まもなくテストが始まると言われているDAZN、果たしてどうやったら見られるんでしょう。
商売的なところも面白そうではあるんですが、むしろどうやって一般ユーザーが見れるのかについて、一度きちんとまとめをしておいたほうがいいような気がしているので今ネットで調べられる範囲のことをまとめます。
DAZNは何で見られるのか?
DAZNはすでにプレ登録がはじまっています。
さらにヘルプページなども公開されはじめており、以下のページに詳細な情報が載せられています。
https://my.dazn.com/help/jp-ja/about-recommend-devices
テレビで見る場合
- Android TV機能のあるSONYのテレビ
- 東芝・シャープ・PanasonicのスマートTV(NetflixやHuluが直接リモコン操作だけで見られるタイプのテレビ)
残念ながら今の時点では、詳細な型番でどんなモデルが見ることができるのかはわかりません。基本的にはテレビに、DAZNアプリが配信されて、それを使って視聴する、という形になりそうです。
なんらかのデバイスを繋げてテレビで見る場合
- SONY プレイステーション3、プレイステーション4
- Amazon FireTV、FireTV Stick
- Google Chromecast、Google Nexus Player(終売済)
現在公式に対応が発表されているのは上記デバイスです。しかし、アプリの共通性を鑑みるとApple TVで視聴可能になる可能性もかなり高いと思われます。
モバイルで見る場合
- iOS 8.0以降のiPhone、iPod Touch、iPad(AppStoreのDAZNアプリ経由で視聴)
- Android 5.0 Lolipop 以降のAndroid携帯およびタブレット機器(Google Play利用可能であることが必須。旧型らくらくフォンなどは不可:Google PlayのDAZNアプリ経由で視聴)
- FireOS3以降のKindle Fireタブレット(Amazon AppStoreのDAZNアプリ経由で視聴)
気をつけなければいけないのはAndroidですね。一応Android5.0以降となっていますが、Android5.0以降のシェアというのはAndroidデバイス全体で、まだ2016年7月の統計で、50%にも達していません。ご自分の携帯がバージョンいくつなのかについても調べておいたほうがいいでしょう。
また、らくらくフォンや日本製ではないAndroidケータイだと、Google Playが利用不可の場合もあります。これも注意が必要です。
パソコンで見る場合
パソコンの種類、OS問わず見ることができるようです。Webブラウザを使って視聴が可能なようです。
- Google Chrome(バージョン21以降)
- Microsoft Internet Explorer(バージョン11)
- Mozilla Firefox(バージョン30以降)
- Apple Safari(バージョン6以降)
DAZNを見るために何が必要なのか?
DAZNを見るために必要なものはなんでしょうか?デバイスを繋げて視聴する場合にはデバイスがもちろん必要です。
が、それ以前に重要なことは、ネット接続で見るということで、安定して高速なネットワーク接続が必要になることです。
https://my.dazn.com/help/jp-ja/about-quality-of-video
まだベータ版サイトの記事ですので確定ではありませんが、以下のような記述があります。
Q. 動画の画質が良くありません
DAZN(ダ・ゾーン)が提供するライブストリーミングサービスでは、標準画質からフルHDサイズまで、パソコンやスマートフォンなどデバイスに合わせて最適化された映像をお届けしておりますが、ご利用のインターネット環境によって、
動画の画質に影響を与える場合がございます。画質の良い動画をお楽しみいただくためには、以下を参考にしてください。
■標準画質での動画のご利用時に推奨されるブロードバンド接続スピードは5.0Mb/秒です。
■HD画質でのライブストリーミングと過去のライブストリーミングをご利用時に推奨されるスピードは9.0Mb/秒です。
■モバイルデータ通信および衛星インターネット接続は、有線LANでのインターネット接続やDSLより接続速度が遅い場合があります。
この5.0Mb/秒から9.0Mb/秒という速度は、相当ハードルが高いものです。よく単独で接続している場合のテスト結果で、100Mbpsを超えた!なんて書いてあるケースがありますが、筆者の家のJCOM(ケーブルTV)回線では平均で16Mbpsくらい。それをスマホとパソコンで分けあっています。最高画質の9.0Mb/秒という数字は期待できません。9.0Mb/秒という数値は、良いインターネット接続が必要となります。
そもそもDAZNとNTTが何故提携しているか?
光回線であれば、9.0Mb/秒は楽勝でクリアすることができるでしょう。
NTTとして収入の源泉になっているのは、いまや電話よりも光回線です。光回線を使うサービスに人気が出れば、光回線が売れるので、だから提携しているのです。日本の光回線はauのものを除けば、ほとんどがNTT回線か、NTT回線の貸出です。できればこれを機会に、みんなに光回線を引いて欲しい!と考えているわけです。
スマホの回線だけで、DAZNは楽しめる?
答えからすれば楽しめます。
ただ気をつけなければいけないのはパケット代とその使用量です。
スマホで見ることを想定して、1Mb/秒とした場合、2時間の試合を見たら
1Mbit÷8(byte換算)✕7200(秒:2時間)=0.9GB
1試合でだいたい1GBが消費されてしまいます。ちなみにスカパー!オンデマンドでもだいたい1試合みると1GBくらいを消費していました。月に4試合見たら、もう4GB近くになってしまいます。ちなみに最高画質だと、この9倍ですので1試合で8.1GBを消費することになります。
だいたいスマホの通信制限は月間5GBから8GBくらいのことが多いので、これだけで使いきってしまいます。光回線が必要なのがわかるでしょう。
まとめるとDAZNを見るためにはこうするべき
DAZNを見るためには、
- 光回線か、光回線に準じた速度の回線が必要です。
- さらに通信量の制限がある程度ゆるいことが必要です。
その上で、
- 対応デバイスを持ってる→とりあえずそれで見る
- 対応デバイスを持っていない→PS3やPS4、Amazon FireTVなどを購入して既存のテレビで見る
という選択肢になるでしょう。対応デバイスを持っていない場合はデバイスが必要です。
じゃあ一番簡単なソリューションとして、対応テレビ買っちゃおうかな?っていう方もいるかもしれません。その場合注意が必要です。具体的には4Kテレビを買うのは今はおすすめしません。8月1日からはじまった4K/8Kの放送は、今売られているスマートTVでは見ることができません。対応TVは2年後くらいから発売だそうです。
DAZNとJリーグの課題
DAZNは、すでに光回線を持っていて、デバイスを購入の意欲を持っている人にとってはなにも問題はないサービスでしょう。
しかし平成27年度情報通信白書を見ると以下のような統計が出ています。
光回線が導入されている世帯は、実はまだ58.7%しかいないのです。そもそも携帯電話回線の負担から解約してしまう場合が出ているくらいです。残り4割にどうやってリーチするのか。
残りの4割のなかにも、Jリーグのサポーターは少なくないと思われます。彼らに高速なネットワーク回線を引いてくれと負担を強いることは簡単ではありません。光回線の料金はだいたい月5000円前後です。DAZNが月額1500円とすると、6500円ということになってしまいます。光回線をサッカー視聴のためだけに引くということは簡単ではないかもしれません。現在のスカパー!の3000円よりも高くついてしまう可能性もあります。
残り半年の期間で、この移行を成功させることができるかというと、難しいだろうと想像します。
一番簡単なのは、Jリーグが主導で、スカパー!にもセカンドソースで中継を継続してもらうということです。これはDAZNが絶対に嫌がると思います。
しかし、急激な変化についていけないサポーターが数多くいることを考えたら、彼らを切り捨てないでいくような、そんな英断がJリーグに求められていると思っています。