実働できるフィールドプレイヤーが17人しかおらず、最悪の状況も底を打った感がありますが、コレ以上、怪我人は増えてほしくないですよね。
よく「怪我を防ぐにはストレッチだよ!」と言われますが、最新の理論では、ストレッチにも良いストレッチと悪いストレッチがあるそうなんです。皆さんご存知でしたか?
サカイクというサイトで、日本代表のトレーナーも務められた並木さんの記事が挙げられていました。(数年前の記事ですが)
http://www.sakaiku.jp/column/exercise/2013/004140.html
長い記事ですので要約すると、運動を行う前に行うストレッチ=ウォーミングアップでは、まず筋肉の温度を上げ、心拍数を上げて血流を良くしていくことが大事なのだそうです。
筋肉の温度を上げることで、乳酸を分解する酵素が活発になる、体温が上昇すると血液の循環が良くなり、酸素がスムーズに身体に行き渡ります。
一瞬の力しか使わないような運動の場合は酸素は必要ありませんが、サッカーのように長時間動き続けることが必要なスポーツでは、酸素を身体中に行き渡らせることが必要になってきます。わたしたちでもウォームアップなしで運動すると、すぐスタミナ切れしてしまうのはそういうことです。なので関節を限界まで曲げたり伸ばしたりするのではなく、身体全体が温まるようにするのが大事なのだそうです。
このような筋温をあげていくことを主眼としたストレッチを「動的ストレッチ」と呼ぶのだそうです。
この動的ストレッチを科学的に突き詰めて、怪我を減らすためにFIFAが定めた新しいウォームアップメソッドが「FIFA 11+」です。
このFIFA 11+は日本でもJFAが公開しています。
「11+」は14歳以上の男女のサッカープレーヤーを対象とした、傷害予防のためのウォーミングアッププログラムです。
国際的な専門家のグループによって作成されたもので、「11+」を週2回以上行ったチームは、傷害発生が30~50%減少するという結果が出ています。(JFAメディカルインフォメーションページより引用)
http://www.jfa.jp/football_family/medical/11plus.html
ビデオになっていて、僕らでもわかりやすいようにできています。
3部構成になっていて、第1部がランニング・エクササイズ。普通に走ったり、ジャンプしてショルダーコンタクトしたり、などのプログラムです。おそらく心拍数を上げていったりすることが主眼の段階でしょう。
第2部は筋力・プライオメトリクス・バランス、ということで、様々な筋肉をもれなく使って、冷えた筋肉を作らせないようにするプログラムが続きます。ちなみに初級から上級まで3タイプにわかれています。初級の一番最初の「スタティック」でも案外しんどいです。自分の身長分のスペースがあればどこでもできるので一度5分間やってみてください。結構プルプルきちゃいます。
第3部はまたランニング・エクササイズです。ただ、軽く走ったあとに、バウンディングというプログラムがあります。膝を大きく引き上げてジャンプするプログラムです。実はトレーナーの方にFIFA 11+とは別に「ジャンプって結構大事なんよ」と言われたことがあります。目から鱗が落ちる思いです。そして方向転換を混ぜたランニングで終了です。だいたい20分から30分くらいのプログラムになっています。
http://www.jfa.jp/football_family/pdf/medical/11plus_a4.pdf
動画が見れないという場合は、PDFの文書もあるので、是非ともご覧になってみてください。
ストレッチというと、関節の可動域いっぱいいっぱいまでミシミシ言うまで伸ばしていくということを子供の頃から教えられてきていたので、そんなストレッチは不要というのは驚きました。
みなさんもFIFA 11+、チャレンジしてみませんか?