることができたこともまた、否定できない事実なのです。
あれから2週間、名古屋グランパスのファン・サポーターの皆さんによる「あの日」を振り返る文章に日々接し、またnoteのリコメンド機能やXのお薦めタイムラインのおかげによりアルビレックス新潟のファン・サポーターの方々の文章も読ませていただき、3年前のあの「一瞬」を、心温まる追憶の時間として堪能させていただいております。
このコラムは、そのような安らぎの時間を私に与えてくれた素敵な文章をご紹介させていただくと共に、次の試合まで2週間が空き「グランパスロス」に陥ってしまっている皆さんへ、「あの日」についての文章を書いてみませんか?という呼びかけの文章でもあります。
ダビングした試合映像を見返すのも良し、当日撮影した写真を整理するのも良し、食事の席で思い出を共有するのも良し、一人でもの思いに耽るのも良し…ですが、まだ決勝からそれほど時間の経っていない今、皆さんの頭に残るその鮮やかな空間と時間を、言葉に残すこともまた一考なのではないでしょうか。
ご紹介する文章をお読みいただき、一人でも「文章に残してみようかな?」と感じていただけるのでしたら、それに勝る喜びはございません。
◇11/2
負けたものなど誰もいない – みぎブログ
試合終了から僅か6時間後にアップされた、私的観測史上最速レビュー。あの場にいた誰しもが胸に抱いていた感情をそのまま真空パックしてくれたような素敵な文章。読み返せば一瞬で、「あの日」に戻ることができます。
◇11/3
愛は見返りを求めないが、それでも見返りがあればそりゃ嬉しいッスよね #やわらかめコラム|ラグ
グランパスの試合がナイトゲームであっても、必ず翌朝にグラサポの胸を掬うコラムを提供してくれるラグさん。ルヴァン決勝においてもいつもと変わらず届けてくださいましたが、いつもは冷徹に物事を斬るお侍さんに人間味を感じ、やっぱり「嬉しい」は正義なのだなと感じました。
ルヴァンカップ決勝 観戦記|あうん
試合翌日にアップされたグラサポの方による観戦記。知ったのは後日でしたが、試合翌日の興奮が手に取るように蘇る、タイムマシンのような素敵な文章です。
【グランパス】Never Give Up for the win!勝ち獲った5つ目の輝く星!|HARUKI
ダンコバさんがシェアされて読むことのできたグラサポの方による試合翌日観戦記。90分間が終わろうとする瞬間の感情は私と全く一緒で、共感しかございませんでした…。
◇11/4
ありがとう。 -胸に新たな星を-|Key
5つ目の星がその上に輝くこととなった新エンブレム。その誕生のきっかけとなったsocio projectに携わったプロジェクトメンバーによる決勝回顧録。そういった心構えで決勝に臨み、闘っていたなんて…。涙なしでは読めませんでした。
【辿り着いた5つ目の星】いつだって俺らの誇りさ|まついち
前述のKeyさんの観戦記と時間差のアップであったことも影響したのか、私が読んだのは暫く経ってからでした。チケット争奪戦の経緯や国立到着までの奮闘ぶり、はたまた試合後のOBチャントでの心情…。サポーター観戦記ならではの魅力が詰まった文章。
ルヴァン杯決勝 名古屋グランパスvs アルビレックス新潟 1人観戦ツアー|壱爺
試合前まではグランパスボランティア、試合が始まってからはサポーターとして闘われた壱爺さんによる観戦記。途中挿し込まれた「マンホールカード 集めの旅 東京(2024/11/1)」も読み応えあり、つくづくJリーグにおける遠征は素敵だなと感じました。
愛さずにはいられない:2024 Jリーグ ルヴァンカップ決勝 名古屋グランパス×アルビレックス新潟|hitoshi
決勝でグラサポの誰もが耳を奪われたあのチャント名が題された、新潟サポの方による決勝のレビュー記事。スポーツのレビューは、映画や音楽のレビューと違い、いわゆる「異界」の人のレビューを読めるのが魅力だと思います。それぞれの対象者への愛の多寡に大小があるわけはなく、相手クラブの目線で「本当に素晴らしい一日」(©︎hitoshiさん)を振り返らせていただき、ますますJリーグが好きになりました。
【アルビレックス新潟-名古屋グランパス】2024年Jリーグ・YBCルヴァンカップ決勝に行ってきたら試合観戦のほかにも感動した話(前編)|
noteのレコメンドで知った、新潟サポの方による、試合翌々日観戦記。冒頭の「まだ夢のような感じが残っています。」を読んだその瞬間、筆者の方へ心の握手を僭越ながら差し出してしまいました。
