はじめに ― あの頃の自分へ
アンセム・チャント・コール。
呼び方は様々ですが、僕らサポーターが自らの声で想いを伝えるこれらの応援。
今年、この中でもアンセムと呼ばれるクラブを象徴する応援歌が新しくなります。
今日は、スタジアムに来ているのにまだゴール裏に一歩が踏み出せていない、あの頃の自分みたいな人に向けて書きたいと思います。かつての僕が、まさにそうだったから。
チャントは”ただのBGM”だった
僕がまだJリーグを真剣に見ていなかった頃、サッカーと言えば日本代表。
当然、現地観戦に行くこともなく「サッカーを見る=TV観戦」だった頃は、チャントはただのBGM。
誤解を恐れず言うならば、何のために歌っているのか理解不能でした。
その後、初めての現地観戦。
軽い興味で足を運んだその時に感じたことを記憶を頼りに言葉にするならば「音」。
迫力あるなー!なんて一緒に行った友人と話はしても、その時の僕にとっては風景の一部でした。
コロナ禍、そしてゴール裏への一歩
その後、コロナ禍を経てどっぷりとグランパスの沼にハマった時も、当然声出し応援が不可の時期でしたから
それまでの先輩サポさん達が声出しを求め続けている理由も、なぜあんなにも求めているのか、正直わからなかったです。
それから指定席化もあってゴール裏に足を運ぶようになり、手拍子応援が可能になったくらいでしょうか?
応援が選手に与える力を徐々に感じ始めたりした頃に、遂に声出し応援が再開されました。
二階席のドキドキ、一階席への決意
その頃には、自分も声出し応援に参加してみたい!
そんな気持ちを持ちながら、ドキドキしながら最初は二階席を取ったのを今も覚えています。
当時は座席も間隔を空ける必要があり、一階席が取れなかったのもあるんですが最初は勇気が出なかったんですよね(笑)。
初めてのゴール裏一階席
そして当日。現地で試合が始まっても周りが全然声を出さず、どうして良いかわからずに初戦は不完全燃焼……。
「これは下に降りないと何ともならないな?」
っと意を決して、その次の試合で一階席のチケットを何とか確保!
そして当日…ちょっと端の席ではありましたが、初めてのゴール裏一階席。
その集団の中で応援が始まった時の雰囲気は今でも覚えていますが、
それでも最初は「すげぇ!」とか「カッコイイ!」とか、お客さん感はあったと思います。
必死で覚えたつもりのチャントも所々わからなかったりね?
最初は聞き取って歌うことだけで精一杯だったんですよねー。後の席のサポさんが凄く大きな声で歌っててそれに乗っかって歌い切った時にあぁ良い歌詞だなぁと。
僕らのアンセム・オブ・ナゴヤ
それでもその雰囲気を好きになり、通い続けて繰り返し歌っていくうちに馴染むというか想いを乗せれるようになっていったりするのですが、
名古屋のアンセム…これが最初は本当に覚えるのが難しくて。
YouTubeで再生してみても音割れしてたり、現地でも別のBGMが被ってしまっていたり。
最初は歌い出しの「この街に生まれて育った俺らがここに居る、勇気と力を与える為にここに居る」だけは精一杯歌おうと決めてましたねー。
だから何度も歌詞カードを見直して暗記して、ちょっとずつ覚えた曲だけに思い入れも強い、僕らのアンセム・オブ・ナゴヤ。
いつの間にか試合前に自分のスイッチを切り替えるルーティンみたいになったりもして、
大事な試合の前には感情移入して、気持ちが昂って。
涙が出そうになる歌詞も大好きでした。
名古屋のチャントって本当に伝えたい言葉や支える言葉が詰まっていて、
気がつけば選手に向けてだけじゃなく自分自身に向けて口ずさんで勇気や力を貰ったり。
素晴らしい曲が沢山ありますよね?
新しいアンセム、みんなで育てる歌
そんな大切で、たくさんの人の想いの詰まったアンセムが、エンブレムの時と同じようにクラブとサポーター双方の共同制作という形で新しく生まれ変わります。
※ エンブレムをめぐるSOCIOプロジェクトについては、関係者にインタビューして作成されたこの記事をどうぞ
そこに込められた想いや願いは皆さんそれぞれの胸の内にあると思いますが、僕はこの曲がこの先グランパスを表す象徴になってほしいと思いますし、
ゴール裏のみならず、スタジアム全体から選手達に想いを届けるメッセージになってほしいと願っています。
そう、この曲を中心にスタジアム全体を熱く滾る空間に、絶対的なホームスタジアムにできることを信じています。
声は、届く。想いは、力になる。
近年、選手達の口からも応援の熱気やサポーターの皆さんへの感謝が聞こえてくる機会が増えました。
冒頭、BGMと感じていた頃の自分はもういません。
勝利を信じて、強く強く想いを込めた応援は、必ず選手達の力になると確信しています。
そしてスタジアムに足を運ぶ多くの皆さんにも、同じように感じてほしい。
観客ではなくサポーター、共に戦う仲間として、選手達の背中を一緒に押してほしいんです。
メインやバックの席だと、初めは勇気が必要かもしれません。
大人になると日常生活の中で、枯れるほど大きな声を出すことなんて、カラオケくらいしかないですしね?
だけど、その勇気は必ず選手達の力になります。
周りはみんな仲間です!
声は、届く。
想いは、力になる。
「Never Give Up for the Win」
ピクシーが名古屋グランパスにもたらしたこの言葉は、いまやグランパスファミリーステートメントとして刻み込まれています。
グランパスのDNA、勝利のために決して諦めない、周囲を巻き込む熱量で一体となって闘おう
その言葉の通りに
この街、このクラブ、このスタジアムで今まで見た事の無い空間をみんなで作る事が必ず出来るはずです!
最後に
今回この素晴らしい曲を完成させてくれたQaijffの内田さん、クラブ関係者の皆様、アンセムミーティングの参加者の皆様、本当にありがとうございます。
これから先、このアンセムをどう育てていくかは僕達みんなの志と立ち振舞い次第だと思います。
この曲が僕達の誇りになる様に、何十年先になっても込められた想いをみんなが共有出来る様に、熱く、楽しく、全力で歌い続けていけたら良いなと思います。
みんなで、最高の景色を作りましょう!
ここまで読んで頂きありがとうございました。

