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「そうか、もうあなたはいないのか」古賀聡 前U-18監督への私的謝意 #ngeu18 #グランパス #grampus

質問箱へのリクエストからの記事になります。

2023年を以て名古屋グランパスを退職された遠藤賢さんに、時を同じくしてチームを離れることになった古賀聡名古屋グランパスU-18監督について、元広報担当としての想い出と感謝の気持ちを書いていただきました。

選手を出迎える古賀さん
選手を出迎える古賀さん

お知らせは突然に – 2024新体制発表会前日

新体制発表会を翌日に控えた1月13日、のんびりとした朝を迎えていた私のスマートフォンに、1通のLINEが届きました。名古屋グランパス公式アカウントからの「758発信」でした。

その内容は、2024シーズンのトップチーム体制とアカデミーチーム体制を伝えるリリースでした。

新シーズンの両体制は、例年であれば新体制発表会でお披露目されています。私は2022年までリリース担当として携わっておりました。

その新体制発表会ではない場で目にした初めてのトップチーム体制とアカデミー体制に新鮮な気持ちで眺めていました。

するとある名前の記載が無いことに気付くのに、それほど時間はかかりませんでした。

第一印象は非礼なものだった – 早稲田大学ア式蹴球部監督時代

私が初めて古賀聡さんのお顔を拝見したのは、2017年12月に早稲田大学で開催されたJリーグ合同加入記者会見における写真と記事においてでした。

その会見には、当時同じ部署の同僚であったグランパススタッフの西村弘司さんが向かい、現地から送られた写真の中に、5人のスーツ姿の男性が並ぶ写真がありました。

https://twitter.com/nge_official/status/940529310678491137/photo/3

その年の夏からグランパスで活躍していた秋山陽介選手(現福島ユナイテッドFC)の隣にいたのが、当時早稲田大学ア式蹴球部の監督であった古賀さん。私の第一印象は、「眉毛が濃い方だな」という非礼なものでした。

その会見において古賀さんは、秋山選手を下記のように評されていました。

“悔しさをエネルギーに代えられるメンタリティもプロ向きだと思います”

その秋山選手に加え、この年は他にも2選手がJクラブに内定、監督のその指導力は確かなものなのだろう、と当時感じたものでした。

古賀さんがトヨスポの観戦エリアのゴミ拾いをしながら椅子を並べている様子
古賀さんがトヨスポの観戦エリアのゴミ拾いをしながら椅子を並べている様子 古賀さんのチーム初出勤のときからこういうところに厳しかった

猜疑心を抱えたままの合縁奇縁 – U-18監督就任

合縁奇縁(あいえんきえん):不思議なめぐり合わせの縁。「合縁」はもと仏教語で、恩愛から起こる人と人の結びつきの意。「奇縁」は不思議なめぐり合わせの意。また、思いがけない不思議な縁の意。

トップチームがJ1復帰を果たし、そしてU-18がプレミアリーグWEST復帰を果たした前章と同じ2017年12月、退任の決まっていたU-18高田哲也監督の後任のお名前が「古賀」であることを、アカデミースタッフから知らされました。

そのスタッフの方が当たり前のように「古賀さんが…」と話を進めるので、私はその「古賀さん」が、当時スクールコーチだった古賀正紘さん(現湘南ベルマーレ トップチームコーチ)であると早合点し、古賀さんがB級ライセンスを保有していたことは知っていましたが、「U-18監督には、未だ早いのではないか…」と、至極無礼なことを頭に浮かべてしまっておりました。

すぐに、スタッフの方が口にするその古賀さんが、古賀正紘さんではなく、先日写真でお顔を拝見した古賀聡さんであることが判明するのですが、高田前監督にとても厚意を頂いていた私に、その時少しの未練が残っていたことは否めませんでした。

