敗戦で学ぶ事。この差だったかもしれない。
夏の広島3戦、2敗して何ができるのか考えた名古屋、2勝して自分達の正しさと自信を強固にした広島。
正しさと自信の裏にあった名古屋が突けた隙を広島の視点を中心に振り返ってみる。
試合情報
前半戦からの変更
広島の形は自分達を信じて1st legとほぼ変わらない形、センター2人を縦関係にし中盤でダイヤモンドを作る。加藤&トルガイのIHコンビの出し入れの約束も継続。
1st legとの変わった所でいえば、ドウグラスが頭からスタート。それに加えて川辺が最終ラインに降りる。そしてサイドに逃げるといった形を増やした。
ドウグラスに対する高いボールが怖いと言うよりは35:00〜のシュートのように加藤andトルガイの出し入れで決めたスペースにドウグラスが顔を出すような形が怖かった。
一方で川辺が選択した「ボールを受ける為の逃げ」は後ろとサイドに逃げられる状況であれば名古屋として楽だった。
川辺のビルドアップ時の立ち位置のベクトルが後ろであればダイヤモンド型の頂点にいる松本がサポートに降りてくる。広島の中盤が3枚のみ(CMF+IH)になる状況になれば前線で蓋をしてCMF対IHのマッチアップを作る事ができる名古屋は守備がし易い。
(リーグ戦では塩谷がアンカーポジションで川辺と松本がCMFポジションに立つような形も多く2人が降りている形だったが、ルヴァンは2戦とも出し入れを決めて前を厚くしていた)
広島はアンカーポジションの選手が後ろ向きに降りた時に中野、新井2人の右サイドのリソースで形を整える様な設計になっているはずだった。
1st legからだったが中野に対して森島を貼り付けておく事で中野の出足が渋ったのは2nd legの方が効いていたかもしれない。
後半の意識の変更
広島は51:45〜のように中野が森島に張り付かれてる事を逆手に大外の1対1にボールを送る。
それに加えてトルガイがボランチに移動し、2センターでビルドアップに加わる時間が増える。名古屋としては前から5v5が形成できる代わりに後ろのスペースで数的優位を作る事が難しくなる。
トルガイの球の捌く早さや角度をつけるちょっとした動きに名古屋は苦労した。
中島が入った事や彼の東との外からのアプローチ(外から斜めに入る動き)を見てもピッチの奥外で名古屋のバランスを崩して中央が空けば。という意図を感じるものとなった。
試合雑感
- キャスパー、中山、永井が入ってから単純な縦走りからボール保持者を斜めに追い越すような動きが増えた。
- 広島は自分達からボール回収の形にハマったが、その後のIHやセンターの守備の切り替えの対応がリーグ戦で対戦した時に比べて緩い人選だったのでかなり楽が出来た。
- オウンゴールは名古屋も良くあるが、保持の最中にミドルゾーン(右サイド)で急にギャンブルパスが出たのが全て。やり直しの選択や脱出出来ると踏んで左サイドもラインを上げていた「自信」を突いた。
- ルヴァンを通して広島と名古屋の両チームで学んだのは前線の選手の守備技術の重要性。
さいごに
自分達だけ見るとつまづいているように見えるが、隣の芝もちゃんと手入れに苦労している。
相手の苦労を観察して下を向かない事が名古屋がカップに近づく近道かもしれない。