![惨敗は何故起きたのか 2025年J1リーグ第10節 ガンバ大阪戦 [マクロ] レビュー #グランパス #grampus GR662](https://i0.wp.com/grapo.net/wp-content/uploads/2025/04/%E7%AC%AC10%E7%AF%80%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%90%E5%A4%A7%E9%98%AA%E6%88%A6%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC.png?fit=1092%2C649&ssl=1)
編集者:試合内容が酷かったために、大荒れですね。
普段結構穏健派だと思っていたような人まで過激な発言をしていました。
デスク:2016年のときはまだSNSの人口も多くなかったのでもっとひどい状況でもここまでじゃなかったと思うんだが、時代が変わったということか
・X(Twitter)
・超掲示板
・ドメサカブログコメント欄
編集者:試合当日はね、そりゃショックだろうし理解できるんですが、日をまたいだら切り替えて欲しい気がします
デスク:この試合は監督が認めている通り、ダメダメだった。
何がダメで、それはどうしてそうなったのかを理解して、どうすればいいのかを考えてみよう
編集者:そうですね
でも、サポーターがサッカーを理解する必要ってあるんでしょうか?勝ってくれればそれでいいっていう声もたくさん聞こえます
デスク:お客様としてはそれを求めるだけでいいと思う。娯楽でサッカーを見るだけなら特定のチームにこだわらず、その時いいサッカーをしているチームを見るのがノーストレスだよな
編集者:サポーターは違うってことですか?
デスク:応援するならば、応援する対象がどういうことをしようとしているのかっていうことが理解できたほうが、応援できるんじゃないかなって俺は思うんだ
チームがなにしようとしているのかまったくわからないのに、「ただ信じろ」って言われても「俺は」信じて応援することはできないんだよ。
だから同じように何でこんなことしてんだっていうことをモヤモヤしている人のために、自分の予想する「どうして?」を書いているつもりだ。
編集者:なるほど、デスクは応援するからには納得したい、という考え方なんだ、ということなんですね。わかりました。
それではじゃあ振り返ってみてみましょう。
ガンバ大阪戦・グランパスの配置と意図
編集者:まずこの試合、押し込まれた状態だと5バックにはなりましたが、ほとんどの時間は4バックで構えました。
デスク:連勝中に使っていた中央を締める狭い幅の3バックは取らなかった(※ポイント1)
編集者:これはなぜなんでしょうか?
デスク:ガンバ大阪は4-2-3-1、つまりサイドに2枚の選手が攻めてくる形になる。なのでこちらも4バックにしてサイドを中山ー野上、小野ーマテウスで守ろうという感じだったのではないだろうか。こうすれば2対2になる
編集者:復帰後初先発の小野雅史選手のフォローは河面選手の負担になったでしょうね(ポイント2)
その分中央はどうなるんでしょうか?
デスク:河面・佐藤が2枚で構えた。河面が右サイドまで出て佐藤瑶大のフォローをしているくらい。佐藤瑶大も集中力持って迎撃をしていた。
前は稲垣祥・椎橋慧也・和泉竜司の3角形でボールを奪おうという考えだったのではないか
編集者:中盤でデュエルに勝って、ボールを奪い、浅野マテウスでカウンターという感じでしょうか
デスク:しかしそんなにうまくいかなかったな
サイドでは2:2の数は合っていたものの、
左はマテウス・カストロの守備が壊滅的で、左サイドは小野の負荷が高く、山下に対して後追いの守備を強いられていた。結果河面が引き出されることになる。
右は右でファン・アラーノが強く、中山が自陣に押し込まれていて良さがまったく出ていなかった。
編集者:中山選手も小野選手も攻撃のため高い位置にいてこそ生きる選手ですものね(※ポイント3)
デスク:そうなんだよ。後半三國ー野上に代えたのは野上に半田の裏でボールを受けてもらいたいという風にしたのも、守備の負荷が高かったこともあると思う
※ドリブルではなく、最終ラインからのフィードで野上に裏で受けてもらおうという意図もあったと思われる
編集者:中央は球際で勝っていたのは稲垣祥と佐藤瑶大だけで、ジェバリとネタ・ラヴィの強さが光ります。勝率はそれほどではないのですが、勝ったときにはチャンスに貢献していました。
デスク:中盤でボールを奪ってカウンター、という構想だったと思われるが、ボールを奪えるのは稲垣祥だけ。ボールが出たのは前半唯一のシュートシーンになった浅野の抜けだしのシーンだけだった。
編集者:なぜボールが奪えなかったのでしょう?
