忍者「どうも忍者です」
記者「どうも記者です」
忍「勝ちましたなー」
記「苦しみましたねー。8月13日豊スタ鹿島戦以来、ほぼ1ヶ月ぶりの勝利です。」
忍「そういうわけでそろそろルヴァン勝ち抜け達人Y氏の話をしよう」
記「誰やねん」
忍「Y氏は愛知県在住の20歳男性。事前のスカウティングでわかっていた危険なエリアに入り込む。安全なエリアで漠然とプレーしているのではない」
記「回りくどいわ! 吉田ハのことですね」
忍「Y氏は」
記「しつこいわ! そもそもその元ネタわかる読者多分少ないでしょ!」
忍「(´・ω・`)」
記「試合を順番に振り返っていきましょう」
忍「この試合、両チームは基本的には前回の流れを踏襲してきていた」
記「前回、お互いに決して悪くなかったですし、日程的に細かい戦術練習も難しいでしょうから当たり前ではありました。強いて言えば前節結果を出した松村をいれ、サイドに病気の癒えた樋口を投入してきて、動いたのは鹿島でした」
忍「しかしお互いに誤算だった点が何点か」
記「なんでしょう」
忍「まず鹿島としては、立ち上がりのハイプレスで一発グランパスを殴っておいて、主導権を握ろうという狙いだったと思われるのだが」
記「和泉一人の頑張りでグランパス自陣PAから持ち上がられ、コーナーを取られちゃったんですよね」
忍「和泉の頑張りとコンディションの良さがまず鹿島の誤算。そしてグランパスがこの試合用に仕込んでいたと思われる必殺のコーナーアタック『相手ゾーンを押し下げさせた上で中島が逆の動きで下がってフリーで叩く』が見事なまでに発動してしまった」
記「前回、15本でしたっけ? コーナーを無駄にしたけど、それだけ研究させてもらったことが明らかに活きましたよね」
忍「2本目以降では速攻で鹿島も対応してきていたので、一発で仕留めてくれた中島が素晴らしかったでござる」
記「望外な形で試合の主導権を握ったグランパス、露骨に動揺していた鹿島に襲いかかりました」
忍「特にツカサのヘディングは1点ものだったので、決まってればな~、でござった」
記「中島も、ゴール以外も良かったですよね」
忍「かなり収まっていたので、なんとなくグランパス伝統の『高くて強い外国籍FW』を思い出させられましたな」
記「走力も問題なしですしね。ここにきて、中島の本領が発揮されてきた感じです」
忍「正直、中島が下がってからのロングボールの落ち着かなさを見て、しっかりビルドアップできないなら中島を置いとく方が良いじゃん、と思ってしまったでござる」
記「鹿島はどうだったでしょうか」
忍「相変わらずしゃらくさかった鈴木UMA筆頭に、まあ選手のクオリティは大したものでござった」
記「基本的にはやっぱり鈴木にとにかく一度当てて!という攻撃でしたが、抑えられなかったですねえ」
忍「グランパス守備陣が危ないところはほとんど潰してはいたものの、特に右サイド低めに流れる鈴木を捕まえきるのは不可能でござる。古のリベロシステムでもってCBを1人完全マンマークでつけるとかでもしない限りは」
記「そんなこんなで後半に」
忍「柴崎、でござるなあ」
記「まさか出てくるとは。しかもこんなにコンディションが整っているとは思いませんでした」
忍「これで鹿島の2CMFが柴崎とピトゥカという『マジで攻守に何でもできる二人』となって、まあ捕まえられない」
記「良い選手だと知ってはいましたが、ああも前線の足元にピッタリ縦パスを通されるとキツかったですね。ピトゥカとの位置関係も変幻自在でしたし」
忍「グランパスとしては、どちらかというと柴崎からのパスをレシーブしたところで潰そうとしていたと思われるのでござるが」
記「あれよあれよと失点してしまいました」
忍「ディフレクションがあって絶妙なコースに流れ込んでしまった。不運でもあったし、しかし枠内にちゃんとシュートを打てばああいうことも起きる、ということでもあり。やはり基本的にシュートは打たせてはいけないのでござる」
記「あとは攻勢を強める鹿島と、なんとかカウンターで刺したいグランパスという展開となりました。全体的にはどうだったでしょう」
忍「グランパスもけっこうビルドアップにトライしていたし、おいおい自陣PA付近でそんな繋いじゃうんかい! 的なシーンも散見されたし、本当はもっとクリーンに前線にボールを届けたいんだろうな、という狙いはよくわかったのでござるが」
記「構造的に内田が相手中盤で取り囲まれていることが多くて、そしてそこを経由しないとしんどいので経由するんだけど、そこでやっぱり引っかかってしまう、という状況は目につきました」
忍「内田をスキップして一発で前に、というのも言うは易いものの確率的にはけっこう難しいので」
記「それでも相手SBを広げたところに河面が突っ込む等、けっこう美しい攻撃もあったんですよね」
忍「鹿島は鹿島で伝統のアタックというか、SHは中に絞って大外はSB、あとは鈴木とCMFで適当にどうぞ、という感じでござった」
記「なんかすごいテキトーっぽく聞こえるのですが」
忍「選手の質が伴っていてそれで上手く回るなら何の問題もない。柴崎ピトゥカの中盤は強烈なので、J1リーグでもまた大いに勝ちそうでござる」
記「J1での対戦が終わっていて本当に良かった」
忍「あとはこの試合の結果を左右した吉田ハの投入。内田が脚を攣っていたのでどこまで引っ張るかなあと思っていたが、まさかそこに吉田とは」
記「しかも稲垣を一列下げて吉田とツカサを並べる配置に変更しましたね」
忍「あれは長谷川健太監督のリスク管理が垣間見えたかな。低い位置に吉田がいてそしてミスってしまうと失点に直結してしまう確率が高かったと思われるため、もしミスるなら高い位置での方がマシということで」
記「そして決勝ゴールでした」
忍「相手に2回当たってのゴール。グランパスの失点での『不運』がこんな形の『幸運』となって返ってくるとは。勝利の女神の微笑みを手繰り寄せた吉田に素直に乾杯といたそう」
この試合の良かったところ
- 自らの存在価値をこれでもかと示してくれた中島。鹿島のCB相手にこんだけやれるのはすごい
- 吉田ハのゴール(それ以外は色々ちょっとまあ、はい……まだまだお勉強が必要な感じはかなりありましたが……)
- 失点シーンも含めほぼ完璧な守備対応を見せてくれた守備陣
- 「ホームアドバンテージ」という概念をこれでもかと見せつけてくれた実況さん
この試合の(´ε`;)ウーン…
- 勝ち抜けたからヨシ! なもののゲーム運びとしてはかなり危うかったので、頑張って欲しい
- 致し方ないことではあるのですが、疲れてきた時に露骨に判断の精度が落ちる選手が何人かいるような……
最後に
記「課題もあったんですけどね、勝って課題を語れることが良いですよね」
忍「うむ。次があるので」
記「徐々に自信を掴んでいってほしいものです」
忍「ユンカーの惜しいシュートなんかもあったし、そろそろツカサの入った前線も何かを掴みつつあるような気はするでござる。好意的勘違いかもだが」
記「ファンっていうものはそういうものかと」
忍「おあとがよろしいようで」
記「それではまた次の記事でお会いいたしましょう」
忍「ニンニン」