はじめに
コンウェンですこんにちは。21年シーズンお疲れさまでした。
名古屋グランパス21年シーズンの成績は
- J1リーグ 5位(来季ACLならず)
- 天皇杯 ベスト8(近年不参加も多かったのでヨシ!)
- ACL ベスト8(日本勢最高)
- ルヴァンカップ 優勝(俺たちがチャンピオンだ)
- マスコット選手権 3位(くやしいがヴィヴィ君はかわいい)
と、総じていえば良い成績と言って差支えない結果だったのではないでしょうか。
とはいえ、もちろんこれで満足して良いわけもなく、来年末には「全部獲っちゃいましたねテヘ」と書けるように(ACLは獲れませんが…)クラブにはより高みを目指して頑張っていただきたいものです。本記事では21年シーズンレビューとして、得失点にフォーカスして、21年を振り返るとともに、次シーズンへ思いをはせてみたいと思います。
21年名古屋のイメージ
21年の名古屋グランパスはどのようなチームだったでしょうか。おそらく大半の方が「堅守」のチームであったと答えるでしょう。Jリーグ記録となる21度のクリーンシートを誇り、もはや名古屋の代名詞と言っても過言ではない「ウノゼロ」での勝利は9回を数えました。
一方、攻撃は物足りないなぁとか、そこに付随してもう少し盛り上がる試合が見たいなぁと感じる方も多かったのではないでしょうか。
リーグ戦での得点は44(9位)、失点は30(2位)、失点数は見事の一言ですが,得点は優勝争いをするには若干物足りない数字です。とはいえ、攻撃が弱い、と言い切るほどでもない数字とも見えます。ただ数字以上に弱い印象があるのは確かです。その謎を解明するため、我々グラぽ探検隊はパンタナル奥地へと向かった――。
得点
では得点について見ていきます。
※この記事内のデータは相手のばらつきなどを考慮しリーグ戦のものに限定しております。また、私が手集計してますので間違いがあった際には優しく(重要)ご指摘ください
得点者×ゴール属性
まずは得点者×ゴール属性についてのグラフです。
- 得点王は8点で稲垣、次点でマテウスとクバの7点
- どんな時もそこにいる。ストライカー稲垣
- チームが有利な状況で元気。マテ
- 途中加入なんだぜ。それで…クバ
- 大半が先制点と追加点
- 同点弾はクバのFKからの1点のみ
- 勝越弾(先制含まず)はゼロ!!
知ってた、ではあるのですが改めて視覚化すると衝撃です。同点弾1、勝越弾ゼロ。つまり、先制後同点にされる、もしくは先制されると、もう勝ててないのです。
一方でスコアレスの中から先制する事、先制すると追いつこうと前がかりになった相手に対してさらに追い打ちをかける事は得意と見えます。現にウノゼロウノゼロ言いながら3得点以上の勝利も5試合あるのです。
これが「確かに攻撃が弱いとはいえ、いうほど点が取れてない訳でもないけど数字より弱く感じてしまうのなんでだろう」の正体だったのだ!!
おそらくは、
プランA…「相手を徹底的に研究の上、キックオフ時のバランスを保ちつつ失点防止を最優先にし、なんやかんや先制し、隙あらば突き放して、気合で守り切る」の形はかなりの精度で実行できるようになったのでしょう。
一方、プランB…「先制され相手がやや守備的になったときにこじ開ける」プランC…「流れの中で同点となりかつ互いのバランスがキックオフ時と異なるときに何とかする」このあたりが不十分なのでしょうか。
得点時間帯
得点した時間帯です
- 後半開始早々の得点が多い
- 試合終了間際の追加点が多い
この辺も名古屋の狡猾さ、「プランA」の良さが現れています。先制もしくはスコアレスの状態で迎えた後半開始早々、相手の出方をHTで整理し出鼻を挫く。いよいよ時間が無くなり前に出るしか無い相手をあざ笑うかのように突き放す。最高に気持ちがいいですね。嫌なチームだ。
得点パターン
次は得点パターンです。どのようなプレー、流れから点を取ったかになります。なお、分類は特に細かい定義はなくぶっちゃけ私の主観です。細かいことは気にするな。
- トップ3はサイドクロス、ロング/ショートカウンター
- セットプレーが次点(CK/FK合計ならトップタイ)
主体はイメージ通りカウンターからの得点が主流です。スコアレスの中で時間がたち、あるいはリードされ焦り前に出てきた相手を逆に刺す。これらがきっちりプランニングされ実行できているのが、追加点はそれなりに取れているという結果にも現れているようです。サイドクロスも、密集地帯に放り込んで高さでズドン、ではなく、カウンター気味に相馬(チームアシスト王)等で裏を取り、中が薄いうちにクロスという得点が多く見られました。スピード、運動量のあるサイドの選手と、無類の決定力を誇るクバを擁する名古屋の得意パターンになりつつあると感じます。こぼれたらこぼれたでストライカー稲垣がそこにいるしね。
