新監督の元で新しいスタートを切るグランパス。ミシャ式やバスケスタイルのシーズン前の記事で履修しワクワクしてる方も多いと思います。
見えない事を想像するのは苦手なので、ミシャ監督を選択した訳、可能性を健太監督がグランパスで過ごした道を振り返りながら考えていると「新しい」じゃなく「最高の継続」を選んだ気がしたのでシーズンプレビューに換えて少しだけ。
スタートは同じ
健太さんと最初に組んだコーチが大島コーチでした。ガンバ時代からの右腕。
大島コーチが強調していたのは「人がいない所への意識」でした。練習時、人からボールを出す所から受ける所まで「初期配置のその後」を常に強調させ、数年前の出来事ですが未だに印象に残っています。
(当時は練習公開も多かった為、そこで同じようなニュアンスの言葉を投げかけている大島コーチの姿を見る方も多かったのではないでしょうか?)
それによってあの頃チームの武器になっていたのが3列目の選手達がポケットを取って折り返すような形、代表的な形として稲垣や重廣が人を追い越して侵入していくような形が多くありました。
一方で「対面から優位を取る為の勝負をし続ける事」は以前までのリスク管理をしていた所からの転換でもあり、ネガティブトランジションの速度や意識の部分での課題、ビルドアップの部分では人がいない所へ誰が侵入して、誰が配球するのか?の細かなセットアップは選手に任せつつシーズンを戦う事になりました。
意識改革のチャレンジから数年が経ち現在ミシャ監督化で再び「配置のその先」の再挑戦が始まりました。そのスタートは全員が苦しみながら理解しようとした健太監督&大島コーチ時代からスタートした旅路でもあります。
ミシャ監督になったから全てが変わったわけではなく種を蒔いて来た健太さんやクラブの思いを引き継ぐ形となった今シーズン。
新戦力も注目ですが、今に至る種を蒔かれた選手にも大きな期待をしたい所です。
欧州の風を感じて
健太監督がドイツの数チーム、特にレヴァークーゼンの視察に行った事が話題となりました。当時はシャビアロンソ監督が指揮を執り好成績を収めていました。
スタイルやビルドアップ部隊が広く展開をせずに中央が引いて顔を出す事で外側へ選手が押し出されるような形、更にはプレスを誘い、相手のギャップを作るスタイルが当時の十八番のレヴァークーゼン。
補足:スタイル解説→ https://birdseyefc.com/tactics/tacticsanalyze/2023-24leverkusen/
この頃成績の良いチーム、注目されるチームに見られたのが「プレス誘発や回避」のワードでした。
世界一のクラブを決めるCWC(クラブワールドカップ)ではマンツーマン守備のパリサンジェルマン対プレス回避のチェルシーとの矛と盾の頂上決戦となりました。
戦術の細かなセットの部分に注目されがちですがレヴァークーゼンに関してはブンデスリーグでも最上位に当たる個人の質を持つ選手も多く、戦術の裏に肉付けされてる個人の質の土台の差で「攻める側と守る側」にスタートからはっきりしている試合も多くありました。
補足:CWCで優勝したチェルシーはビルドアップ部隊に当時、若手も多く、技術や質の部分でのプレミアリーグでの上位との差、プレーの調子の波が大きかった事もあり長期戦の国内リーグではうまくいかない事も多かった。
少し脱線しましたがグランパスの話に戻しましょう。「後ろに重くしながらプレス誘発」の部分や後半に入り相手のプレス強度が下がったタイミングでの保持のプランニングは健太さん自身もトレンドを踏襲するような形が見られました。
難しかったのは「硬さ」の部分。参考資料のレバークーゼンの解説にもありましたが、「圧倒的な技術力」に裏打ちされた流動性やパス回数があるからこその守備機会の減少や楽さ。
個人の技術力と選手や戦術の流動性は必ず相互の関係になっています。それは試合に於いて「自分の技術力の数値」では無く「相手との数値の差」になります。その「数値の差」は戦術(他の選手の技術力を絡める)事で局所的に解決できますが、それもまたどこかで「数値の差」がある事が大前提で結局は「相手との差」に戻ってくる話になります。これは「対決」という分野では避けられない関係性です。
この差に苦労し、差分を作れる選手達が怪我をしていく悪循環がチームを襲いましたが、あの当時厳しい意見を監督に投げられていた中でトレンドの本質を理解し挑戦していく姿があったから今があるように個人的には感じます
補足:中山の左起用や森の抜擢も「差分」を作る為の観察眼の鋭さかな?と思ったり。
新しいスタート=最高の継続
ミシャ監督化ではその質の差分を守備二の次で「走る」事で補っています。(狂気!)
ミドルゾーンでのプレス誘発をスタートした段階でほぼ全選手が差分を作る為にスペースに走ってズレを作る姿。
両方共にどこかで見た光景でした。
健太先生からの最後の授業を仕上げる事が出来るのか?それはミシャ監督のミッションというよりは
選手達が送る事が出来る最後の健太さんへの恩返し。
いよいよシーズンスタート。