どうも、こんにちは。ファジアーノ岡山サポーターのゼロファジと申します。グラぽさんにお声がけいただき、ゲームの雑感についてお話させていただくことになりました。
名古屋サイドのお話はロボット-記者さんコンビとゆってぃさんが語ってくれていたので、こちらはこちらで岡山サイドのおきもちメインで進めていきたいと思います。名古屋サポーターの皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
岡山の現在地
去年残留を勝ち取ったとはいえ、毎年死ぬ気で残らないといけないのがファジアーノ岡山の規模感。この百年構想リーグでは降格がないため、新戦力を試しつつハイプレス一本槍からの脱却を目論んでいるように見えています。あくまで半年後が本番という感じは割と強め。しかし、さすがに何試合も勝ちなしではプロとしてどうなのよ?という空気にもなってくる。なんとかまず一つ勝ちたい。そういう状況でありました。
ミシャ式にはお世話になりました
さて、今回の相手はミシャ式の名古屋グランパス。415の可変システムはあまりにも有名です。個人的にはサッカーの勉強をはじめた頃に大変お世話になりました。当時ペトロビッチ監督は広島でセンセーションを起こしており、彼らのゲームそのものや解説してくれるブロガーさんたちの記事を読んでいろんなことを教えていただきました。それまでほとんどロジカルにサッカーをとらえる習慣がなかったので「サッカーにはこういう世界があるのか」と扉を開けてくれたのがミシャ式でした。
そういうこともあって今節の名古屋戦をとても楽しみにしておりました。「いつか岡山と対戦あるかな?」と思った2011年から数えて実に16年越しの実現!J1にいるといいことがあるものです。
なお、岡山サポにも楽しんでもらいたいためわざわざ「ミシャ式とは?」のミニ解説をプレビューに差し込む気合いの入り具合。
これは大変好評いただきまして「おお、ほんとに5トップだ!」などと楽しんでいただけたようです。うれしい。
このようにライトな層にも理解してもらいやすいのはペトロビッチさんのとてもとても大きな魅力だと改めて思いました。
試合の流れ
ゲーム自体は大筋で名古屋がボールを持ち、岡山がハイプレスor541のミドルプレスで迎撃するという構図で進行していきました。
岡山としてはプレッシングと奪ってからの早い攻撃でリズムをつかみ、CKから決定機も作れていたので先制してしっかりペースを握りたかった前半の入り。入りはなぜだか今年ずっといいんですよね。でも、勝ててはいないという。
実は岡山の守備における最近の課題はSB的な位置を取る選手にどうやってプレスをハメよう?という点です。広島では塩谷、ガンバは普通に4バック。いずれにせよ低い位置でボールを扱う選手にプレッシャーがかかりにくいことに手を焼いています。真ん中を固めてインサイドを締めてから外へプレッシャーに行くので、物理的に間に合わないことが多いんですね。
名古屋は415に変化するので、左右のCBがSB的なポジションをとります。ミシャ式だ。岡山としてはSB化するCB(原・佐藤)に自由を与えてしまうと難しい。そういうわけで、541のミドルプレスで構えるときには左右のシャドー(江坂・木村)がかなり名古屋の左右のCB(原・佐藤)に注意を払う。これは前半かなりうまくいっていたように思います。しかし、原はヤバイ。無理です。
20分を過ぎたあたりからは名古屋も後方でボールを安定的に保持して組み立てていく展開になり、よりミシャ式っぽさが醸し出されていきます。
ところが、岡山のゴールを脅かす回数自体はさほど多くなく、原から裏狙いの山岸へのボールが一本。最もヤバかったのは原のクロスを木村勇大が落とした攻撃で、やっぱり原じゃねぇか!という。
岡山は前半からかなり左右にチャンスメイクできておりました。ルカオは去年よりもさらにうまくなっていて、正直もうどうにもならなくなってきています。(ただしフィニッシュワークは除く)また、ミシャ式の被カウンターの脆さを存分に指摘してカウンターに持ち込むなど、名古屋のボックスへ侵入する機会はそれなりありました。ところが、こちらはいかんせん最後のクオリティが低い。プレー選択も正確性ももうひとつ。この試合では逆サイドにドフリーな味方がいるのに見れていないシーンが散見されました。もうちょい広く見たかった。そういうわけでゴールには至らず。
