2024年のグランパスの代名詞でもあった、ガンギマリハイプレス。2026年のミシャ式になって、かけられる側に回るとメチャメチャ嫌なものであることがわかりました。
中2日でもこのプレスを90分かけ続けることができた神戸に、完敗という感じだと思います。
ハイプレスかけられるとどうなるのでしょうか?
ハイプレスをかけられると、不正確なロングボールが増える
結論から言うと、ハイプレスをかけられると、かけられた選手は余裕を持ってパスを出すことができなくなり、パスミスが増えます。
また、パスコースが消されることが多いので、ロングボールに逃げることが増えるようになります。
| ロングボール | 成功数 | 成功率 |
|---|---|---|---|
チーム | 67 | 34 | 51% |
シュミット・ダニエル | 20 | 7 | 35% |
原輝綺 | 5 | 1 | 20% |
藤井陽也 | 13 | 8 | 62% |
佐藤瑶大 | 2 | 2 | 100% |
高嶺朋樹 | 10 | 5 | 50% |
稲垣祥 | 1 | 1 | 100% |
中山克広 | 4 | 1 | 25% |
浅野雄也 | 1 | 1 | 100% |
森島司 | 2 | 2 | 100% |
ヴィニシウス | 2 | 2 | 100% |
山岸祐也 | 0 | 0 | |
菊地泰智 | 4 | 1 | 25% |
森壮一朗 | 1 | 1 | 100% |
和泉竜司 | 2 | 2 | 100% |
まずは繋ぐ姿勢が、とラグさんの記事にありました。
ところが実はトータルで言うと増えてしまっているのです。
といっても、前目の選手は基本的に減少傾向です。増えたのは後ろの選手がほとんどです。
ダンで+15、藤井陽也で+7、高嶺朋樹で+4、これだけで+26。ほかの選手は減っているのに。
これはこの3人を狙ってプレッシャーが掛かっていた or ほかの選手からの逃げ場にされることで結果ミスをすることになった。と考えられます。
どんなに豪華なFW陣も、ボールがこなければどうにもならない
不正確なロングボールでは、前線に届きません。山岸祐也が、ヴィニシウスが、とゴールを挙げられなかった選手を責める人が少なからずいましたが、問題はロングボールに逃げたことで、前線に繋げることができなかったことだと思います。
山岸祐也のボールタッチ数を比べてみましょう。
- 岡山戦:タッチ24(1-1同点)
- 福岡戦:タッチ38(1-5勝利)
- 神戸戦:タッチ14(0-3敗戦)
これを見ると、いかに山岸祐也に届けることが大事なのかおわかり頂けると思います。
原輝綺のサイドチェンジが不発
また、名古屋の大きな武器になっていた原輝綺のサイドチェンジ。
対角で逆サイドに届けるのが得意だったわけですが、普段のパスと角度が違うことがわかります。
左サイドの対角にいる中山と、待つ位置が合わなかったのか、それとも中山の位置が低すぎていい位置で出せなかったのか
本人に聞いてみるしかありませんが、この試合では正確さに欠けました。佐々木大樹の対応も苦しかったのだろうとは思います。
これもハイプレス対応の影響があったと考えられます。
また、原が持ったらサイドチェンジ警戒というスカウティングがされていると、通りづらくなってしまう、ということもありそうです。
ハイプレス対策はどうしていけばいいのか?
サッカーのハイプレス(前線からの厳しい守備)戦術は、相手ゴールに近い位置でボールを奪い、即座にチャンスを生み出せる戦術です。しかし、ハイリターンである分、明確なリスク(デメリット)も伴います。
主なデメリットは以下の4点です。
1. 体力の消耗が非常に激しい
ハイプレスを機能させるには、選手たちに90分間走り続ける無尽蔵のスタミナと、何度もスプリント(ダッシュ)を繰り返すフィジカル能力が求められます。試合終盤になると疲労からどうしても足が止まりやすくなり、プレスがかからなくなって一気にチームの陣形が崩壊するリスクがあります。
しかしまだ比較的蓄積疲労の少ないシーズン序盤で、しかも涼しい時期には、この試合のようにハイプレスが90分続いてしまうことがあり得ます。
2. ディフェンスラインの背後に広大なスペースができる
前線から相手にプレッシャーをかけるため、必然的にディフェンスライン(最終ライン)を高く設定してチーム全体をコンパクトに保つ必要があります。これにより、キーパーとディフェンダーの間に広大なスペースが生まれます。
この日の名古屋グランパスはその背後を狙う攻めが明確に見てとれました。その狙いは良かったのですが、実現する質が不足していました。
3. 高度な戦術理解とチームの連携が不可欠
ハイプレスは「とりあえず前線の選手が走り回る」だけでは機能しません。「誰が」「いつ」「どのコースを切りながら」プレスに行くのか、チーム全体がひとつの生き物のように連動する必要があります。1人でもサボったり、プレスのタイミングがズレたりすると、そこにパスコースが生まれ、簡単にピンチを招いてしまいます。
4. パス回しが巧みな相手には「逆効果」になる
足元の技術が高く、プレッシャーを受けても冷静にパスを繋げるチーム(ポゼッション戦術に優れたチームなど)に対しては、プレスが空転することがよくあります。
相手にプレスを上手く「剥がされる(突破される)」と、プレスをかけているチームの選手が前に出ている分だけ守備陣営の人数が足りなくなり、数的不利な状況で決定機を作られてしまいます。
この日の名古屋グランパスはまだそこまで至っていなかった、ということです。それでもいくつも、たとえば前半の山岸が抜けだしてのときのようなシュートシーンを作れたのは収穫ですし、あと少しです。
最後に
ガンギマリハイプレスをかける側から、かけられる側を選んだのですから、あとは質をあげていくしかありません。もっと高い質になるように応援し続けましょう。