アカデミー新体制リリースの10日後、一次キャンプの地であるタイのホテルのロビーで私は、そのキャンプに飛び級で帯同していたU-18 藤井陽也選手(当時高校2年生、開幕後に2種登録。現コルトレイク)・萩野滉大選手(当時高校2年生、開幕後に2種登録。U-18卒業後は、法政大→FC岐阜)・田邉光平選手(当時高校一年生。U-18卒業後は中央大→レノファ山口FC内定)にSNS用素材の撮影に対応してもらった後、翌日の練習へ向け、一緒にトレーニング用のボールに空気を入れていました。

https://twitter.com/nge_official/status/956187391944900608/photo/1

空気を入れながら、「キャンプどう?」「トップチームの選手たちは優しい?」など雑談をする中で、新しく監督に就任する古賀さんの印象も聞いてみました。

3選手からの返答に、高田前監督への思い入れが残っているような印象を受けたのは、ただ単に私の確証バイアスがかかっていただけだったのだと、今思い返すと感じます。

選手に声をかける古賀さん
選手に声をかける古賀さん

予期していなかった躍進 – 2018シーズン 就任1年目

2018シーズンのU-18最上級生は、前述の2選手(藤井陽也選手、萩野滉大選手)に加え、同じく2種登録されこのシーズンにトップチームデビューを果たすことになる成瀬竣平勢選手(No.26)・菅原由勢選手(現AZアルクマール)・兵藤 健斗選手(現トラウムトレーニング  コーチ)、そして翌シーズンにトップ昇格を果たす松岡ジョナタン選手(現エリース東京FC)、更には2024シーズンにグランパスへWelcome backを果たした井上詩音選手(No.4)と錚々たる顔ぶれ。仲がとても良く、そしてお互い切磋琢磨しあう、とても印象に残る代でした。

そんな最上級生選手が牽引するU-18は、プレミアリーグWESTの開幕から好調をキープ、上位に居続けました。前半戦を首位まで勝ち点差1の4位という順位で終えたタイミングで、古賀さんにインサイド編集部よりインタビューをさせていただきました。

【スタッフインタビュー】古賀聡(グランパスU-18監督)「何事にもアグレッシブに」

なお、ここ数年でグランパスのファン・サポーターになられた皆さんはご存知ないかもしれませんが、当時アカデミーを取材してくださるメディアさんは今と比べ圧倒的に少なく、ほぼ月刊グランさんのみと言ってしまっても過言ではない状況でした(試合時は除く)。ですので、日々のU-18の活動について、当時のファン・サポーターの皆さんの情報アクセスの術はなかなかありませんでした。

この差し障りを、翌2019シーズンから乗り越えることができた、と私は考えます。その要因としては古賀さんの多大なるお力添えがあったことを、この場でお伝えさせていただきたく思います。

12月にトヨタスポーツセンター第二グラウンドで行われたプレミアリーグWEST 最終節「vs ヴィッセル神戸U-18」。見事に勝利したU-18は「3位」という好順位で、プレミア復帰初年度をフィニッシュしました。ただし、結果論となりますが、優勝クラブとは僅か勝ち点3差、あと一歩届かないという形で、タイトルを逃すこととなりました。

試合後、この日がアカデミーでの活動が最後となる3年生選手を中心に、応援に来てくださったYBの皆さんと選手のご父兄の皆さんと、記念撮影を行いました。

古賀さんも笑顔でその撮影に参加され、3年生を中心とした写真撮影においては、選手たちへ優しい眼差しを注がれていました。

https://twitter.com/nge_official/status/1071730036510605312/photo/2

ただ、古賀さんはその笑顔とは裏腹に、優勝まで僅か勝ち点3であったことへの悔恨の念を独り背負っていたのではないか、今写真を見返すと、そう思わずにはいられません。

練習を見守る古賀さん
練習を見守る古賀さん

満を持しての勇往邁進 – 2019シーズン 就任2年目

監督就任初年度に古賀さんが撒いた種が、大きく花開くこととなった2019シーズン、この年から本格的にアカデミーに触れた、そんなファン・サポーターの方も多いのではないでしょうか。

私は、未だに最後のプレミアリーグ ファイナルの敗戦を受け入れられず、つい「2.5冠」というファイナル勝者の青森山田高校に対し失礼な表現に固執してしまうのですが、このシーズンのチームが3冠達成の一歩手前まで近付いた「アカデミー史上最強」であることを、否定される方はいらっしゃらないのではないかと思います。

このシーズンの開幕前の4月、牛澤健主将(2024年シーズンより水戸ホーリーホックへ新加入)と田邊公平ゲームキャプテン(2024年シーズンよりレノファ山口へ新加入)にインタビューを敢行、躍進が期待されたチームについて、チームを束ねる2選手に語ってもらい、ファン・サポーターの皆さんにU-18を知っていただこうと考えました。

【U-18特別対談】牛澤健(キャプテン)×田邉光平(グラウンドマネージャー)