◇11/5
国立にルヴァン決勝見に行ってきましたレポ|出水
今シーズン、グラサポ界隈に彗星の如く登場した“サポーター1年目”出水さんによる決勝手書きレポート。読んだ誰しもがグラサポになりたての自分を思い出させてもらえる出水さんの試合レポ、決勝の文章も素敵過ぎました。
ルヴァンのファイナリストという称号にすがって2週間を過ごした男の末路的な話。|とりさわ
決勝翌々日の夜に、Xのお薦めに流れてきた新潟サポの方による観戦記。先ずタイトルが秀逸、内容もとっても素晴らしく、ますますJリーグが好きになりました。(2回目)
◇11/6
輝く星をつかんだ日 ~コンウェン編|コンウェン
grapo.netでお馴染みのコンウェンさんの「あの日」を追体験できる観戦記。試合翌日のラグさんのレビューもそうでしたが、grapoライターの皆さんの筆がいつもと趣が異なるテンションで、読むたびにタイトルって良いなと思わずにはいられません。
【アルビレックス新潟-名古屋グランパス】2024年Jリーグ・YBCルヴァンカップ決勝に行ってきたら試合観戦のほかにも感動した話(後編)|宮下晃弘
前述の新潟サポ宮下さんによる観戦記後編。新潟公式さんや新潟サポの方々によるXのポストがふんだんに盛り込まれたレポート、如何に決勝当日とその後、私のタイムラインがフィルターバブルに閉じ込まれていたか知れることとなりました。
私の「YBCルヴァンカップ2024」|endo3104
決勝のあった週末が過ぎ、新しい週の最初の一日が終わった11/5(月)の夕方。しかし、私の頭から決勝のことが全然離れずに、「私も何か書き出してスッキリさせなければ」とアップした拙文です。無駄に長く(約12,000字)恐縮ですが…、お手隙のお時間ございましたら、お読みくださいますと嬉しいです。
◇11/7
「それどころじゃない日々」の中の「それどころじゃない時間」 |青井高平
その知識とデータを駆使し、冷静なレビューを書かれるイメージのあるNackyさん。珍しく感情迸るNackyさんの決勝レビューを読み、そう言えばこの方は時々、クラブ愛が溢れてしまっている文章を書いてくださっていたな、とクラブスタッフ時代に感じていたことを思い出しました。やっぱりタイトルって良いな…。(2回目)
2024JリーグYBCルヴァンカップ決勝戦【名古屋VS新潟】 現地観戦忘備録|のん
昨年末、私が一人涙してしまった文章を綴られた、のんさんによる久々のnote。決勝にまつわる登場人物だけでなく、新幹線のダイヤを組まれるJR職員さんにも温かな目を配るのんさんの、優しさが随所に感じられる文章でした。
◇11/8
【ルヴァン杯2024年】名古屋グランパスさん優勝おめでとうございます(グラサポさんに届くと良いなぁ)|宮下晃弘
三度(みたび)登場、新潟サポ宮下さんによる、名古屋サポーターへのラブレター。愛溢れる文章を皆さんぜひ読んでみてください。(届くと良いなぁ)
2024 ルヴァンカップ制覇|わさもとらむぶの
決勝において印象に残った選手やコーチを、ピックアップして振り返るレビュー記事。うんうん、と頷きしかない文章で、筆者の「わさもとらむぶの」さんは、これまでも試合毎にレビューを書かれているグラサポさんであることを、今回をきっかけに知ることができました!
◇11/9(追記)
20241102 ルヴァンカップ決勝 vsアルビレックス新潟@国立競技場 [見ました]
【編集長追記】あい♪さんのルヴァンカップ決勝体験記。あい♪さんは、2010年の優勝のとき、全通目指して関東から名古屋まで通っていたなかで、ある試合で出遅れで席がなかったときに譲っていただいたときからの縁です。
熱田さんに勝守、効いたのかもしれませんね。「Are you Ready? GLAP YOUR HANDS!!」あの動画からこのGLAPの流れは本当に燃えました。
名古屋―!の掛け声を始める時、コルリとの練習で「今日は暑いですね。」「名古屋!」ていう世界一意味わかんないコールしたこと(笑)
https://aisan.blog.ss-blog.jp/2024-11-09
※ゴール裏はYOSUKEの言葉が聞こえない時があるので、何を言っても「名古屋」って返すという話で、無関係なことが聞こえても、名古屋ってコールする練習した(笑
メインスタンドにいたので知ることがなかったエピソード、貴重でした!
