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設計と自由の狭間、桜色の設計を飲み込む 第9節セレッソ大阪戦マッチレビュー #grampus Y0240

豪雨と強風の中、相性の良いセレッソに勝利した。前半に見えたセレッソサイドの狙いと、後半からの得点のきっかけを中心に、ワンポイントで試合を振り返ろう。

試合情報

名古屋グランパス・セレッソ大阪のスターティングメンバー・ベンチ
名古屋グランパス・セレッソ大阪のスターティングメンバー・ベンチ
  • 2026.04/04 
  • 名古屋-セレッソ:3-0
  • 天候 / 気温 / 湿度:雨 / 15.6℃ / 90%
  • 主審 池内 明彦

試合の速度感とセレッソのツボ

両チームとも「速度感をどこで出すのか」という部分を探るような前半に見えた。

名古屋としては、甲田のプレッシングの速さやボランチのサイド出張に見られるように、プレッシャーをいかに早く掛け続けるか。一方でセレッソのアクセルは、名古屋のプレスから生まれるスペースを突く形である。

セレッソの展開の理想としては、15分56秒からのビルドアップの場面が挙げられる。名古屋のセンター対セレッソボランチの対面にせず、木村と和泉に石渡と柴山(一列落ちた)を見張る形を作らせてからのサイドへのやり直しだ。

奥田が絞ってボランチに立つことで中山が出てくる。木村の守備位置に立つ奥田に出ていく中山は、そこを越えて井上まで出て行っても名古屋はマンツーマンを継続中。この展開の中で奥田が森島に受け渡されるタイミングで、石渡も木村からマークが外れる展開になる。セレッソ的には、ボランチがセンターの対面になるべくならないように田中と柴山を動かし、名古屋のボランチ周りに人を置かないところから人を引っ張るようなプランニングが目指すところのように見えた(実際ここで木村と和泉が下がって石渡と柴山に張り付く形は、名古屋的には実は想定外というか、前からマンツーマンではなかったので、不穏なポイントではあった)。

この後の16分43秒からの形の中で、森島がボランチまで出てくる場面では、井上と奥田のサイドの地上戦か、出てきた森島の裏側がメインのプランニングである。名古屋としては森島、稲垣に守備の役割を出そうとすると、高めからのプレスでセレッソのサイドのプレッシング誘いと、櫻川&アンドラーデのプレッシングの裏を取られる形の2択を迫られる。距離が違う2択の攻めであり、両対応のマンツーマンはミスが出やすいこともあって、名古屋も試合の速度感を出しづらくなっていった。

余談💬

どの監督でもセレッソは配置の外側に重心を付けながら名古屋と対戦する印象が強い。セレッソの方針の太さなのか、毎年の名古屋との相性が要因なのか、真相はわからないが、今シーズンもボランチのところに人を置きたくなさそうなセレッソと、IHを下げてそこに対応する名古屋の攻防であった。奥田のポジショニングはここ数年は登里がやっており、しょっちゅう見た展開で、セレッソと言えば名古屋相手にSBの立ち位置で勝負してくるのが印象的だ。

マンツーマンが変えた立ち位置の主導権

名古屋の縦向きプレスを誘って裏側(例えば27分30秒から)と、サイドからのビルドアップの2択があるものの、セレッソ的には前半は後者から攻めを作りたい雰囲気が出たのが25分12秒からの攻防である。SBの内外があるので中盤は3枚にしておきたい名古屋は、井上にどうしても運ばれるところから奥田が低くサイドに残ると柴山が寄ってくる場面。大畑がアンドラーデよりも内側に立っていて甲田と勝負になった。セレッソ的にはSBの内外で名古屋のWBの守備が迷ってくるだろうと読んだと思うが、甲田、中山ともにセレッソのSBがどこにいようが、浮きそうになったら付いていくという動きがあまりにも徹底されていた。

自分たちが相手のマンツーマンを迷わせるための立ち位置を取る指針が、次第に名古屋のマンツーマンによって攻守の両局面で相手の立ち位置に依存するようになっているように見えた。前半、井上と奥田のところのマンツーマンの中山と木村がある程度緩かったので、そこから地上戦でずらす形を作りたかったが、セレッソはなかなか選択できず、それが後半の得点の伏線となった。