私はこのシーズンのU-18に関する情報発信を通じ、古賀さん率いるU-18の存在が、グラサポの皆さんへ届き始め、どんどん浸透し、その魅力に引き込まれてくださるような様を、手に取るように感じていました。

7月 Jクラブユース選手権 優勝

11月 Jユースカップ 優勝

11月 プレミアリーグWEST 優勝

12月 プレミアリーグ U-18 ファイナル

相手選手から握手を求められる古賀さん
相手選手から握手を求められる古賀さん

タイトルのかかった各々の試合後取材対応の中で、印象的なのはやはり、プレミアリーグ ファイナル のものでした。

ファイナル敗戦後、古賀さんは普段と変わらない口調で、いつも通りに先ず、選手たちを褒め称えました。

“選手たちを誇りに思っています。三冠に向けて逃げずにブレずに自分たちのサッカーを貫き通してここまで来て、正直、「すごいな」という想いで見ていました”

古賀さん率いるU-18は、このシーズン開始前に明確に3冠奪取を目標に掲げ、チーム全員で結束しました。そしてシーズン中は「3冠」を合言葉に闘い、チーム全員で一年間駆け抜けました。

その一年間の最後のインタビューにおいて、古賀さんらしい静かな口調の中に、いつもの選手たちへの称賛と共に、唯一この時だけ、勝利のみを求める勝負師としての無念が、どうしても零れ落ちてしまっていました。その古賀さんの姿を拝見し、私も非常に悔しく感じたことを覚えています。

2019年Jユースカップのセレブレーション
2019年Jユースカップのセレブレーション

最強世代の翌年は青天の霹靂と共に始まった – 2020シーズン 就任3年目

翌2020年2月、3冠へ一歩手前まで迫った先輩たちの姿を間近に感じ、意欲に満ち満ちていた2年生選手と1年生選手は、新チームが始動して二ヶ月たった頃、あのコロナの影響により、活動停止の措置を余儀なくされました。

先の見えない中で幾度となくスケジュールが変更し続ける中、8月にプレミアリーグWEST/EASTの中止が決定してしまい、悲願のプレミアリーグ ファイナルチャンピオンのチャンスが無くなり、代替の地域プリンスリーグの開催が発表されます。

この時期の広報チームは、如何にファン・サポーターの皆さんと選手たちとの間のコミュニケーションを絶やさないかに腐心してしまい、また皆さんの記憶にもおありかと思いますが、一寸先すら見渡せないコロナ対応に忙殺されてしまっておりました。

その間、古賀監督をはじめとしたU-18やアカデミーの選手たちのやるせなさに、思いを馳せる余裕は正直無かったように感じます。完全に力不足でした。

ただ、U-18をはじめとしたアカデミーの皆さんは、コロナ禍において各自ができることを、例えばコーチ陣による動画の発信を、例えばオンライン講座の開催を、感染対策をした上での学校訪問を、力を結集し最大限実施されておりました。広報チームはその活動一つひとつを発信することしかできませんでしたが、その活動に勇気をもらい、グランパスとしての結束がより一層高まったことを覚えています。

その中で、Jリーグから各Jクラブへ、柔軟なアーカイブ映像利用のオファーがありました。そして、日本サッカー協会からは、過去の天皇杯決勝のNHK-BSでの放送決定を知らされ、グランパスの二度目の戴冠となった第79回決勝の試合をピックアップしてくれました。

広報チームで協議し、前者はJ1初制覇が決まった2010シーズンのアウェイ湘南ベルマーレ戦の映像を利用し、YouTubeライブでフル映像を配信、後者については、第79回の決勝に出場したOBをゲストに招いての、裏解説番組配信を企画しました。

その第79回大会の決勝、2000年元旦のピッチに立っていたグランパスOBとして、皆さんは先ず、山口素弘執行役員ゼネラルマネジャーと楢﨑正剛トップチームGKコーチのお二人をすぐに思い浮かべられるかと思います。

しかし、相手クラブのサンフレッチェ広島の出場選手にもグランパスに関わる方がおり、それが古賀さんでした。

グラサポなら全員知っているであろう、あのストイコビッチのペナルティエリア内での切り返しに次ぐ切り返しを経ての伝説的なゴール。その引き立て役となったスライディングを試みたセンターバックこそ、古賀さんだったのです。(古賀さん、大変ご無礼な表現、大変申し訳ございません…)