◇閑話休題
ルヴァン決勝について、いつもの試合において素敵なvlogを残されているあの方々も、映像をドロップされています!既にご覧になられた方が多いかと思いますが、改めてこちらでご紹介。
(名古屋グランパス) 2024年YBCルヴァンカップ決勝「名古屋グランパス vs アルビレックス新潟」観戦Vlog|PX10
いつもオシャレなvlogをアップされるPX10さん。決勝の映像のスタートも素敵過ぎて、最初からウルッと来てしまいました…。しかし、PX10さんが撮影されるゴール裏は、何故いつもこんなに素敵なのでしょうか…。
⭐︎ 祝優勝【Vlog#43】 2024年11月2日 YBCルヴァン杯 決勝 名古屋グランパス VS アルビレックス新潟|グラサポ夫婦
グラサポ夫婦さん史上初の30分越え&最長となる「39:51」に渡るvlog。その時間に、お二人の想いを感じ取ることができます…。こちらえを観ながらの晩酌は最高でした!ありがとうございました。
【祝・制覇・泣いて笑ってルヴァンカップ決勝】大好きな名古屋グランパスを応援するために国立競技場に行ってきた【vsアルビレックス新潟 2024年11月2日VLOG】|しばのうえチャンネル
しばのうえさんがアップされた3年前の決勝vlog 。グランパスのクラブスタッフの多くが涙したことは、なかなか知られていないのではないでしょうか。あの名vlog に続く、ルヴァン決勝第二弾!笑顔が溢れてしまう映像なのに、何故か今回もウルっと来てしまいました…。
◇11/10
JリーグYBCルヴァンカップ決勝とこの街にサッカーがある幸せ|reko
決勝から1週間近く経ち、だいぶあの時の興奮も収まってきた頃に、突如Xのお薦めタイムラインへと現れた新潟サポの方による観戦記。とにかく一つひとつの言葉選びや表現が秀逸かつオシャレで、読みながらドキドキしてしまいました。文中の、アルビレックスのビルドアップの出口の瞬間と新潟の春来の喜びを重ね合わせたあの表現は、サッカーレビュー史上に燦然と輝く言い回しなもではないかと思います。
◇11/13
【ルヴァン決勝 名古屋‐新潟】ミドルぼっちおじさん黄金ルート、国立遠征記だよ|フルゐ
いつもは自身の観点を織り交ぜ、冷静で緻密な試合レビューを届けてくれるフルゐさん。「決勝レビュー書きました」ポストが流れて来た時の私の期待を見事に裏切ってくれた、フルゐさんの新境地とも言える文章であると感じました。それとも、こちらが本来のフルゐさんだったりするのでしょうか??
◇11/16
【2024.ルヴァンカップ決勝 観戦記】共に闘った一日の記録|ソウソウ
試合から丁度2週間経った本日(11/16)披露された、ソウソウさんによる初note。インターナショナルマッチウィークでグランパスロスに陥っていた私の気怠い朝に、一服の清涼剤のような清々しさを届けてくれました。
以上が、決勝が終わってからここ2週間で私が触れることのできた、2024JリーグYBCルヴァンカップ 決勝にまつわるレビュー記事と映像です。
“別にこれになにか美談的な話を書きたいわけではないし、書けないし、今指を動かしてる間も何を書きたくてnoteを開いたのかは分からない状況。でもいろんな思いが交錯して、とりあえず言葉にしてスッキリしたいんだと思う。”
とりさわさん
ここに挙げた文章を書かれた皆さんそれぞれ、とりさわさんのような気持ちで言葉を残されたのではないかと感じています。
ですので、これを読んでくださっている“貴方”がもし同じように感じられているのでしたら、ぜひ文章に残してみませんか?多くは語りません。きっと素敵しかない未来がそこに待っているのだと思います。そして「あの日」が更に、かけがえのない瞬間になって行くのではないでしょうか。
長良川でのサガン鳥栖戦まであと2週間余り。まだまだ「あの日」に戻れることを、僭越ながら楽しみにしています。
P.S.
今回挙げましたレビューの他にも、素敵な文章が在ると思います。ご存知の方はぜひ教えてください。また、新たに文章を書かれた方もぜひ!Jリーグ再開までに、この文章をアップデートできたらと思います。