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2021年J1リーグ第8節 湘南ベルマーレ戦マッチミニレビュー #grampus #bellmare

引分けの場合、勝ち点1を得たのか、勝ち点2を失ったのか。この試合では勝ち点2を失った試合だと思われる。

この試合をレビューする。

ベルマーレ・グランパスのスターティングメンバー

絶好調の相馬勇紀

ここのところ好調の相馬勇紀はこの試合もキレキレだった。ある意味貫禄すら感じるプレーだった。対面する岡本拓也・舘幸希は攻め上がりもままならないほど。

スピードはさらに増したようにも見え、サイドを翻弄していた。

5分のこのシーンはボールがこぼれることを予見して、うまく入れ替わった相馬勇紀の上手さを讃えたい。シュートはうまくコースを消した谷によって枠をそれた。

バランスを崩しにいった中谷進之介と湘南スタイル炸裂

プレビューでも書いたように、湘南ベルマーレのスタイルはインテンシティの高さに象徴される。

28分、ここまで我慢していた中谷進之介が持ち上がる。そこに身体を張ってボールを奪取したのが「天敵」山田直輝。

プレビューでも触れたように、(形こそ予想と違ったが)中谷進之介が引き出されてしまったことで、センターバックが1枚足りない、フィッカデンティが口を酸っぱくして強調する「守備のバランス」を崩した状態を作り上げてしまった。このような場面こそ、湘南スタイルの目指すところだ。

山田直輝が奪ったボールは繋がれ、中に絞った吉田豊の裏に走り込んだ町野修斗へ。

しかしそれを予見していたミッチがコースを消していたため、このシュートも枠を逸れた。

前半の2つの決定機は両チームの素晴らしいゴールキーパーによって点にならなかった。

退場と、湘南の対策

43分、三幸秀稔が2枚目のイエローで退場する。判定はまったく妥当なものだった。広大な広い中盤を支えるのでは、どうしても後追いの守備になりがちで、その犠牲になったと言えるだろう。

問題はこれで湘南ベルマーレが15mくらいラインを下げて、裏にスペースがまったくなくなってしまったことだった。

後半になるとFW町野修斗を下げて、大野和成をいれ、三幸秀稔の位置に田中聡を上げた。1トップの大橋祐紀を残して、残りのほぼ全員が自陣に引きこもった。

https://www.jleague.jp/match/j1/2021/040705/live/#coach

浮嶋敏監督「(以下抜粋)基本的にチャンスは何回かあると思っていました。まずはハイラインではなく10m、15m下げてラインを引いてチャンスがあればカウンターやセットプレーを取れればと思っていました。結果そのとおりゼロで進み、このままクローズするという交代カードの使い方をしました。」

引きこもって、チャンスがあればカウンター。このように割り切られていたら難しくなる。

フィッカデンティ監督「ただ、サッカーにはよくあることだが、相手はしっかり守り切るんだと、ペナルティーエリア内に全員が入ってしっかり守るとやってきた相手だと、クロスなど外からの攻撃しかない。サイドを変えながらクロスを何回も入れたが、守り切られてしまった。勝っても文句はなかった試合だったと思うが、今回は相手がやり切った試合だった。」

フィッカデンティ監督の言うように、確かに難しい状況ではあった。そのなかでもチャンスはいくつも作っており、湘南ベルマーレの懸命なブロックで防がれたチャンスもいくつもあった。よくあることではある。そのまま試合終了になってしまった。

サイドに付き合ってしまったグランパス

データを作るまでの時間がなかったが、グランパスの攻撃はサイド一辺倒。

プレビューでも書いたように、湘南ベルマーレは今年、ウィングバックとインサイドハーフが「アウトサイドハーフ化」して、コンビでサイドを制圧するという手法を取っている。

ベルマーレの三角形

上記の3角形の網に、真正面から向かい合ってしまった。これではなかなか崩せないのは無理もない。

本当にやれることはなかったのか?

このような試合だったが、個人的にはフィッカデンティ監督の言う「サイドを変えながらクロスを何回も入れた」だけが対策だったのだろうか。

献身性を利用して、相手を疲れさせることができたはず

湘南ベルマーレの湘南スタイルは高いインテンシティと、他の選手のプレーに貢献しようという献身性に支えられている。その代償は、スプリントとスライド(横にずれてスペースを埋めるプレー)だ。

ところがこの試合、グランパスはサイドチェンジもゆったりと回すだけで、スライドもスプリントもそれほど必要がない状態だった。

--後半に入って交代を88分までしなかった理由は?

浮嶋敏監督「名古屋さんも後ろでボールを回す展開が多く基本的にローペースだったので選手はそこまで疲労がきていなかった。あとはああいう守るペースですと代えづらいところもありました。ただトリプルボランチでスライドが段々遅くなってきたのであのタイミングで交代させました。あとは最後、セットプレーを受ける機会が増えると思ったのでセットプレーの対策も含めてです。」

グランパスがローペースだったので疲れなかったというのだ。

川崎フロンターレが得意な、何度も何度もサイドを高速に振って相手のスライドが追いつかなくして、できた隙間を三笘薫や長谷川竜也らが切り裂く。というプレーができればもっと速く湘南ベルマーレを疲れさせることができたはずだ。切り裂ける人材はグランパスにも居る。あとは隙間を作るプレーだけ足りない

これができるようになれば、グランパスはもっと強くなれる。

これからの成長に期待したい。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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