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ターニングポイントを探る 2025年J1リーグ第6節 東京ヴェルディ戦マッチレビュー #グランパス #grampus #verdy Y0201

一言で表すなら能面のような試合。

能面は顔の角度で喜びや幸福感、いじらしさや悲しみに暮れる様子、恥じらいや絶望など様々な表情を映し出す。

選手達の顔色や試合内容がこうも変わってしまったターニングポイントは何処だったのか?振り返っていく。

試合情報

東京ヴェルディ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
東京ヴェルディ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ

ミラーゲームになる以上、名古屋とヴェルディの両者が何を基準に試合を観るのか?がポイント。

基準は「人」なのか「場所」なのか?

前半はこの基準の嚙み合い方が名古屋に優位に転ぶことになる。

IHの性質の違い

ヴェルディのIHがアプローチ(勝負をかける)してくる場所(下図青い丸)が前半13分ぐらいまでは前向きに蹴られたボール(押し込むような長いボール)だったりCBと勝負のような立ち方をした。

それに対して、森島や浅野の同時間帯までのボールをタッチするポイントは明らかにCMFの周りとなっているのが分かる。(下図オレンジの丸)

13分程経ってようやく木村のポストから染野に入るシチュエーションや新井が手前まで降りてくる様子が見られたが、ヴェルディサイドとしては名古屋のプレスがきついから仕方なくボールを“手前”に出してる感は強かった。

前半は染野と木村でプレスを裏返せればといった所だろうか。

それぞれのチームのIH(インサイドハーフ)のかみあわせ
それぞれのチームのIH(インサイドハーフ)のかみあわせ

浅野と森島がなぜ森田や斎藤の周りで楽に受けれたのか?その理由は、名古屋のビルドアップとヴェルディの守備のかみ合わせにある。

戸田さんも前半早い時間で仰っていたが、名古屋は見るからにビルドアップで「人」のミラーを嫌がった。三國を広げて和泉を下げる形からヴェルディに人に当たればスペースが生まれる選択を押し付けた。

これに苦労したのが新井と染野。

染野は本来の3バック対面の河面がそこまで外に開いていない事もあり、河面ー和泉のルートを切りながらプレスすれば木村と2トップ対2CBの構図が出来るので楽だった。

しかし、新井サイドは外の三國をどうするか問題が出てくる。

三國が前半のボールをゆっくり持てる時間にしっかり広がって、稲垣、椎橋と同じ列まで出て来てくれていると、新井は広がって対応せざるを得ない。

新井と染野の後追いの後ろにいる斎藤と森田はどうしてもIHの後追いで出来たスペースを気にするために前掛かりになってCMF同士のケアになってしまう。そうなると3列目と最終ラインのスペースが広くなって森島や浅野が降りて受けるような形が出来あがる。

試合のなかで各所で発生していたポイント
試合のなかで各所で発生していたポイント

ヴェルディ側からしたらIH潰せばいいだけに見えるが、1トップにマテウスがいたのはスパイスとして効いていた。

IH対CBで手前に圧力をかければ当然最終ラインにポケットが出来る訳で、足の速い選手なんかはそこにめがけて縦にランニングをしてくる。

前半15分からのビルドアップが分かりやすい。

浅野かマテウスかの2択をCBが迫られて三國が縦に出したが、ヴェルディ自体前半はCBは縦にスペースを圧縮しない約束っぽさあった中で、奥を見せられると余計にIHにいけなくなる。

ヴェルディとグランパスの解釈の違い
ヴェルディとグランパスの解釈の違い

名古屋の得点シーンの前ぐらいから浅野と森島が気になり過ぎて森田と新井が稲垣と椎橋を見るようなイレギュラーが起きる事も。(18:00~頃)こういう約束事以外のカオスが起こり始めると割を喰うのは一番動き幅が大きい選手なわけで、新井の裏に立つ浅野から先制する。

👍今節GOODポイント

 14:54~からのビルドアップ。稲垣を残して前に抜けた椎橋と三國の立ち位置。ヴェルディの守備の眼を変えた河面のつけ方と稲垣の捌き。後は三國が浅野、椎橋、和泉のライ ンに刺し込んでも面白かった。浅野が開けたスペースに反応するマテウス。その斜めのラ ンニングに三國が反応したのもナイスチャレンジ。整理が出来てた良いシーン。

雲行きの怪しさは自分達から

ロスタイム前後ぐらいから雲行きが怪しくなる。ヴェルディが噛み合わなくとも早めにプレスに出てくるようになって中央のスペースも空き始めた頃に途端にプレスを引っ張って来る事をしなくなる。プレスが噛み合っているから。的な戦術的な変化があるならまだしも、なんとなく最後の5分で強く当たって来たからバタバタして、スペースを作ってから前に蹴り出していたりしていた部分をやめてしまう。

後半からというよりはそもそも前半から名古屋のプレスがハマってるシーンが実は少なかった。

ヴェルディも4バックのような素振りを見せて大外へのプレスが遅れるタイミングがあったものの、GKのキックが染野と木村の中央に対してのプレーが多かった為に前半は気にならなかっただけで中山、森島がヴェルディの大外へプレスに行くタイミングは遅れていた。

それに加えてヴェルディの前半の配置の約束からの変化。

前半は翁長がリスク管理で下がるような立ち位置を取る事の方が多く、ヴェルディも左WBからのアクションが少なかった。結果中山ー翁長の距離が攻めも守りも、お互いに遠かったが、新井になって高さが変わった部分とヴェルディ側もWBとCBの間を意識し始めたのがターニングポイント。後半に入って当たり前に使って来た。持てなくなった時の経験が名古屋で少ない浅野と“あの頃とは違う”マテウスが入ってる時にプレスと構えさせられる形の分岐点が来た事で各々のプレー選択がちぐはぐに。

選手交代後のかみ合わせ
選手交代後のかみ合わせ

つぶやき

  • 「取りに行きたい!」→「早く行きたい!」をベースに持ちながら、「落ち着きたい!」を実現するには誰か局面の切り替えでチームの矢印を決定する選手が必要だ。現状ピッチのタイムキーパーがいないせいで、切り替わった局面を見てから各々が対処を決めてるから選手間の「おもてたんとちがう」が起きてる印象。あなた達は技術あるんだし見えてるんだから焦っちゃダメ!と思う。選手が急いでるのはもったいない。
  • ボールをもらう位置。ボールの置き方。相手への体の見せ方。誰が監督だから以前にそこにこ拘ってきてない選手がギャンブル的なプレーで他の選手のやりたい事まで出来ずにそこから全体が凹んで行くと「誰が悪い」以前に「まだ足らない」のラインになるの世知辛い。
  • 札幌の突撃ドリブラーのイメージが強かっただけに浅野があれほど気が利くんだ。って所に素直に驚き。

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