失点
ここからは失点を見てみます。
対戦相手×属性
まずは対戦相手×属性のグラフです。
- 特定チームにボコボコ
- 被勝越弾は2点のみ
なんというか、川崎さんと鳥栖さんにボコボコにやられてますね。はいはいつよいつよい。
保持&攻撃に絶対の自信を持ち、迷いなくすり潰して来る相手には流石の鉄壁ブロックもなかなか厳しいものがありました。
一方、リーグ2位の失点数、「これ以上堅くなってどうするんでしょう名古屋」は伊達ではなく、被勝越弾は鳥栖戦とC大阪戦(これはダメージでかかったけど…)の2試合のみでした。同点にされることこそあれ、そこからさらに崩される事の無い堅実な試合運びは素晴らしい物が有りました。
失点パターン
失点パターンを見てみます。
- お の れ セ ッ ト プ レ ー
- カウンターをもらってるのは流石に少ない
上記のウキウキで保持して攻め込んでくるチームは置いといて()、硬いブロックに関係なく点が取れるのはやはりセットプレー。強力なキッカーがいるチームは怖いです。そうでなくてもゴール前にボールが来るだけで事故は起こりえますしね。
正直セットプレーに弱いという程ではなく、全体の失点が少ない分悪目立ちしてるのもあると思いますが、課題なのは違いありません。
失点時間帯
失点時間帯を見てみます。
- 後半の被先制弾無し
なんと、前半ゼロで抑えると先制弾を喰らってません。プラン通り行ったときの名古屋。恐るべし。
状況別得失点率
同点、勝越弾が少ないのはそもそもリードを許すシーンが少ないからなのでは?と思ったので、90分換算した状況別の得点率を出してみました。時間はざっくり&ロスタイム等も考慮してないので多少の揺れは容赦ください。
- スコアレス/勝ち時に比べ負け時の得点率ダウン
- 失点率は負け時にアップ
時間あたりに換算しても、やはりリードを許した際の得点率は下がっています。相手が守り方向にシフトした時に、そこを切り崩す術が乏しいのでしょうか。一方リードした際の攻撃力の頼もしさたるや。嫌なチームだ(2回目)。
22年グランパスの進む道
どうまとめようか考えているうちに監督の交代、選手の入れ代わりなど様々な動きが有りました。まだ体制も判明してませんし、私は長谷川監督の人となり(参考:ラグさんの記事 長谷川健太・グランパスってぶっちゃけどうなりそう? #grampus | グラぽ )は勉強中なので、今後どういったサッカーになるかは正直不明ですが、現在の路線を継続する想定で言うと
- 先制されなきゃやたら強いをさらに突き詰める(さらに硬く&セットプレー守備改善)
- 最悪先制されても殴り返せる武器を持つ
が進むべき方向であると考えます。
1つ目は言わずもがなの堅守の進化と深化、2つ目は相手の守備固めや流れに関係なく殴れる様、FWやセットプレーの強化、もしくは変わった流れやバランスに柔軟に対応できるピッチ上の監督を育てる、使う、などなど…。
新しい編成、監督のもとでこのあたりがどうなっていくのか注目したいと思います。
最後に
書いてみればおそらく皆さん「知ってる」内容であったと思いますが、21年名古屋の得失点の最も特徴的な部分は下記となりました。
- 同点、勝越弾が少ない
- 逆に被勝越弾も少ない
なんだかんだサッカーは得点シーン、特に同点や勝越シーン(あんまり見たくないですが被弾も含む)が一番盛り上がります。そういった点が少ないこと、それが「攻撃の弱い」「盛り上がりに欠ける」印象をもたらしているのではと感じました。
ただ、それはプラン通りの試合展開に持ち込み、結果を残した結果であり、フロント、監督、選手、その他関わったすべての方に惜しみない拍手を贈りたいと思います。
とは言いながら、私はこの堅守をさらに硬くしつつ、いざ殴ろうと思えばいつでも殴れるんですけど?という、他チームにとって悪夢のような22年名古屋グランパスを夢見てやまないのです。
それでは皆様、よいお年を。
おまけ
ウノゼロウノゼロ言うから先制したらもうクローズだーってTwitterで「とりかご」画像貼ってたけど追加点は割としっかり取れてるのよね。ごめんよマッシモ。来年「とりかご」どうするかは置いといてとりあえず年内貼り納め。
フロントよ、現所属選手&ほしい選手に対して