そんな古賀さんにとっては思い出したくもないであろう試合放送の裏解説という大変無礼な出演依頼に、古賀さんは直ぐにOKを出してくれたのでした。

https://www.youtube.com/live/euQgkSwZ7Uw?si=6dOg9EZu742dgBdY&t=243
RE-LIVE『第79回 #天皇杯 決勝 名古屋グランパスエイト vs サンフレッチェ広島』 Supported by #MIZUNO

最初から最後まで、古賀さんのご厚意に甘えっぱなしとなったこの企画。その謙虚な姿勢と優しさに助けていただき、辛かったコロナ禍において、ファン・サポーターの皆さんと心休まるひとときを過ごすことができたのでした。

見守る古賀さん
見守る古賀さん

王者は再び目を覚ます – 2021シーズン 就任4年目

ますますチーム管理と取材規制が厳重になったコロナ2年目。引き続きトヨタスポーツセンター第二グラウンドやアウェイでの応援へ足をお運びいただくことができないファン・サポーターの皆さんへ向け、可能な限りインサイドの記事やSNS発信を増やしました。

2021年4月1日【動画】名古屋グランパスU-18トレーニングレポート+監督、選手コメント

2021年7月24日【動画】名古屋グランパスU-18トレーニングレポート+監督、選手コメント

そして古賀さんは恐らく、この年の春にそれまで積極的に取材してくださっていた月刊グランの佐藤芳雄さんのご異動があったことにも気にかけてくださったのでしょう、極力トレーニングの内容の公開に応じてくださったのでした。改めて、感謝を伝えさせていただきたく思います。

そして、迎えた7月、加藤玄(現筑波大学)ゲームキャプテンが牽引するU-18は、甲田英將選手(2024年水戸ホーリーホックへ期限付き移籍)と真鍋隼虎選手(現明治大学)のゴールにより、クラブユース選手権を見事に制覇。2年ぶりのタイトルをグランパスにもたらしました。

この時の決勝メンバーには、吉田温紀選手(No.5)や豊田晃大選手(今シーズンは、いわてグルージャ盛岡へ期限付き移籍)、貴田遼河選手(No.31)や今季昇格した鈴木陽人選手(No.32)など、未来ある選手たちがたくさん名を連ねていました。

ここに挙げた選手たちだけでなく、古賀さんの薫陶を受けた選手たちが近く、グランパスへWelcome backしてくれる未来へと思いを馳せるだけで、顔がにやけてしまうのは、皆さんも同じなのではないでしょうか。

便りの無いのは良い便り – 2022シーズン 就任5年目、2023シーズン 就任6年目

2022年は、コロナ3年目を迎えても続く厳戒態勢により、取材をインサイド編集部にお願いすることが多くなり、昨年の2023年は私自身の異動もあり、ここ二年において、古賀さんとお会いする機会はめっきり少なくなっていました。

それでもクラブハウスなどでお見かけする時は、古賀さんは必ず立ち止まって挨拶をしてくださり、笑顔を向けてくれました。

実は、古賀さん。一つお伝えしたかったことがずっとあったのです。私、古賀さんと同じ「さとし」という名前なんですよ。

恐らく古賀さんはこのような私のしょうもない話にも、お付き合いくださり、笑顔を向けてくれたのではないかと、その光景が私の胸に去来し、同時に胸を苦しくさせます。

最後の言葉 – 悲しみを堪えて、それでも前へ進む

古賀さんのU-18監督退任にあたり、クラブからのリリースは現状ありません。そして私たちには、古賀さんの次なる活躍の場を知る術も、今のところありません。

ただ、それが古賀さんの流儀であることも理解しています。

古賀聡さん、6年間グランパスのエンブレムを胸に、共に闘ってくださり、ありがとうございました。

願わくば、ご家族とゆっくりお過ごしいただきたいところですが、生粋の勝負師である古賀さんのこと、ご自身でそれを許されないのではないでしょうか。

古賀さんの次の道におかれましても、グランパスで共に過ごした日々と同じくらい、幸多からんことを。

古賀さんの胴上げ
古賀さんの胴上げ

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endo3104
2015-2023年、名古屋グランパスに事業スタッフとして従事。2024年、グラサポ一年目。今季のユニフォームは、No.28 榊原杏太選手。

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