設計と制限と自由さと

後半頭のプレーも、セレッソ的には2択のスタートから中村がロングボールを蹴る。このタイミングで奥田に付いている中山は、既に奥田より内側を取って守備のスタートだったので、櫻川は視界にボールを落とす選手がいない状況になる(阪田もアンドラーデも、藤井が櫻川でずれたスペースに入っているので)。一方でセレッソの他のFPの選手はビルドアップに備えて観音開きや、ボールを引き出すために中央の選手も低い位置に構える。そんな中で中村が櫻川へロングボール。セカンドの回収のためにラインが上がってから、再度森島に裏返されるまでおよそ3秒。ビルドアップで形が崩れているところから3秒で、守備では井上が焦るのも仕方がない(特に観音開きからの前後動なので、ほぼ攻守の切り替えの時間が0秒である)。

前半から井上−奥田のサイドでのプレスの引き出しが、奥田がワイドに張った展開では中村が選択する機会が少なかったのが目についたが、後半の最初のプレーでも、一番守備で選択肢が多い木村サイド(前線とIHの仕事のタスク変化が大きいので、守備の受け渡しミスやプレスの速度遅れが多くなってしまうのが木村)のところで、名古屋の動き方を見て展開を作る作業をしなかったのはセレッソにとって悔やまれるかもしれない(ハンドリングの巧さの関係で預けづらいのかもしれないが)。

2得点目は、基本的にはボールを受け渡す設計外のパスを出した畠中のパスを、中山がカットしたところからだ。基本的にセレッソのSBやボランチの選手が立ち位置を決める基準は「名古屋のマンマークをかわすため」だからこそ、人を足す立ち位置や、マンマークを動かしてスペースを作る立ち位置を取る。

そのなかで、畠中と奥田のパスカットの直前の動きを見ると、奥田は中山から離れる動きを取る。畠中−奥田で中山の守備が不利な状況なので、畠中が中山との対面を作ってしまえば奥田がフリーになる。これは奥田や井上が前半から一貫してプレーの基準としてきたところだ。

そんな中で、中山にマークの迷いを突きつける前に、畠中の出したパスがきっかけになってしまう。散々ビルドアップのところでは中村に選択されなかったにもかかわらず、こういったタイミングでパスが来るのは、奥田にとってはなかなか辛い展開となった。

👍ポイント

制限と自由の関係性は、選手たちの理解度と能力に依存してくる。これはサッカーを導く人種に付いて回る部分だと思う。各選手が思考回路、プレーのつながりを意識しないと、頭のピッチのプレーもショートしてしまう。そこをスタッフは「論理的な落とし込み」で巧くつなげたいのだが…というのはどの監督も常に天秤に掛けているところだ。今シーズンの名古屋で言えば、「プレー選択自体に制限」が多いチームづくりなので、そこから生まれる選択は数が少ない代わりに回路がショートしづらい。対策されたら次の回路を作るのに時間はかかるものの、そこでつくる新しい選択は「手札」として確実に実体化して足されていく。世界を見ても、自由の中には基準となる選手がいたり、自由の担保が圧倒的身体能力だったりと、Jリーグでは求めるには壮大すぎる要素にも感じることがしばしばある。

試合雑感

  • 立ち合いの部分で言うと、70分45秒からの「運んで剥がして角度をつけてWBに展開」の形が、地味に監督もにっこりの展開であった。得点シーンは立ち合いからの展開は少なかったものの、試合コントロールの面では藤井や高嶺が運ぶシーンも、助かった場面が多かった。
  • 後半、さすがにセレッソが後ろから枚数を掛けたり、ポジションローテが激しくマークで混乱するシーンはかなりあったものの、浅野、杉浦も良い守備から試合に入ってくれた。
  • 振り返ってみれば、セレッソの設計のファジーさに助けられた形である。完璧な対策を自分たちで最後まで崩す形ではなかったことは、気を引き締める部分だ。

最後に

90分勝利のため、600万円追加。第9節終了時点で、

今シーズン獲得賞金(理念強化配分金+特別助成金を除く): 3200万円

順位も現在3位。上が見えるタイミングで毎試合強敵だが、次節は神戸。

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