アウェー席が設けられたこともあり、遠征を満喫された方の楽しそうな発信をSNSで沢山見かけました。4試合続けて1点差での勝ち。試合後、SNSのトレンドに一瞬“ウノゼロ”という言葉が並んだそうですね。
後半のボール支配率は神戸が70%、名古屋が30%。(参照元:sofascore)
ボールを持つなんて考えない、創造力なんかクソくらえといわんばかりの鉄の意志を感じました。
スタメン
インサイドグランパスのフィッカデンティ監督の話によると、「さすがに疲れが抜けてない選手がいる」という理由でスタメンに新しい顔が登場した。試合中スタメンが変わった場所で意識の共有不足なのか、数回パスミスからボールロストしたものの、それぞれに与えられた役割をこれ以上ないぐらいの集中力で全うしてくれた。
縦に入れられない神戸
前半からお互い持ちたい欲が少しだけ出ており、(名古屋は選手数名、神戸はチームとして)山口と安井でリズムを作りながら佐々木と郷家が1.5列目ぐらいでパスを受けるような動きをした。
それを見逃さなかった名古屋は、齋藤とマテウスに一つ内側のレーンを意識させてパスコースを切りつつ、見張られる場所を嫌って動いた先には2人のセンターが場所を埋めている状態を作った。
数的有利を作るためにドウグラスを落としても良かったのだが、そこには木本がピッタリマークをすることで自由にさせなかった。
サイドに流したはいいもののサイドから突破しようと試みると、神戸側は山口と安井のどちらかはサイドに寄せてビルドアップのサポートに行かなければいけない。
そうなれば名古屋はマテウスを1レーン外側に寄せて、神戸のセンターの配球先である佐々木、郷家のところに稲垣か長澤がチャレンジしに行く。そこがだめなら裏のスペースを使う事も考えられるが、名古屋の今回の構え方ではサイドバックがある程度落ち着いて対応できる事とマテウス、相馬、斎藤らが神戸のサイドのユニット攻撃に対してあきらめずに守備をした事が功を奏した。
この名古屋の構え方に対する瞬間的な解法が出てこず、神戸側は最終ラインでボールを回して逆サイドからやり直すなど、次の手をボールを回しながら考えていた為、名古屋の前線がかけるプレスの沼にハマっていってしまった。神戸が下げてビルドアップした時に名古屋は前にプレッシャーをかける。神戸の中盤から前が下がるのが遅ければ引っかけられる。
稲垣の前半のチャンスシーンはその辺りが顕著に出たシーンだった。
唯一の失点のピンチ。ランゲラックが井上のシュートを止めたシーンはボールロスト直後でサイドの選手が戻りきれていなかった為、サイドにつくはずの名古屋の選手がいなかった事。ボールロストの直前のビルドアップで3対4という不利な局面且つ狭い局面で色気を出してボール回しで打開しようとした事の二点がシュートを許す要因となった。
「圧をかける局面」
昨シーズンに比べて、選手同士のポジショニングの注文の声が目立たないとふと思った。それは圧をかける局面での変化が見えたからかもしれない。
圧をかけるフェイズでは前線が圧をかける。そこを見てセンターのもう一人も連動する。そうすると中央のスペースが空いてしまうがそこは、サイドバックがケアをする。
宮原が先発した柏戦と神戸戦では彼が稲垣のスペースを埋めて、そこでボールを跳ね返したり、ボールを回収するシーンが見られた。
良かった所
- 「攻撃のための守備」をしつつ点を取ったら城を立てる形での勝利。「攻撃のための守備」の部分は昨シーズン見られなかった部分なので単純にこれからが楽しみ。
心配な所
- ゆっくりとですが、着実にビルドアップの仕方、行なう勇気、相手の剥がし方を忘却の彼方へと押しやってるように見えるので、そこだけは忘れないでもらえたらなと。
- ボールを受ける位置、タイミングなんかが試合を積むごとに雑になっていて(それだけ山崎が効いてるという事なんでしょうが…)今日も木本が出しどころに戸惑うシーンなんかもあったので少し心配。
「試合見返しポイント!」
- プレスが連動するスイッチが入るタイミング
- 守備で構えた時に各選手が消してるスペースの変化
- 新加入選手のパスミス(意図があわずにミスしてる。だれがどんな意図だったのか?)
- 稲垣のシーズンベスト最有力候補のシュート
さいごに
ユニットの連携なんかは少な目だった試合ですが「攻撃のための守備」という部分が顕著に出た試合でした。新加入選手も「~の代わり」ではない事を見せつける良い試合になったんじゃないかなと思います。