デスク:中盤では稲垣祥が圧倒的だったが、稲垣祥以外、ネタ・ラヴィと山下諒也、ファン・アラーノの3人のデュエルが圧倒的だ。
ベルマーレ戦でもそうだったが、名古屋グランパスがデュエルで負けていたら、そのウリはどこにあるんだって話になる。
編集者:ボールを奪ってボールを出せなかったら、浅野雄也の俊足も活かせないですよね
デスク:後半投入されたキャスパー・ユンカーが活かせなかったのも、そもそもパスが出せなかったからだな
編集者:どうしたら奪えるようになるのでしょうか?
デスク:センターバックで三國ケネディエブスを外したときには中央の枚数を増やして対処したわけだが、セントラルMFのところでもやはり枚数が足りなくならないようにしたい。
編集者:そうしたら外が空きますよね?
デスク:11人でどこかに枚数をかけたらどっかが空くのだからしょうがない。
ただ真ん中が空くよりはサイドのほうがマシ・・・という考え方もできる
編集者:このようにボールが奪えない、それで結果押し込まれ続けるという事態は想像できなかったんでしょうか?
デスク:中盤に稲垣祥がいるし、稲垣祥ほどではないにせよ椎橋慧也がいる。この2人が居てボールを奪えないなんていうことは想像できなくても仕方ないと思う
ネタ・ラヴィにあれだけ自由にやられてしまうということを想像しろというのは酷じゃないだろうか
編集者:だとしてもなんで試合中に修正できなかったんでしょうか
デスク:結果論でいえば、この日あまりよくなかったマテウス・カストロを下げて菊地泰智を入れて3センターという手もあったと思う
2失点目に繋がるボールロストをするまでマテウス・カストロを諦められなかったことが采配の分かれ目だったかもしれないな
編集者:流れを変えられる選手というのがいないもんでしょうか
デスク:キャスパーがそうなると思うが、キャスパーにはパス出しができる選手が必要だろう
キャスパーの活かし方はハイボールではないのに崩さずにハイボールに終始していたのはミスだったと思う
編集者:この状況なら監督を代えたら良くなりますか?
デスク:X(Twitter)では、監督を代えればすべて良くなる、という論調の人がいっぱいいるが、この試合でもミスをしているのは選手。
編集者:練習が良くないのでは?という推測をしている人がいます
デスク:正直トメルケルの技術が低くなっている。そういう部分の練習は足りていないのかもしれないが、そもそもそのあたりのトレーニングはチーム練習ではなくてもできる
誰かに言われないとそこを鍛えられないというものではないと俺は思う
編集者:玉田圭司コーチがそのあたりをカバーできないのでしょうか
デスク:プロのコーチ1年目の玉さんにそこまで求めるのは難しいんじゃないかな
編集者:試合終了後、1失点目のときに簡単に滑って失点の原因になった三國ケネディエブスを批判した、と話題になりましたが?
デスク:長谷川健太はこれまでも名前を挙げて選手に怒りを表す、ということはやってきている
人事的視点で見るとやめてくれ、と思えるかもだが「箸にも棒にもかからない(ひどすぎて使いようがないこと)」には決して言わないことで、前時代的なやり方ではあるものの、方法論としては確立されているものだと思う。
編集者:いずれにせよ、この試合は戦術の見立てがカラぶったせいで、これだけの惨敗になった、という認識で間違いないでしょうか?
