みぎさんの6月9日のエントリーは素晴らしかった
まだ読んでいない人は是非読んでみて欲しい
ブログは2年目の長谷川健太監督にフォーカスされているし、貴田遼河プロについても尺が取られている。若手に対するアプローチについてもインタビューで沢山書かれている。
もう一度書くが、是非読んでみて欲しい。
そのなかで感じたことをつらつら綴って行く。
みぎさんの記事でも書いてあるが、貴田遼河はこれから出場機会を得ていくだろう。
恐らく、甲田英將や、石田凌太郎もこれからもチャンスを得られるだろう。
だが、僕が心配しているのは残りの3人だ。
吉田温紀と豊田晃大の現在位置
名古屋グランパスの若手の出場機会をまとめてみた。
リーグ戦 | 先発 | メンバー入り |
甲田英將 | 0 | 8 |
貴田遼河 | 0 | 6 |
石田凌太郎 | 0 | 5 |
吉田温紀 | 0 | 2 |
豊田晃大 | 0 | 0 |
行徳瑛 | 0 | 0 |
吉田温紀が昨年6試合の出場機会だったが、今年は既にいまの時点でカップ戦だが先発が3回もある。豊田晃大については昨年の天皇杯途中出場1試合のみ。しかし今年は先発1回、試合出場2回まで来た。とはいえ、まだ物足りない部分があることは否めない。
ルヴァン・天皇杯 | 先発 | メンバー入り |
甲田英將 | 4 | 5 |
貴田遼河 | 3 | 3 |
石田凌太郎 | 2 | 5 |
吉田温紀 | 3 | 5 |
豊田晃大 | 1 | 3 |
行徳瑛 | 0 | 1 |
どうしたら豊田晃大と吉田温紀は試合出場機会を増やすことができるのだろうか?
長谷川健太のヒント
今年、豊田晃大が初出場したルヴァンカップ横浜FC戦のあとのインタビューで長谷川健太監督が以下のように語っている。
これがまず第1のヒントになりそうだ。
ーアタッカーという点では豊田晃大選手も前節は途中から出場しました。
この間は時間が短かったですけど、「おっ」というプレーをしてくれました。昨日、晃大には『「おっ」が「おぉーっ!」ってなるように、これから頑張れ』という話をしました。この間は「おっ」っていう小さな“お”が出るようなプレーをしていたので、その“お”がちょっと強くなるとさらに出番が増えてくるし、「おぉーっ」ってなれば「リーグ戦に出ちゃうぜ」という話をしました。そうなってほしいと思っています。
ー吉田温紀選手についてはいかがですか?
温紀はこの間もいいプレーをしていました。今シーズンはなかなか出番がなかった中で、しっかりと準備をしてくれたと思います。イエローがなければ後半もある程度の時間使おうと思っていました。
4/21(金)長谷川健太監督トレーニング後コメント | インサイド・グランパス
これをもうちょっと判りやすく書き直してみよう。
まず、長谷川健太はいきなり大抜擢とかを行う監督ではない。少なくとも最初のチャンスはだいたい最小限のものになる。吉田温紀の初出場は45分で終えているし、豊田晃大も10分程度とわずかな時間だ。そこである程度良い結果を出さないと次のチャンスは与えられない。
このステップをキッチリと踏ませることが長谷川健太のメソッドなのだろう。
豊田晃大のこと
豊田晃大はプロ一年目の初出場でほとんど爪痕を残せなかった。彼は高校2年生を1年間棒に振っており、高3はそのリハビリも必要でなかなかコンディションが上がらなかった。それでも高校1年までに見せた輝きが彼を昇格に導いた。それだけ買われているということだ。
しかしプロ入り1年目はほぼ身体作りに費やしていたといって過言ではないだろう。
だから仕方ない、と言えるのは、それが僕らが他人だからだ。
豊田晃大に次のチャンスが与えられたのは翌年のことだった。本人は間違いなく、忸怩たる思いを抱えていたはずだ。
忸怩たる思い:自分でもどうにかしたいと思っていたがどうにもできなかったときの感情
だが、プロのプレーヤーに与えられたレギュラーの席は11しかない。いまそこにいる選手というのは、そこにいるために結果を残してきた選手だ、と言えるだろう。
誰かがそこに割り込むということは誰かが外れるということ。決してきれい事では終わらない。
レギュラーじゃない状態の、短い時間で光るプレーを見せ、出場機会を増やし、そして結果を残すことで下剋上を果たす。
豊田晃大はルヴァンカップヴィッセル神戸戦で光るプレーを最低3回は見せた。次は結果を残すだけだ。
天皇杯ヴィアティン三重戦ではフィールドプレーヤーでは1人だけ出場できなかったが、ルヴァンカップサンフレッチェ広島戦ではまたチャンスが得られるはず。頑張れ豊田晃大。
吉田温紀のこと
吉田温紀は181cmと長身で、中盤の選手としては恵まれた体格をしている。そのせいかチャンスは比較的早めに与えられた。
昨年のルヴァンカップ清水エスパルス徳島ヴォルティス戦ではゴールも決めている。
だが、吉田温紀のポジションは守備的な中盤か、センターバック。目に見える結果が出しづらいところでもある。上で紹介した長谷川健太のメソッドからすると、次のステップに進むのが難しそうだ。
ましてや名古屋グランパスの中盤はヴァンフォーレ甲府のレギュラーだった山田陸がベンチにも入れないという激戦区だ。
吉田温紀はいまのところ、ベンチ入りすら1試合だけ、出場はない。
吉田温紀がブレイクスルーするにはどうしたらいいだろうか。
ヒントは貴田遼河にある。
ヴィアティン三重戦での得点のあと、長谷川健太監督は貴田遼河について「これからは出場機会が増える」と明言をしている。
もちろん酒井宣福が怪我をしたことも大きいと思うが、以下の2点が大きい要素だと考える。
- 複数回、目に見える結果を出した
- 試合時点ではリザーブメンバーの長澤和輝・酒井宣福だけでなく、レギュラーのマテウス・カストロともプレーをし、終盤は和泉竜司・森下龍矢・稲垣祥というレギュラーメンバーとも一緒にプレーして、問題ないことを示した。
実は、出場機会を増やすにはこの2つが重要なのでは、と考える。
先ほどの若手登用のメソッドに1ステップ積み重ねるとこうなる。リザーブ常連まで登り詰めれば、あと一息となる。
残念ながら天皇杯ではヴィアティン三重に2点を奪われ、3ステップ目から先に進めなかった。
だが、まだリミットになる高卒3年目までは時間がある。頑張れ!吉田温紀。
次こそ、4ステップ目に・・・!