後半は名古屋がより大胆にボールを扱いはじめ、岡山のプレッシングは振り回されるようになっていきます。監督のコメントを読むにやはり心理面での影響があったようですね。この時期の岡山はピッチコンディションがあまりよくないので、その辺りの慣れもあったのかもしれない。
岡山も食い下がってプレスをハメようとトライしますが、名古屋が焦れずにやり直して可変して組み立て直したりするとなかなか全部についていくのが難しい。枚数合わせもおっつかなくなっていきます。こりゃまずいなと思った矢先。まさに、後ろでやり直す→中盤経由してシャドーが降りてくる→左サイドに展開する→そして中山の1on1。
ここの中山の左足のクロスはパーフェクト。それに山岸も岡山のCBの間で飛んでるんですよね。ちなみに前半の木村勇大のヘッドも同じようにCB同士の間でヘッドした形。バチン!と一発でハイクオリティがマッチしてしまう。すごくJ1っぽい失点シーンでした。特別デカいエラーがあったわけではないが、普通にハイクオリティで仕留められてしまうという。J2だと10回やって1回あるかなって感覚です。
ところが、岡山もよく持ちこたえる。失点後はかなり嫌な流れでしたが、ここを耐えたのは大きかったですね。2点は致命傷ですし。
名古屋としては交代策を駆使して、カウンターの芽は残しつつフレッシュさを補充していく考え方であったのかなと思います。
しかし、椎橋の投入は明暗を分けてしまったかもしれない。彼をアンカーに置き532としたかったようでしたが、交代直後に532なんだか5131だかよくわからない配置と役割に一瞬なってしまう。ここは明らかに混乱が見て取れました。神谷と江坂に剥がされて左サイド奥への侵入を許し、河野のシュートに結びつけられてしまう。
その後のCK。岡山は再三狙っていたファーサイドで河野がヘッドで押し込み同点。神谷のボールのクオリティはとても高かった。
その後の一進一退はあったもののゲームは1-1で90分を終了。PK戦にてようやく今季初勝利を挙げることができ、ホッと一息したゲームでした。
vsミシャ式っぽいゲーム
初めての対戦でしたが、随所にミシャ式っぽい現象が起こっていてとても楽しかったです。可変して数的優位を作る最終ライン。後ろからボールを引き出すべく岡山のボランチ脇に降りてくるシャドー。WBの裏をとってひっくり返していくWB。中盤空っぽでカウンターをモロ受けするところも。すごくミシャ式っぽい。
この試合においては岡山の方がチャンスの数もシュートの数も多く、名古屋はパス関連の数字が高かったですが、これはゲームの内容をよく表しているかもしれません。
後ろの配球とシャドーのコンビネーションや、前3枚同士のコンビネーションにはまだ不慣れ感がありミスも目立ったように思います。攻守のアンバランスさを受け入れたサッカーだけに攻撃はなんとか形を作ってシュートやクロスで終わる。そうでなくともカウンタープレスでひとまずなんとかボールを抑えよう!が、どれくらいできるかが大事なのかなと改めて思いました。
用語解説:カウンタープレス:カウンタープレスは、ボールを失った瞬間に、すぐ全員で奪い返しに行く守備戦術のことです。相手の選択肢を奪う:パスコースを塞ぎ、ボール保持者に複数人で寄せることで、相手は前に運べないという効果があります。
岡山としては後半のハメたくてもハメらんないわ!というイメージは結構重たいですね。あのくらい振り回されるのは当たり前のこととして考えておかないと、ひたすら押し込まれてジリ貧になっちゃうな。次回対戦までにどのくらいプレッシングの練度をあげられるか。楽しみです。
編注:ゼロファジさんのサイトで公開されているマッチレビューも是非ご覧下さい。(ファジアーノ岡山サポーターを意識して書かれていることはご留意を)
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