デスク:それで間違いはない。グランパスが準備してきたものはほとんど全部裏目に出た。
ただ、これまでの敗戦の多くはミスが主原因で、明らかに「戦術が原因」と思われる試合というのはこの試合が初めてじゃないだろうか。
スカウティングチームが見誤り、監督の判断も誤った。それだけのことだと思う。そんな試合もある。
結論:長谷川健太監督の続投は是か非か
編集者:ぶっちゃけデスクは長谷川健太監督を擁護しているように見えることがあります。なんで長谷川健太監督を支持しているのでしょうか。
デスク:それは名古屋グランパスというチームの「罪」を思い出さないといけない
過去に名古屋グランパスは降格の2016年、降格危機の2019年と2回、監督・コーチ・スタッフ・選手を切り捨てることをした。その前にも何回かそういうことがあった。
それによって大卒の選手で獲得できた選手というのは名古屋グランパスU-18卒以外では東海学園大学の児玉駿斗・渡邉柊斗・榎本大輝と早稲田の秋山陽介・相馬勇紀まで遡る。風間八宏を切った2019年以降は大卒新人は昨年決まった大磯まで5年間いなかった。それは異常なことだ。
編集者:風間政権よりも後になると名古屋グランパスU-18以外の新人って、あとは行徳瑛選手くらいでしょうか。(2027年の大磯までいない)
デスク:行徳瑛もチーム関係者の子息ということを考えると…
理由は直接わからないが、新人が来ない理由があるということだと状況証拠が揃う
編集者:山口素弘さんがGMになってから取り組んでいるのが、各大学との関係を改善することだと聞いたことがあります。
そのなかで中核になるのがスタッフの多くの出身である筑波大学との関係を深めることです
デスク:そうだな
・筑波大学を中心とした大学との関係改善
・名古屋グランパスU-18出身者を軸とすること
・名古屋グランパスOBをスタッフに増やしていくこと
この3つが軸になるのではないだろうか
編集者:それは確かにそうですね。その取り組みを軸とするならば、その一環として人事が決まっていくという
そして長谷川健太監督も筑波大学出身で、OBの重鎮・・・
デスク:筑波大学路線を考えると本当はクラブOBかつ筑波大学出身の大岩剛さんを起用したかったのでは、と想像しているが、JFAに取られてしまった。上記条件を2つも満たす人事だからな。
編集者:筑波大学出身の監督というのを1つの条件にすると、なかなか候補がいないわけですね
デスク:そういう派閥で決めるのはどうかという考え方もあるが、人間関係にはなんらかの共通点があったほうが作りやすいことを考えると馬鹿にできないと思う
編集者:で、それが支持する理由になるんですか?
デスク:チームがガラガラポン(全部ぶっ壊しちゃうこと)を繰り返して、軸がないからこそ軸を作ろうとしている、そのなかの1つの方法論としてやっていることを、簡単には諦めてまたガラガラポンにしちゃうのはどうかと思うんだ。
ぶっちゃけ監督が誰でも俺は楽しめるのだが、一度やりはじめた軸を作ることを簡単には諦めたくない、というのが本音だ。
編集者:名古屋には軸がないって話はよくいいますよね
デスク:名古屋グランパスはこういうチームなんだよって言えるキャラづけが欲しいな
場当たり的にガラガラポンは心苦しい
編集者:だから安易な監督交代がイヤってことですよね。筑波大学人脈も全部終わっちゃいそうですものね
デスク:だいたいそんな感じ。
ただ、プロなんで本当にヤバい状況になったらチームも決断するだろう。
まだ残留圏との差はそこまで大きくない。どこかのタイミングでその差が開いたら決断するはずだ
編集者:僕としてもみんなが落ち着いてくれれば、ただクビになって欲しいと思ってるわけではないので・・・
デスク:ルヴァンカップと広島戦、めちゃめちゃ重要になると思う
編集者:いい方向にいきますように
言いたいことはわかるが、ハセケンにその力量は最初から無いって一言で終わっちゃうんだよな
大岩、平野、望月を追い出した前提があるチームである以上苦しい言説だと思うよ
3シーズン走り切ってスカッドも整えてもらってこの体たらくだしね…
タイトル獲ったとは言え去年のリーグも15勝18敗で継投した以上もう底は見えてると言い切ってしまって良いと思う