前回、財務諸表を中心に見てみました。
貸借対照表とは
「会社が事業資金をどうやって集めて(総資本…右側)、どのような形で保有をしているか(資産…左側)を表すもの」です。 貸借対照表で会社の持っている財産や借金を読み取ることができます。 上記のような表が貸借対照表です。 左側で資産を表し、右側で負債と資本(あわせて総資本といいます)を表しています。実際にはそれぞれの資産・負債・資本の内訳が入ります。
この表からはいくつかの指標を読み取ることができます。
流動比率
そんな教科書の丸写しではなく、もう少し噛み砕いて言うと、会社の当面の資金繰りはどんな具合なのかを知るためには、短期の負債に対して、短期の資産を比較します。貸借対照表の左側「資産の部」からは、現金・預金・有価証券・売上債権・棚卸資産のように、1年以内に現金化できたり、在庫など営業の途中段階になっているものを「流動資産」と呼びます。これと右側「資本の部」からは1年以内に返さなければならない、つまり支払い時期や返済期間が1年以内に到来する負債であるものを「流動負債」と呼びます。この割合を示せば良いわけです。そろそろ返さなければならないお金に対して、払えるお金が何%あるかを示すといえばわかりやすいでしょうか。
ファイナンシャル・フェアプレーと呼ばれるクラブライセンス制度の根幹にある考え方はこのようなキャッシュフローが破綻しないように監視しようとするものです。
名古屋の場合は163百万円/192百万円なので82%になります。これはあまりにも低い数字になっています。100%を切っているのは昨年のJ1チームでは半分以下です。異次元の比率でもある柏レイソル(20%!!!)を除けば、ワースト3に入ってくるものになっています。
流動比率ワースト6
名古屋は危険なの?
とはいえ、現在流動比率は短期的な健全性しか見ることができないので経営的にはあまり重要視はされていません。それに名古屋の場合、流動資産も流動負債も少ないのです。ということはあまりJリーグの試合以外の企業活動は活発ではないとも言えます。それが果たしていいことなのかどうかは考えどころです。